・『小室直樹vs倉前盛通 世界戦略を語る』世界戦略研究所編
・『悪の論理 ゲオポリティク(地政学)とは何か』倉前盛通
・『新・悪の論理』倉前盛通
・『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編
・祭祀とテロ
・ルネサンスと宗教改革が近代化の鍵
・『自然観と科学思想 文明の根底を成すもの』倉前盛通
・『悪の超心理学(マインド・コントロール) 米ソが開発した恐怖の“秘密兵器”』倉前盛通
・『悪の運命学 ひとを動かし、自分を律する強者のシナリオ』倉前盛通
・『悪の戦争学 国際政治のもう一つの読み方』倉前盛通
・『悪の宗教パワー 日本と世界を動かす悪の論理』倉前盛通
・必読書リスト その四
ロシアはまた、西欧や日本のようなルネッサンスや宗教改革を経験していなかった。(註。日本は鎌倉・室町期に一種の宗教改革をなしとげ、民衆心理に革命がおこった。文芸復興は室町・徳川時代に一応なしとげられたといってよい。日本の場合、西欧と異なる点は宗教改革の方が文芸復興に先行した点だけである。)ロシアは中世時代数百年にわたってモンゴル・タタールの支配下にあったため、ルネッサンスを内発的にひきおこすほど、文化的な年輪は積んでいなかった。僅かに帝政の末期にその走りがあらわれ始めていたが、革命にともなう大殺戮のため、それも中断された。そしてスターリンの死後、再びルネッサンス的な動きがあらわれたが、これも再び圧殺されかかっている。一方のロシア正教の方も宗教改革を一度も経験したことがなく、いわば中世ヨーロッパのようなおくれた宗教的心理が一般のロシア人を支配していたのであって、そのため、皇帝(ツアー)と神と教会の三位一体の支配機構が崩壊したあと、それに代って、党書記長(皇帝)とマルクス・レーニン(神)と党(教会)という三位一体の支配機構が出現したのである。根底を流れる支配と隷属の心理には何の変化もおこらなかった。
【『情報社会のテロと祭祀 その悪の解析』倉前盛通〈くらまえ・もりみち〉(創拓社、1978年/Kindle版、2018年)】
目から鱗(うろこ)が落ちた。憲法という観点からは小室直樹が西洋と日本の比較をしているが(『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』、『日本人のための憲法原論』)、ルネサンスと宗教改革はもっとわかりやすい。室町・徳川時代の文芸復興とはわび・さび文化、そして賀茂真淵〈かものまぶち〉・本居宣長〈もとおり・のりなが〉~平田篤胤〈ひらた・あつたね〉の国学思想だと思われる。これに水戸学を加えてもよさそうだ。
宗教革命とは「権威の否定」であり「絶対の否定」ともいえよう。ルネサンスは原点回帰・伝統回帰である。温故知新〈おんこちしん/「子曰く、故(ふる)きを温(たず)ねて、新しきを知れば、以て師と為るべし」『論語』〉とは申すなり。ルターの宗教改革は聖書を聖職者の手から信徒の手に移した。鎌倉仏教は庶民自らが修行を行う方途を開いた。
昨今日本の近代史を見直す風潮が高まっているのも一種のルネサンスといってよい。70年以上に渡って日本を悪しざまに罵ってきた左翼が嘘をつかざるを得なくなったところに左翼の行き詰まりがある。
ところが事はそう簡単なものではない。外務省は歴史上の過ちを認めようとしない。また官学の親米派が日本悪玉史観を払拭できていない現実がある。
・インターネットを通じたイスラム教の宗教改革/『イスラム教の論理』飯山陽