1冊挫折、1冊読了。
『
警察庁長官を撃った男』鹿島圭介〈かしま・けいすけ〉(新潮社、2010年/新潮文庫、2012年)/文章に独特のキレがある。良書。ただし私には必要がないと判断した。「命を狙われた点は気の毒だったが、国松の責任は極めて重大というほかない」(単行本27ページ)。犯罪は未然に防ぐことができない。時折、文筆業者にありがちな軽薄な決めつけが見受けられる。
54冊目『
感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性』高橋昌一郎〈たかはし・しょういちろう〉(講談社現代新書、2012年)/限界シリーズ第三弾。偏った知識に全体観を与えてくれる好著。高校のテキストにするべきだと思う。若いうちに読んでおけば無駄な読書をしなくて済むことだろう。軽めの読み物でありながら軽薄に堕していないところがミソ。内容としては行動経済学、認知科学入門であり、意識と自由意志を辿り、カミュの形而上学的反抗にまで触れている。
必読書に入れる予定。
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