私は一体誰なのか。遺伝上の“父”を知りたい――。提供精子による非配偶者間人工授精(AID)で生まれた当事者の声を伝える「AIDで生まれるということ」(萬書房、税抜き1800円)が出版された。誰か分からない男性の精子で生まれたことを知った衝撃、家族との葛藤、永遠に消えることのない苦悩が、本人の言葉でつづられている。
AIDは無精子症など男性側に不妊原因がある場合に実施される。国内では60年以上の歴史があり、1万人以上が生まれたとされる。近年、精子提供者の情報開示をめぐり、出自を知る権利の議論が高まっている。
本に登場する当事者は横浜市の医師、加藤英明さん(40)ら30~50代の男女6人。大人になってからAIDの事実を偶然知ったり、両親の離婚などをきっかけに突然知らされたりした。共通するのは、自分が何者か分からないという不安や不気味さだ。
「人生の土台が崩れた」「自分の誕生に男女の『情』というものが存在しなかったという、絶望にも似た気持ち」。涙が止まらず、心療内科に通い続けた女性もいる。
「誰のための技術なのか」という彼らの問い掛けは、子どもを授かりたいという親の願望をかなえる一方、子どもの幸せが置き去りにされている生殖医療の在り方に警鐘を鳴らす。〔共同〕
【日本経済新聞 2014-05-21 夕刊】
考えさせられる。/古本屋の殴り書き: 遺伝上の父を知りたい 精子提供で生まれた6人が出版 http://t.co/9wK4sTNwDw
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 5月 21
孤児の場合はどうなのか?
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親がわからなければ不安定になるのは「子の立場で」ある。子であることをやめるわけにはいかないのか?
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軽蔑すべき親や憎悪すべき親の元に生まれた場合はどうなのか? 親を知らない人々よりも自我は安定するのだろうか?
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生きることに必死なストリートチルドレンは、同様の悩みを抱えるのだろうか?
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出自や由来に関する悩みは歴史性を帯びているのかもしれない。
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「男女の情」が問題であれば、強姦されてできた子供はどうなるのか?
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「男女の欲情」でも構わないのだろうか?
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「精子提供」という事実を知らなければ彼らは幸福だったのか?
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「必要」とされたいのであれば、今からでもそういう自分になればいいのではないか?
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結局は「物語がうまく作れない」ところに原因があるのだろう。だったら自分で物語を作ればよい。
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生まれてよかったかどうかではなく、今生きていてよかったかどうかを問うべきだ。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 5月 21
生きよ。今を。
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生きていてよかった。柿の種がおいしいもの。
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生きていてよかった。本が読めるからね。
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生きていてよかった。あなたに会えたから(ウソ)。
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つべこべ言わずに生きろ。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 5月 21
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