2017-04-26

輪廻する缶コーヒー/『恋ノチカラ』相沢友子脚本


正しいキレ方
・輪廻する缶コーヒー

 実に3月11日以来ずっと見続けてきた。「ほとんどビョーキ」(※山本晋也の決め台詞)である(笑)。かつて『狼/男たちの挽歌・最終章』(ジョン・ウー監督、1989年)を100回以上視聴しているが、不思議なほど取り憑(つ)かれてしまうのはスタイル(文体)に惹(ひ)かれるためだ。冒頭のスピーディーな展開とサリー・イップの歌声を紹介しよう。


 はたと気づいた。「ああ、輪廻(りんね)か」と。厳密に言えば『狼』の場合は因果応報であるが、プラスとマイナスの違いこそあれ「繰り返し」という意味では同じだ。『恋ノチカラ』では缶コーヒーが本宮籐子(深津絵里)と貫井功太郎(堤真一)の間を往還し輪廻する。

 籐子は以前、仕事でミスをし上司に絞られた際に、たまたま通りかかった貫井から励ましを受け缶コーヒーを手渡された。独立した貫井の事務所に籐子は引き抜かれるが実は人違いであった。一旦は元の会社へ戻ろうとした籐子だが貫井に対する嫌がらせを知り、貫井企画で働くことを選ぶ。籐子は貫井と木村壮吾(坂口憲二)に缶コーヒーを渡す。

 次は貫井が仕事で行き詰まり事務所の空気が不穏になる。貫井と木村が衝突。事務所を出ていった貫井の後を籐子が追い掛ける。公園のベンチに座り込む貫井に籐子は肝コーヒを差し出した。ドラマの白眉ともいうべき部分だ。なんと堤真一はここで科白(せりふ)を間違えている(笑)。貫井は怒りのあまり缶コーヒーを地面に叩きつけた。籐子は思いのたけを吐き出し走り去る。翌朝、「昨日は悪かったな」と貫井が缶コーヒーをお返しする。

 貫井がデザインしたという設定の缶コーヒーなのだが野暮ったいデザインでセンスが悪い。そもそも貫井のファッションがその辺のオッサンと変わりがなくてとてもデザイナーには見えない。しかも堤真一は酷いガニ股で歩く姿が絵にならない。

 ま、悪口はいくらでも言える。そもそも広小路製薬の仕事を依頼されたのは籐子の必死な行動によるものであり、散々嫌がらせをしてきた吉武宣夫(西村雅彦)を貫井企画に引き抜いたのも籐子の功績である。そんな彼女をドラマの後半に至るまで軽々しく扱わせるのはストーリー設定がおかしい。フジテレビだから仕方がないのか?

 輪廻する缶コーヒーは偶然生まれたものだろう。最初から考えていたのであれば最後にもう一捻(ひね)りありそうなものだ。貫井への恋心を抑えきれなくなった籐子は辞める決心をする。一人名残りを惜しむように事務所で思いに耽(ふけ)る籐子。貫井の席に座り、クルクルと椅子を回しながら両手を伸ばし天井を見上げ、微笑みながら涙を流す。デスクの上には缶コーヒーが置かれていた。


 人間はシンメトリー(左右の対称性)に美を感じる。輪廻という考え方はヒンドゥー教や古代エジプト・ギリシャなど世界各地に見られる。多分、四季の移り変わりや繰り返される星の運行から生まれたのだろう。雨-川-海といった水の循環とも関係があるのかもしれない。いずれにせよ輪廻をシンメトリーと捉えれば美や秩序を見出すことは容易だ。

 私が何度もこのドラマを繰り返し見続けてきたこと自体が輪廻に思える(笑)。我々は同じことを繰り返すのが好きなのだ。食事から仕事に至るまで日常生活の行動は同じことの繰り返しである。映画や小説は起承転結の繰り返しで、スポーツはルールの繰り返しに過ぎない。そして人類は戦争と平和を繰り返す。

 繰り返すことと繰り返さないことの間に人生の個性があるのだろう。よく「同じ過ちを繰り返すな」という。これが実は簡単なようでなかなか難しい。仏教で説く業(カルマ)とは行為のことだが、繰り返しによって強化された癖との意味合いが強い。

 もう、『恋ノチカラ』はしばらくの間見ない。輪廻から離脱する。

恋ノチカラ4巻セット [DVD]





ストレッチ&腹筋・スクワット


 ・ストレッチ&腹筋・スクワット

一週間で下っ腹を引っ込める筋トレ

 加齢に逆らえるのは筋肉だけである。身心の衰えを自覚した時が体を鍛える好機である。











2017-04-21

介護用BGM 自然音


 人類はかつて森で暮らしていた。森はざわめきに満ちている。それこそが人間にとっての「必須音」(『音と文明 音の環境学ことはじめ』大橋力)なのだ。自然が発する音は生命を震わせ躍動感を与える。













2017-04-14

福井義高、他


 読書日記も随分と怠ってきたが少しずつ書いておこう。5冊挫折、1冊読了。

零戦撃墜王 空戦八年の記録』岩本徹三(光人社文庫、2004年)/文章はいいのだが興味が続かなかった。

原始仏典 第一巻 長部経典1』中村元監修、森祖道・浪花宣明編集、橋本哲夫・渡辺研二訳(春秋社、2003年)/『ジャータカ全集 1』が先であった。



真説 毛沢東(上) 誰も知らなかった実像』ユン・チアン、ジョン・ハリデイ:土屋京子訳(講談社+α文庫、2016年/講談社、2005年『マオ 誰も知らなかった毛沢東(上)』改題)/どうもユン・チアンの文章は乗れない。体調をととのえてから再挑戦する予定である。

 8冊目『日本人が知らない最先端の「世界史」』福井義高(祥伝社、2016年)/必読書入り。一次資料に当たっていて信頼性が高い内容である。コミンテルンの謀略についても明記されており目を瞠(みは)った。第一次世界大戦から第二次世界大戦における日本の近代史は霧に包まれていて、調べれば調べるほど混迷の度合いが深まる。要はコミンテルンの思想戦がどこまで及んでいたかがわからないのだ。相次ぐ恐慌が人々をして社会主義的価値観に走らせた。二・二六事件も天皇制社会主義という色彩が強かった。

2017-04-10

マクロ歴史学/『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ


物語の本質~青木勇気『「物語」とは何であるか』への応答
『ものぐさ精神分析』岸田秀
『続 ものぐさ精神分析』岸田秀
『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ

 ・読書日記
 ・目次
 ・マクロ歴史学
 ・認知革命~虚構を語り信じる能力
 ・イスラエル人歴史学者の恐るべき仏教理解

・『ハキリアリ 農業を営む奇跡の生物』バート・ヘルドブラー、エドワード・O・ウィルソン
『身体感覚で『論語』を読みなおす。 古代中国の文字から』安田登
『文化がヒトを進化させた 人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』ジョセフ・ヘンリック
『家畜化という進化 人間はいかに動物を変えたか』リチャード・C・フランシス
『人類史のなかの定住革命』西田正規
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『文明が不幸をもたらす 病んだ社会の起源』クリストファー・ライアン
『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル
『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗
『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』イブ・ヘロルド
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ

世界史の教科書
必読書リストその五

歴史年表

 135億年前 物質とエネルギーが現れる。物理現象の始まり。
       原子と分子が現れる。化学的現象の始まり。
 45億年前 地球という惑星が形成される。
 38億年前 有機体(生物)が出現する。生物学的現象の始まり。
 600万年前 ヒトとチンパンジーの最後の共通の祖先。
 250万年前 アフリカでホモ(ヒト)属が進化する。最初の石器。
(中略)
 30万年前 火が日常的に使われるようになる。
(中略)
 7万年前 認知革命が起こる。虚構の言語が出現する。
      歴史的現象の始まり。(中略)
 1万2000年前 農業革命が起こる。植物の栽培化と動物の家畜化。永続的な定住。
 5000年前 最初の王国、書紀体系、貨幣。多神教。
 4250年前 最初の帝国――サルゴンのアッカド帝国。
 2500年前 硬貨の発明――普遍的な貨幣。
       ペルシア帝国――「全人類のため」の普遍的な政治的秩序。
       インドの仏教――「衆生を苦しみから解放するため」の普遍的な真理。
 2000年前 中国の漢帝国。地中海のローマ帝国。キリスト教。
 1400年前 イスラム教。
 500年前 科学革命が起こる。
      人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める。
      ヨーロッパ人がアメリカ大陸と各海洋を征服し始める。
      地球全体が単一の歴史的領域となる。
      資本主義が台頭する。
 200年前 産業革命が起こる。
      家族とコミュニティが国家と市場に取って代わられる。
      動植物の大規模な絶滅が起こる。
 今日 人類が地球という惑星の境界を超越する。
    核兵器が人類の生存を脅かす。
    生物が自然選択ではなく知的設計によって形作られることがしだいに多くなる。
 未来 知的設計が生命の基本原理となるか?
    ホモ・サピエンスが超人たちに取って代わられるか?

【『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(上下)ユヴァル・ノア・ハラリ:柴田裕之〈しばた・やすし〉訳(河出書房新社、2016年)】

 致し方なくラベルを「世界史」にしてあるが正確には「人類史」である。恐ろしく抽象度の高い視点で人類の歴史を振り返っても見通せる未来は短い。科学革命~産業革命を経て情報革命に至ると技術進化の速度は限界に近づく。シンギュラリティ(技術的特異点/※想定では2045年)を超えればヒトは主役の座から引きずり降ろされるに違いない。

 ユヴァル・ノア・ハラリが示すマクロ歴史学の視点は人類史を生老病死にまで圧縮する。人生において「虚構の言語が出現する」のは3歳前後であり、「歴史的現象」としての人の一生が始まる。それぞれの革命期は青壮年時代といってよい。今後のイノベーション(技術革新)は老化する肉体を補い、脳を生き永らえさせることが重視される。ヒトは情報として扱われダウンロードやアップロードさえ可能となる。

 人類の進化とは環境への適応だけにとどまるものではない。農業革命、都市革命、精神革命、科学革命という変遷は【むしろ環境をヒトに適応させる営みであった】。ポスト・ヒューマン(人間以後)の時代に到来するのは宇宙革命である。知性とコンピュータを融合し宇宙全体を地球化する壮大な営みが開始されることだろう。

 マクロ歴史学という壮大な時間スケールが自分の存在を一つの点にまで押し縮める。数百億の人々が生まれては死に、歴史は断続的に切り取り線上を進んでゆくのだろう。個々の動きはブラウン運動のようにバラバラでも少し離れて見れば一定の方向に流れているのがわかる。

 原子のような存在でありながらも歴史を自覚し得るのは人間だけである。

2017-04-04

燃料添加剤の効果にビックリ



 この動画を見てワコーズのフューエルワンを使ってみたのだが、いはやは凄い効果である。まずエンジンが一発で掛かる。次にエンジンオイルが極端に汚れる。つまり汚れを落としているわけだよ。原付の場合はガソリンを満タンにするたびに数cc入れればよい(タンク容量の1%以下)。


2017-04-03

ワセリン(大)


 1ヶだと974円なのに2ヶだと1274円という不思議な価格。ただし相当でかい。送料を無料とするためには2000円以上買うか、定期おトク便を6ヶ月で申し込むか(買った後でキャンセル可能)、安い本を1冊買えばよい(合計金額が2000円以下でもOK)。合わせ買いはノートやコピー用紙、USBメモリなどの消耗品や食料品などがオススメ。


ヴァセリン ペトロリュームジェリー(保湿クリーム)(並行輸入品) 368g 2個セット