・『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
・『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
・『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
・『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄
・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
・『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
・『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭
・「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因
・ポルトガル人の奴隷売買に激怒した豊臣秀吉
・『平和の敵 偽りの立憲主義』岩田温
・『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一
・『パール判事の日本無罪論』田中正明
・『だから、改憲するべきである』岩田温
・日本の近代史を学ぶ
・必読書リスト その四
「伴天連追放令」に際し、秀吉はイエズス会のパードレ・ガスパール・コエリョに対して詰問しているのですが、この中で見逃すことが出来ない一言が登場しています。
秀吉はコエリォ(ママ)に対し、次のように問うています。
「何故ポルトガル人は日本人を購い奴隷として船につれていくや」
――ポルトガル人は日本人を奴隷として売買していた。
極めて重要な事実なのですが、多くの日本人はこの歴史を知りません。秀吉の「伴天連追放令」の背景には、知られざる日本人奴隷の問題があったのです。秀吉はポルトガル人が日本人を奴隷として売買していることに憤りを感じた政治家だったのです。
秀吉は次のように主張しています。少々長いのですが、重要な文章なので引用します。
「予は商用のために当地方に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までにインド、その他遠隔の地に売られて行ったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すよう取り計らわれよ。もしそれが遠隔の地ゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。」
秀吉は、ポルトガル人をはじめとする外国人が日本人を奴隷としている事実を掴んでおり、日本人奴隷に同情しているのです。費用を支払ってもかまわないから、彼らを解放しろと主張しているわけです。
何度読み返してみても、極めてまっとうな意見であり、筋の通った主張です。豊臣秀吉は同胞が悲惨な奴隷の境遇に置かれていることが我慢ならなかったのです。日本人を奴隷として扱うなど「許すべからざる行為」との言葉には、秀吉の強い憤りを感じることができます。
【『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温〈いわた・あつし〉(彩図社、2015年/オークラNEXT新書、2012年『だから、日本人は「戦争」を選んだ 』改訂改題)】
売られた日本人奴隷は手足に鉄の鎖をつけ、船底に詰め込まれた。婦女子は当然のように強姦された。秀吉のバテレン追放令は1587年に発令されたものだが、400年という時を超えても私の胸は怒りで煮えたぎる。有色人種を家畜同然に扱いながらも性欲の刷毛口とするところに白人の非道が見て取れる。現代においても教会では青少年が性虐待されているとのニュースがしばしば報じられる。教義では性を抑圧しながらも陰では性衝動を狂乱させているのだ。ありのままの人間性を否定するドグマが精神を歪め、二重人格に至るのは当然だ。クリスチャンには取り澄ました顔つきの偽善者が多い。
私は本書によってバテレン追放令の背景を知った。豊臣秀吉の鋭い国際感覚に脱帽し、日本人を思いやる心に涙を催した。秀吉はキリスト教の宣教が植民地支配の第一段階であることを見抜いていた。
白人帝国主義は大航海時代(15世紀中頃-17世紀中頃)に始まる。
・1434年 エンリケ航海王子が派遣した船がボジャドール(ボハドル)岬を踏破。
・1492年 クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達。
・1494年 トルデシリャス条約によって世界をスペインとポルトガルで二分する。
・1498年 ヴァスコ・ダ・ガマが新航路を発見しインドに到達。
・1522年 マゼランが世界一周を成し遂げる。
・1542年 ラス・カサスが『インディアスの破壊に関する簡潔な報告』を執筆。
(※「異民族は皆殺しにせよ」と神は命じた/『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹)
船以外の通信がない当時を思えば、秀吉のバテレン追放令は大航海時代のリアルタイムといっても過言ではあるまい。日本以外の有色人種は白人に支配され、500年もの長きに渡って搾取の対象とされた。日本が辛うじて植民地を免れたのは武士を中心とした軍事国家であったためだ。秀吉は1591年(天正19年)にはフィリピンに、1593年(文禄2年)には台湾に対して朝貢を命じた。そしてキリスト教の魔手を防ぐために自ら打って出て朝鮮に出兵した(文禄・慶長の役)。天下統一の余勢を駆って無謀な戦争を仕掛けたものだとばかり思い込んでいたが実は違った。二度に渡り15万人もの出兵をし、スペインに対して軍事的脅威を与える狙いがあったのだ(『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一)。秀吉の目論見は見事に成功し江戸時代の日本を長く守ることとなる。
明治維新によって武士は髷(まげ)を落とし刀を置いた。鎖国は解かれ国を開いた。不平等条約を結ばされ、いくつかの戦争を経て独立国とはなったものの最後の戦争で完膚なきまでに叩きのめされた。そして平和憲法を持たされた。かつて武士が守ったこの国では外国のスパイや共産主義者が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している。官僚は当然のように天下りを繰り返し、政治家は甘い汁を啜(すす)りながら保身に走る。敗戦は昭和20年の出来事ではなく現在に至っても終わらぬ歴史である。その恐るべき事実を教えてくれる一冊だ。
人種差別から読み解く大東亜戦争
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岩田 温
彩図社 (2015-07-17)
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