2014-10-14

菅沼光弘


 1冊読了。

 76冊目『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘(徳間書店、2012年)/財政健全化を口実に消費税増税をするのは倍国債購入のためと明言している。昨今のドル高もそれで説明できる。先方としては高い値段で売りたいわけだ。菅沼の一連の著作は語り下ろしだと思われる。それだけに読みやすいのだが、本書の編集はやや散漫で統一性を欠く。日本の政治家・官僚の多くが親米なら反中、親中なら反米となることを憂慮し、「なぜ独自の道を歩まないのか」と指弾する。菅沼は赤裸々に原発とオスプレイを肯定している。だがそれはタメにする議論ではなく、飽くまでも日本が国家として自立する道を志向してやまないためだ。国民の感情的な反応には確かに問題があろう。重複する内容も多いが、アメリカの戦略的な日本支配に慄然とする。

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