・民主的な議員選出法とは?
・統治形態は王政、貴族政、民主政
・現在の議会制民主主義の実態は貴族政
・真の民主政とは
・理性の開花が人間を神に近づけた
・選挙と民主政
・貴族政=ミシュランガイド、民主政=ザガットサーベイ
・『悪の民主主義 民主主義原論』小室直樹
これが答え――
ここまで言えば、ルソーが「抽籤による選任法は民主政の本質にかなう」と考えた理由は、もはや説明するまでもあるまい。全有権者(母集団)の縮図は、無作為抽出(ランダムサンプリング)によって構成する以外にはないのである。社会調査の常識が教えるとおり、標本抽出(サンプリング)は、あくまでも無作為(ランダム)でなければならない。ルソーが「抽籤による選任法は民主政の本質にかなう」とする理由もまた、「誰が選ばれるかは一切人間の意志と無関係」だからというものである。
全体(母集団)に忠実な縮図を構成するためには、一切の人為的要因を排除しなければならない。あえて極端な言い方をすれば、全員による民会には周囲から嫌われているタイプの人間も参加する以上、議会や会議もまた、そのような人間を実社会と同じ比率で参加させなければならないというわけである。だから、直接民主制をモデルにし、その論理を延長するならば、選挙のような人為的介入は、むしろ排除すべきものとならざるを得ない。
【『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう』薬師院仁志〈やくしいん・ひとし〉(PHP研究所、2008年)】
民主政=全民衆の縮図であるなら、ルソーは正しい。だが、ルソーは民主政を手放しで肯定したわけではなかった。ルソーが望んだのは貴族政だった。民主政が通用するのは、限定された狭い地域という考えだった。つまり、民主政=全員参加。
とすれば、正しい民主政の選挙法は、裁判員制度みたいな感じになりそうだ。随分と突飛に思うが、それでも今よりはましな政治になることだろう。なぜなら、民衆は政治家ほど愚かではないからだ。
数年前から考えているのだが、真面目な高校生を議員にした方が、この国はよくなると思う。間違いなくよくなるよ。
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