松原久子〈まつばら・ひさこ〉著『黒い十字架』(藤原書店、2008年)読了。島原の乱前夜を描いた小説である。セオリーとしては『沈黙』と比較するのが筋なのだろうが、私としては『みじかい命』を推す。松原久子は竹山道雄の衣鉢(いはつ)を継ぐ人物だと考えているからだ。島原の乱は鎖国のきっかけとなった事件であった。鎖国を実現し得たのは日本がヨーロッパに対抗できる軍事力を有していたからだ。「発見の時代」(Age of Discovery/大航海時代)にあって有色人種地域はほぼ全てがヨーロッパの支配下となった。豊臣秀吉のキリスト教弾圧も先見的な政策判断であった。以下に島原の乱関連書籍をまとめた。
・『
クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国』若桑みどり
・『
マルガリータ』村木嵐
・『
沈黙』遠藤周作
・『
島原の乱』菊池寛
・『
幻日』市川森一
・『
奇蹟 風聞・天草四郎』立松和平
・『
完本 春の城』石牟礼道子
・
『黄金旅風』飯嶋和一
・『
出星前夜』飯嶋和一
・『
街道をゆく17 島原・天草の諸道』司馬遼太郎
・
『殉教 日本人は何を信仰したか』山本博文
・
『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新
・
『みじかい命』竹山道雄
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