2022-01-12

IgAの抗菌作用/『ずっと健康でいたいなら唾液力をきたえなさい!』槻木恵一


『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之
『長生きは「唾液」で決まる! 「口」ストレッチで全身が健康になる』植田耕一郎

 ・IgAの抗菌作用

『舌(べろ)トレ 免疫力を上げ自律神経を整える』今井一彰
『舌をみれば病気がわかる 中医学に基づく『舌診』で毎日できる健康セルフチェック』幸井俊高
『あなたの老いは舌から始まる 今日からできる口の中のケアのすべて』菊谷武
『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』西山耕一郎
『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』西山耕一郎
『つらい不調が続いたら 慢性上咽頭炎を治しなさい』堀田修

身体革命

 健康診断には血液検査が必須とされているように、血液はまさに「健康のバロメーター」。そして、血液と密接な関わりがある唾液にも、血液と同様に病気の兆候を知ることが出来る成分が数多く含まれていることがわかっています。実際、新たな試みとして唾液による医療検査はすでに始まっています。例えば、ストレスの度合いが判定できるストレスチェックが実用化済みのほか、がんや虫歯、歯周病、エイズなども唾液検査でわかるようになっており、とくにがん健診では、早期発見が困難なすい臓がんに対する有効な手段として注目を集めています。
 近い将来、健康診断のメインが唾液検査になる…。そんな可能性は決して低くありません。また今後、唾液検査で人の性格までわかるようになれば、「血液型」ではなく「唾液型」が一般的になるかもしれません。未知の成分に溢れた唾液なら、これからの研究次第では十分ありうる話といえそうです。

【『ずっと健康でいたいなら唾液力をきたえなさい!』槻木恵一〈つきのき・けいいち〉(扶桑社、2019年)以下同】

 意外と知られていないが、愛し合う二人が口づけを交わすのは「唾液を交換する」のが目的だ。免疫力を高めると考えられている。相性もよくわかる。頭で恋愛をすると大体不幸な結果になりがちだ。男女が惹かれ合うのは理解しやすいが、失恋や離婚のメカニズムには計算が働いているように思う。

 IgAは、風邪やインフルエンザなどの感染症のほか、さまざまな病原菌やウイルスの脅威から私たちの身体を守ってくれています。
 IgAの抗菌作用による免疫発動のメカニズムを詳しく説明しましょう。
 まず、口内で病原体などの異物を発見すると、複数のIgAがそれらにくっつき、口内の粘膜に付着させないように取り囲みます。さrない、IgAに囲まれた異物は、唾液の自浄作用によってほとんどが洗い流されてしまいます。このようにIgAは異物が体内の器官などに侵入して猛威を振るう前に、口に入ってすぐの時点でブロックするのです。

 抗菌物質IgA(免疫グロブリンA)は蟹みたいな形をしている。


 ところが、である。

 無敵を誇るIgAでも口内で活躍できない場所があります。それは、歯周ポケットといわれる歯周病菌がつくった歯と歯茎の間にできる溝の中です。歯周病菌は空気に弱いため、歯周ポケットの中にすみついて炎症を起こしますが、唾液中のIgAは、歯周ポケットの中まで行き届かないため、歯周病菌の活動を止めることができません。
 歯周病菌は口の中の常在菌で、IgAなどによってバランスが保たれていれば、増加して悪さを起こしません。しかし、IgAの分泌量が減るなどが(ママ)原因で歯周病菌が増加してしまうと、助けてくれるはずのIgAがうまく機能できなくなります。それにより、歯周病が進行してしまうのです。万一、歯周病が進行してしまうと、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの命に関わる病気に発展する可能性が高くなります。歯周病が糖尿病を悪化させるということはよく知られています。歯周病が進行すると炎症部分からサイトカインという物質が血中に放出されますが、これは血糖値を下げる働きをもつインスリンを効きにくくし、糖尿病の治療を妨げてしまうのです。糖尿病内科ではこれを改善させるために治療の前に口腔ケアを実行しており、かなりの効果がでています。

 歯周病の怖さがよく理解できる。歯肉を鍛える「犬用ガム」みたいなものを発明すればいいと思う。思い切り噛むと美味しいジュースが滴り落ちるといった機構が望ましい。あるいは歯茎筋トレ用肉とかさ。

 古代の人類は骨を食べていたと考えられている(『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三)。食用骨の販売を望む。

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