2015-12-11
紺谷典子、山崎正友、他
2冊挫折、2冊読了。
『骨風』篠原勝之(文藝春秋、2015年)/第43回泉鏡花文学賞受賞作品。あまりピンと来なかった。父親に虐待された過去と見舞いに行った現在とが混沌としていてわかりにくい。「オレ」とか「ゲージツ」という言葉も耐え難い。
『声に出して読みたい日本語 1』齋藤孝(草思社、2001年/草思社文庫、2011年)/良書。センスがよい。飛ばし読みで終わったが半分以上は読んでいる。齋藤はプレゼンテーション能力が高い。
168冊目『闇の帝王、池田大作をあばく』山崎正友(三一新書、1981年)/著者は元創価学会顧問弁護士。矢野絢也著『乱脈経理』を軽々と超える内容だ。こなれた文章で自分が携わってきた汚れ仕事を赤裸々に暴露している。創価学会の政治力は集票力もさることながら、池田の札束攻勢にあることがよくわかる。宗教団体というよりは手口が広域暴力団に近い。毎日新聞の内藤国夫が池田にインタビューしている事実を初めて知った。
169冊目『平成経済20年史』紺谷典子〈こんや・ふみこ〉(幻冬舎新書、2008年)/やっと読み終えた。新書ながら400ページのボリューム。専門家の矜持が静かな怒りの焔(ほのお)となってメラメラと燃え上がる。小泉政権時代にテレビから抹殺された一人である。小泉・竹中コンビによる日本経済破壊の失政に鉄槌を落とす。日本の政治とマスコミの現状を知るための教科書といってよい。住専問題については私も当時、総合雑誌の特集号などを読んでフォローしているつもりであったが、まるでわかっていなかった。明治維新から小泉政権に至る近現代史の解明が待たれる。「必読書」入り。
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