2冊挫折、1冊読了。
『
ベトナム戦争のアメリカ もう一つのアメリカ史』白井洋子(刀水書房、2006年)/良書ながら学術書特有の硬さについてゆけず。序盤とインディアンの部分だけ読む。「硬さ」と書いたのは、歴史叙述が目的化しており、テーマを掘り下げる勢いに欠けているように感じたという意味である。
『
適切な世界の適切ならざる私』文月悠光〈ふづき・ゆみ〉(思潮社、2009年)/3分の2ほどでやめる。
文月悠光は第15回中原中也賞を史上最年少の18歳で受賞。1991年生まれ。今知ったのだが道産子のようだ。瑞々しい言葉がほとばしっているのだが、五十に手が届こうとする男性が読む代物ではない(笑)。
27冊目『
通貨戦争 影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉: 橋本碩也〈はしもと・せきや〉監訳、河本佳世〈かわもと・かよ〉訳(武田ランダムハウスジャパン、2010年)/時にひれ伏し、時に仰ぐような気持ちで読み終えた。大国の知性を思い知る。宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉は1968年生まれ。本書を書き終えた時、まだ40歳になったばかりだというのだから恐れ入る。前著『
ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』も増刷された。金融システムの本質と歴史を詳細に綴り、尚且つ近未来をも予測している。ユダヤ資本による世界の『
一九八四年』化が静かに進行している。
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