・『昭和の精神史』竹山道雄
・『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘
・『見て,感じて,考える』竹山道雄
・『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編
・『剣と十字架 ドイツの旅より』竹山道雄
・『ビルマの竪琴』竹山道雄
・『竹山道雄評論集 乱世の中から』竹山道雄
・『歴史的意識について』竹山道雄
・『主役としての近代 竹山道雄セレクションIV』竹山道雄:平川祐弘
・『精神のあとをたずねて』竹山道雄
・昭和19年の風景
・絵画のような人物描写
・『みじかい命』竹山道雄
・竹山道雄著作リスト
1
樅の木と薔薇
蓮池のほとりにて
磯
2
若い世代
空地
昭和十九年の一高
3
学生事件の見解と感想
門を入らない人々
4
ベルリンにて
モスコーの地図
5
白磁の杯
6
焼跡の審問官
妄想とその犠牲
聖書とガス室
7
昭和の精神史
あとがき
編注
初稿発表覚え書
主要発表一覧
著訳書一覧
あのころは遠くの山脈も今よりははっきり見えたような気がする。日によっては、光を浴びた雪山がすぐまぢかに迫って聳り立っているように思われたこともあった。(「空地」)
【『時流に反して』竹山道雄(文藝春秋、1968年)】
巻末資料に「向陵時報 19.6.16稿」とある。向陵時報は旧制一高の寮内新聞のようだ(資料所蔵先)。うろ覚えだが「空地」の他は既出の文章であったと思う。
場面展開がクルクルと変わる随筆でつかみどころがないように感じるが、確実に敗戦へ向かう国情が偲(しの)ばれる。しかもそれぞれのエピソードを空地でつないで国土に仮託している。上記テキストも「将来の見通しが立たなくなった日本」を静かに描くものだ。あとがきで「厭戦気分もこれ以上には書くことはできなかった」と心情を吐露している。
『時流に反して』とのタイトルが実に竹山らしく戦中・戦後の文筆もさることながら、刊行された1968年が学生運動の真っ盛りであることを踏まえれば二重の意味で迫ってくるものがある。
時流に反して (1968年) (人と思想)
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竹山 道雄
文藝春秋
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