2022-01-13

窒息を知らせるチョークサインを広めよう/『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』西山耕一郎


『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之
『長生きは「唾液」で決まる! 「口」ストレッチで全身が健康になる』植田耕一郎
『ずっと健康でいたいなら唾液力をきたえなさい!』槻木恵一
『舌(べろ)トレ 免疫力を上げ自律神経を整える』今井一彰
『舌をみれば病気がわかる 中医学に基づく『舌診』で毎日できる健康セルフチェック』幸井俊高
『あなたの老いは舌から始まる 今日からできる口の中のケアのすべて』菊谷武
『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』西山耕一郎

 ・窒息を知らせるチョークサインを広めよう

『つらい不調が続いたら 慢性上咽頭炎を治しなさい』堀田修

身体革命

「声のかすれ」や「人とあまりしゃべらない」ことと同じなのですが、「声が小さくなること」も、のどの老化のサインです。
 声帯は声を大きく出すほど大きく動きます。もともと声が小さい人は、それだけのどが老化しやすい、ということになりますし、年をとって大きい声が出せなくなった場合は、のどの筋肉が衰えているサインです。
 声帯を動かす筋肉は、いくつになっても鍛えることができますし、使うほど強くなっていきます。ふだんから声が小さいと指摘される人も、大きな声を出せるように、のど筋トレを行うことをおすすめします。

【『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』西山耕一郎〈にしやま・こういちろう〉(幻冬舎新書、2020年)以下同】

 長らく人と話をしないと声がでにくくなる。帰国した小野田寛郎がそうだった。ガラガラ声のおばあさんも多い。「声帯は内側に筋肉(声帯筋)があり、外側を粘膜(声帯粘膜)で覆っています」(声について - 東京ボイスクリニック品川耳鼻いんこう科【公式】)。だったらトレーニングにしようもあるというものだ。

 みなさんはどんなときに幸せや喜び、楽しさを感じますか?
 答えは人それぞれだと思いますが、「おいしいもの、好きなものを食べているときが幸せ」という方は、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。
 食欲は、性欲、睡眠欲と並び、ヒトの根源的な欲求のひとつです。「食べたい」という欲求が満たされたとき、幸福感や充足感を覚えることでしょう。おいしいものを食べたときに覚える満足感を「口福」(こうふく)と言うくらいですから、「食べる喜び」はヒトにとって最上の幸せのひとつだと私は思います。
 のどが衰えて飲み込む力が低下するということは、この食べる喜びが失われてしまうことを意味します。少しずつ食べるものが限られていって、やがて自力で飲み込むことができなくなり、「口から食事を摂ることができなくなる」ということです。
 生物にとって、「食べられないこと」は「死」に直結します。
 人間は、自分でものを食べられなくなっても、飲み込むことができれば、介助や介護によって、口から食べる器官をかなりのばすことができます。

 喉の衰えは食べる喜びを苦しみに変える。食べることが苦しみになれば、生きることもまた苦しみとなるだろう。そのストレスは生きる気力を奪い、あたかも植物のような人生を強いるに違いない。

 肥田春充〈ひだ・はるみち〉は食を断って死んだ。一つの見識だと思う。

 合わせて覚えておいていただきたいのが、のどがつまったときに知らせるための「【チョークサイン】」です。窒息すると息ができないだけでなく、しゃべれないので、ジェスチャーで知らせる必要があります。
 チョークサインはのどを親指と人差し指で挟むだけ。万国共通なので、いざというときに合図するために覚えておきましょう。
 このサインが広まれば、周囲で窒息事故が起こったとき、すぐに対処してもらえます。1分1秒を争うときだからこそ、至急の対応が必要です。
 誤嚥してのどにものがつまったときには5分が勝負です。


 不覚にも知らなかった。是非とも周囲のお年寄りに知らせて欲しい。

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