2013-11-26

大田俊寛、井波律子、中野美代子、E・L・カニグズバーグ


 4冊挫折。

現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』大田俊寛(ちくま新書、2013年)/期待外れであった。期待が大きかっただけに残念無念。筆が慎重すぎてスピード感に欠ける。フレデリック・ルノワール著『仏教と西洋の出会い』(2010年)の後で本書を出す意味を見出だせない。どうせ書くなら霊性進化論(スピリチュアリズム)とニューエイジの相関関係をテーマとすべきだ。

中国の五大小説(上) 三国志演義・西遊記』井波律子〈いなみ・りつこ〉(岩波新書、2008年)/好著。ただ単に我が人生の時間不足で挫折。尚、下巻は「水滸伝・金瓶梅・紅楼夢」を取り上げている。

西遊記(一)』中野美代子訳(岩波文庫、1977年)/実に読みやすく、漢詩の訳にも工夫が施されている。挫けたのは上と同じ理由による。全10冊を読むだけの時間がない。いやあ大失敗。20代、30代で読んでおくべきだった。孫悟空の破天荒な暴れっぷりが凄い。

クローディアの秘密』E・L・カニグズバーグ:松永ふみ子訳(岩波少年文庫、2000年)/翻訳が素晴らしい。ツイッターでもお薦めしたのだがダメだった。「貸し洗たく機屋」の件(くだり)でやめた。結局この姉弟は資本主義の申し子なのだ。お金を持って家出をし、食堂を利用し、ニューヨークのメトロポリタン美術館で眠る。これでは先進国にしか通用しない物語だろう。松永の文章は少々古めかしいが、それがまた味わいを深くしている。尚、カニンズバーグ本人によるイラストが秀逸。化学教師とは思えないほど。

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