2016-07-31
河野義行、他
6冊挫折、1冊読了。
『ロボットとは何か 人の心を映す鏡 』石黒浩(講談社現代新書、2009年)/確か茂木健一郎の講演で石黒を知った。視点がユニーク。ところどころ飛ばしながら最後まで読む。
『カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する』エレツ エイデン、ジャン=バティースト・ミシェル:阪本芳久訳、高安美佐子解説(草思社、2016年)/要は文化を望遠鏡で見つめる試みである。総花的で主題がつかみにくい。TEDの講演も声が甲高くて耳障りだ。
『説き語り日本書史』石川九楊〈いしかわ・きゅうよう〉(新潮選書、2011年)/中ほどまで読む。やはり石川にはゴリゴリの硬い文体が合う。読みやすい分だけ魅力が薄い。
『つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版』森健(文藝春秋、2012年)/子供たちが避難所で書いた原稿がそのまま掲載されている。元は『文藝春秋』臨時増刊号で18万部も売れたという。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『文藝春秋増刊「つなみ 5年後の子どもたちの作文集」』、『「つなみ」の子どもたち』と続く。
『東北ショック・ドクトリン』古川美穂(岩波書店、2015年)/文章に嫌な匂いを感じる。タイトルも読者をミスリードしている。特定の政治的スタンスや思想を感じる。
『日本共産党研究 絶対に誤りを認めない政党』産経新聞政治部(産経新聞出版、2016年)/出来はよくないが1404円なので目をつぶる。「朝日新聞は読む気もしないが、かといって産経新聞を読むほど知的に落ちぶれてはいない」というのが我が心情である。左と右を代表する新聞に共通するのは「拙さ」である。朝日の慰安婦問題捏造発覚以降、毎日やローカル紙は完全に左旋回している。読売は中身がないし、日経はアメリカ万歳だ。つまり日本にはまともな新聞がない。日本共産党が秘めている破壊活動に警鐘を鳴らすのは結構だと思うが、角度が浅い。4分の3ほど読んだ。
113冊目『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行(文藝春秋、1995年/文春文庫、2001年)/「必読書リスト」のチェックを行っている。再読に堪えないものはどんどん削除していくつもりだ。報道被害を知る上で絶対に欠かすことのできない一冊である。それにも増して市井にこれほどの人物がいることに驚く。常識とはバランス感覚なのだろう。『妻よ! わが愛と希望と闘いの日々』(潮出版社、1998年)もおすすめである。
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