1冊読了。
28冊目『
ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ:藤井清美訳(朝日新聞出版、2015年)/難しかった。SDR(
特別引出権)の意味を初めて理解できた。タイトルに難あり。原題は「THE DEATH OF MONEY」である。「FRBがドルを捨てる方向に動いている」というのが真意である。SDRは事実上、世界通貨であり、ゆくゆくはSDR建てでアメリカの大型株が発行される可能性を示唆する。ゴールドの価値は不変であり、価格の上下はドルの価値が動いているに過ぎない、との指摘に目から鱗が落ちる。アベノミクスについても触れており、アメリカ経済の今後を日本の金融政策(金融緩和)が占うという。基本的には緩和マネーが資産バブルを形成し、首が回らなくなるという見立てである。ドル基軸通貨体制崩壊後に関しては三つのシナリオが描かれているが、ゴールドを裏付けとするSDR基軸通貨が実現するような気がする。デフレという化け物に紙幣が敗れる日はそう遠くない。
必読書入り。水野和夫著『
資本主義の終焉と歴史の危機』の後に読むのがいいだろう。挫折した『
通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した!』も読み直す予定だ。
こちらは読まれてますか?
返信削除http://www.amazon.co.jp/21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3-%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4492654658/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1457706942&sr=1-1&keywords=%EF%BC%92%EF%BC%91%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%80%80%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96
「21世紀の貨幣論」
自明のことかもしれませんが、20世紀前半までによく言われてたような
「物々交換から経済は始まった」という「定説」を否定した書。
20世紀後半くらいから、そういう論は結構言われてたのですが、
ここで割と綺麗にまとめたというのが、この書物のように思えます。
金(ゴールド)価値を主軸に置くといった根拠も確かに成立するかもしれませんが、
その前提すら覆して、何故か人類は信用という取引に、原初から夢中なようですね。
金価格暴落というのは余りないとは思いますが、ダイヤモンド価格というのが
結局はユダヤシンジケートによって、かなり無理やりに維持されてるといった「現象」もあるようで・・・。
やはり通貨関連は、結局どのように御していくかにかかってるように思えます。
物々交換については本書でも触れていました。
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