2014-10-08

菅沼光弘


 1冊読了。

 74冊目『この国の権力中枢を握る者は誰か』菅沼光弘(徳間書店、2011年)/東日本大震災による福島原発事故を通して、日本が原発を導入するに至った歴史的・政治的経緯に始まり、GHQの占領政策が戦後の日本をどのように破壊してきたかを様々な角度から説く。その膨大な知識と情報に圧倒される。しかも金融・経済にまで目配りが行き届いている。菅沼は原発を憂慮する国民が多いことをわかりながら、敢えて核武装の必要性を提言する。私自身は数年前から核武装に賛成の立場だ。理由は単純である。もともと民主主義というのは類人猿時代に始まる。それは弱い者が力を合わせてアルファオス(ボス猿)を暴力的に排除することに由来している。人類が起こしてきた革命はすべてこれに該当する。ところが金融の電子化と原子爆弾の発明によって民主主義は滅んだと私は考える。なぜなら国民の大半が蜂起したとしても、これらを奪うことができないためだ。米よこせ運動は可能だが、マネーよこせ運動や核よこせ運動は不可能だ。そもそも銀行には一部の資産しか存在しないのだ。行間に憂国の情がほとばしり、結論で日本人への信頼を述べている件(くだり)は胸に込み上げてくるものがある。手引きとしては、『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』関岡英之→『戦後史の正体 1945-2012』孫崎享→『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』ナオミ・クライン→『メディア・コントロール 正義なき民主主義と国際社会』ノーム・チョムスキー→菅沼光弘と進めば理解が深まることだろう。

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