2015-12-02

小山矩子


 1冊挫折。

日本人の底力 陸軍大将・柴五郎の生涯から』小山矩子〈こやま・のりこ〉(文芸社、2007年)/文芸社といえば自費出版系で知られるが、2008年に草思社を子会社化したのは知らなかった。著者は1930年生まれで小学校教諭、校長を務めた人物。フォントの大きい183ページの小著だが、半分過ぎたあたりでやめた。各所に思い込みの強さが見受けられ、自分の思い通りにならないと気が済まないような性質が露呈している。はっきり言って馬鹿丸出しだ。幼児期に会津戦争を経験した柴は何が何でも平和主義者であらねばならない、との強迫観念にとらわれている。日教組臭さを感じるが教育勅語は評価している。歴史とは現在と過去との対話であるが、この人は現在の価値観でしか過去を見ることができないようだ。少なからず資料的価値はあるものの病的な思考に耐えられず。

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