寿命に及ぼす放射線の影響について調べた。「いたずらに不安を煽るな」という声と「リスクに備えて迅速な行動を」という声がウェブ上でも交錯している。高度情報化社会とは情報に翻弄される社会情況を意味する。ま、そんなわけで当然のごとく広告代理店が幅を利かせることと相成る。情報には意図が込められ、加工され、修正を加え、割愛し、手直しが施され、彼らが望む方向へと人々は誘導される。現代においては戦争の演出まで広告代理店が行っている。
いずれにせよ、「何もわからない」ことが一番怖い。「わからない状態」にどっぷりと首まで浸(つ)かって、テレビを観ながら笑っていることが恐ろしい。
以下は全て各サイトからの抜粋である。当たり前の話だが、我々はデータの真偽を確認することができない。つまり、100%正しい判断を下すことは不可能だ。
被爆者平均年齢、75.92歳に上昇 厚労省まとめ
平均年齢は全国統計を取り始めた2000年度(70.86歳)以降、上昇を続けている。今年3月末の被爆者は広島市内で7万3388人、広島県全体では10万6415人だった。
【中國新聞 2009年7月22日】
被爆者手帳、早く取るほど長生き 男性の統計解析
被爆者の男性では被爆者健康手帳を早く取得したほど長生きする傾向があることが7日、広島大原爆放射線医科学研究所(広島市)の大谷敬子研究員(統計学)らが広島県内の被爆者約16万人を対象に実施したデータ解析で分かった。
1957年に施行された原爆医療法(現・被爆者援護法)に基づき、国から被爆者と認められ手帳を交付された人は、年2回の定期健康診断を公費で受診でき、医療費負担も大幅に軽減される。
大谷研究員は「病気の早期発見・治療につながるため、取得時期によりその後の死亡リスクに差が出た」と分析。「援護制度が被爆者の健康維持に有効だという証左になる」と話している。(共同通信)
【琉球新報 2011年1月7日】
原爆被爆者の平均余命に関する研究
長崎原爆による被爆者を用いて研究が行われている長崎大学原爆後障害医療研究施設でも、高線量被爆者は死亡リスクが高く、寿命は短い傾向にあることが報告されている。しかし、低線量から中程度の線量で被爆した男性では、3km以遠で被爆した者と比べて死亡率が有意に低く、寿命が長い傾向にあった。また、50-99cGyで被爆した男性の平均余命は長い傾向も認められている。
【末永昌美】
cGyという単位/組織によって放射線に耐える量(cGyで計測されます)が異なります。たとえば、肝臓は3,000 cGyまで放射線に耐えられますが、腎臓は、わずか 1,800 cGyしか耐えれません。放射線の総線量は通常、より少ない線量に分けられ(分割といいます)、特定の期間毎日照射されます。これにより癌細胞の破壊を最大限に、健常組織の障害を最低にできます。
【海外癌医療情報リファレンス】
癌(白血病)発生率
(1)長崎で310-690mSvの被曝をした人々(2,527名)に白血病での死者は0
(2)長崎で390mSvの被爆者(25,643名)に白血病での死者は0
(3)広島・長崎で260mSv以下の被爆者は白血病死亡率は平均値(1万人に18名)以下
(4)1950-78年でガン死亡率は1.2Sv以下の被爆者は年平均(2.3人/1000人)以下の年2.1人/1000であった。
(5)1950-78年で広島・長崎の250mSv以下の被爆者のガン死亡率は一般平均を1とすると0.9となる。
(6)長崎では3Sv以下の被爆者のガン死亡率は一般平均を上回ることはなかった。
(7)広島・長崎でのガン死亡率は60mSvを被曝したグループ23,000名は一般平均より低く、かつ平均寿命が長い。
(8)広島・長崎でのガン死亡率は20mSvを被曝したグループ7,400名ではさらに著しい低下があった。
【トーマス・ラッキー(ミズーリ大学名誉教授)2008年の論文より】
近藤宗平
・放射線は少し浴びたほうが健康によい
・適量の放射線は健康に良い有力な証拠
・線量限度50mSvのリスクはゼロ
・放射線は少しなら健康に全く害はない
【近藤宗平先生の提言】
放射線は体にいいか?
近藤宗平のグラフは統計的に有意ではなかったのか? それはこういうことなのだ。さまざまな期間、長崎と広島、男性と女性などを組み合わせれば個々のデータの傾向はバラつく。問題はその中から恣意的に特定の傾向を示すデータだけをピックアップしていることに問題がある。上記のような特殊な条件のデータだけを抜き出さないと、「期待した」傾向を示さないのだ。
【疑似科学ニュース】
「人は放射線になぜ弱いか」(近藤宗平)
放射性物質ではなく、放射能に対する恐怖が甲状腺癌を増加させたと言っているようなのだが、俺にはなんとも信じがたいし、それを裏付ける根拠も特に示されていない。まあ「5年で影響が出るのは早すぎる」とは言っているが、一方で放射能に対する恐怖が甲状腺癌を引き起こすという根拠は何も示されてない。
これはトンデモさんがよく使う論法そのものだ。通説で説明できない事例を上げ、それゆえ自説が正しいと主張する。しかし自説が正しいという積極的な根拠(この場合なら恐怖心が癌を引き起こす)は提示しない。
【疑似科学ニュース】
広島・長崎の原爆体験者、少量の被爆でも寿命が短縮
広島と長崎の原爆体験者では、少ない被爆量でも寿命が短縮するという影響が出ているようだ。先に発表された研究結果では、被爆量が少量の人は逆に寿命が長くなるとしていたが、これを否定する結果となった。
日米共同の研究機関である放射線影響研究所のJohn B Cologne氏らが、12万321人の被爆者について45年間追跡し明らかにした。
【日経BPネット 2000年7月27日/※過去記事のキャッシュ情報】
日本の原発奴隷
日本の原子力発電所における最も危険な仕事のために、下請け労働者、ホームレス、非行少年、放浪者や貧困者を募ることは、30年以上もの間、習慣的に行われてきた。そして、今日も続いている。慶応大学の物理学教授、藤田祐幸氏の調査によると、この間、700人から1000人の下請け労働者が亡くなり、さらに何千人もが癌にかかっている。
【エル・ムンド[EL MUNDO:スペインの新聞 ]2003.6.8】
胎内被爆調査
原爆被爆時に母親の胎内で被曝した胎内被爆者の研究から、被曝線量が増加するにつれて小頭囲(頭のまわりのサイズが小さいもので、小頭症あるいは精神遅滞を伴うことがある)や、重度精神遅滞の頻度に増加のあることが判明した。妊娠8~25週に被爆した人には脳の発育に対する放射線の影響が認められた。とくに8~15週で被爆した人たちの間では放射線線量が増加するにつれて、知能指数値が減少する傾向がみられる。なお妊娠8週以前あるいは25週以降ではこのような影響は認められない。重度の精神遅滞*の影響のしきい値の有無に関してはこれまでに論議のあったところであるが、UNSCEAR(1986)、ICRP Pub.60(1990)では一応しきい値(0.1~0.2Gy)の存在を認めるという結論がでている。
【原爆被爆生存者における放射線影響(09-02-07-08)】
低線量放射線の生物影響-寿命への影響
(1)自然放射線の20倍程度の照射である0.05mGy/日照射群(集積線量20mGy)では、オス、メス共に寿命に影響は認められなかった(統計的な有意差はない)。
(2)1mGy/日照射群(集積線量400mGy)では、オスで寿命に影響は認められなかったが、メスでは、約20日の寿命短縮が認められた。
(3)20mGy/日照射群(集積線量8,000mGy)では、オス、メス共に100日以上の寿命短縮が認められた。
【(財)環境科学技術研究所の研究結果】
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