空の色がかすかに青みを帯びた時間であった。バイクで角を曲がると、ヘッドライトの向こうに老夫婦が散歩をしていた。ご主人がつないでいた手を自分の身体の後ろ側に引き寄せた。二人の手には白い杖があった。きっと周囲の迷惑にならぬよう、こんな時間を選んだのだろう。
— 小野不一 (@fuitsuono) October 2, 2013
老夫妻は再び手をつないで横に並び、反対側の手で杖を振りながら歩いていった。二人の手と手に通うものを思う。よいことがあっても悪いことがあっても、夫婦喧嘩をしても二人は手をつないで歩いてきたのだろう。厚情はやがてただの温もりとなる。だが掛け替えのない温もりだ。
— 小野不一 (@fuitsuono) October 2, 2013
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