2013-07-06

泉田知事、東電社長に不快感~原発再稼働めぐり (動画あり)


◆柏崎刈羽 再稼働協議決裂 地元了解前の申請も

 東京電力の広瀬直己社長は五日、新潟県の泉田裕彦知事と面談し、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働を原子力規制委員会に申請することへの理解を求めようとしたが、物別れに終わった。広瀬社長は知事ら地元が申請を了解しない場合でも、申請に踏み切る可能性があることを示唆した。

 この日の面談で、知事は東電が地元の了解のない段階で、持ち回りの役員会で再稼働申請する方針を決めたことに抗議。了解もないまま新基準で必要とされるフィルター付きベント(排気)設備の工事を始めたことにも抗議した。ベント設備に関する話が終わらないうちは、再稼働の話をするつもりはないと迫った。

 広瀬社長は「地元に説明してから申請することを決めた。申請を決めたわけではない」と弁解した。知事は東電と地元自治体が結ぶ原発の安全協定に基づき、ベント設備の設置では規制委への審査申請前に県の了解を得るよう繰り返し要求。しかし、社長は「申請と事前了解は同時並行的にできる」と含みを残した。

 知事はさらに「なぜ(再稼働を)急ぐのか。安全や信頼よりもお金を優先したのか」「安全協定は地元との約束なのに。うそをつく会社か」などと追及。広瀬社長は「三期連続の赤字は何としても避けたい」「申請して審査を受けるのは安全確保のため」と苦しい説明に終始した。

 面談後、報道陣の質問に答えた広瀬社長は新基準が施行される八日の申請は「難しい」との認識を示し、再度面談したい考えを示した。了解が得られない間は申請はしないのかと問われると、「これから考える」と言葉を濁した。

 広瀬社長は夜、急ぎ都内に戻り経済産業省資源エネルギー庁の上田隆之長官に報告。しっかり地元に説明するよう指示されたという。この後も報道陣から了解なしの申請はないのか確認されると「まだ考えていない」と繰り返した。

東京新聞 2013年7月6日

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