2013-12-03

高橋洋一


 1冊読了。

 61冊目『官愚の国 なぜ日本では、政治家が官僚に屈するのか』高橋洋一(祥伝社、2011年)/反原発もいいだろう。一票の格差も問題だ。しかし、である。種々の政治テーマは枝葉末節にすぎない。カレル・ヴァン・ウォルフレンは日本の権力構造を「システム」であると喝破した。そのシステムを司っているのが官僚なのだ。高橋本を読むたびに私は戦慄する。政治なき国家に。脱官僚を掲げた民主党政権があっさりと頓挫した経緯にも触れている。高橋は東大理学部数学科・東大経済学部経済学科出身の合理主義者である。説明能力も高く、私は密かに「偉大なるオタク」と認識している。ウォルフレンは「東大を潰せ」と結論した。読んだ当時は「何を極端な」と思った。だがウォルフレンが放った矢は正確に的を射抜いていた。高橋が示した数々の事実はあまりにも重い。無知は愚かに通じ、そして悪を支える。官僚を断罪する法制度の整備が必要だ。例えばSPEEDIの情報を隠匿した政治家と官僚は死罪にするのが当然だろう。

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