2011-10-20

国内企業の2/3は欠損法人(赤字経営)のため法人税を払っていない

自己と非自己を分かつのは胸腺


 この(ウズラとのキメラ)ニワトリは、羽根を動かし、摂食し、正常に成長するが、生後3週から2ヵ月もすると、まず、羽根が麻痺してぶらさがり、歩行も摂食もできなくなる。やがて全身の麻痺が進行し、衰弱して死ぬ。
 ニワトリの免疫系が、ウズラ由来の神経細胞を「非自己」の異物として認め、拒絶するからである。ウズラ由来の細胞からなる脊髄部分に、ニワトリの免疫細胞が入り込み、神経細胞は破壊され脱落しているものがみえる。すなわち、いままで「自己」のものとして使われていたウズラ由来の神経は、「非自己」と判断され排除されてしまうのである。自然が、「種」というものを厳密に区別する働きをいかに大切にしているかを示す好例である。
 ところが、神経管移植の際に、免疫の中枢臓器である「胸腺」になる原基をウズラから取って、神経管と同時にニワトリ胚に移植しておくと、拒絶反応は起こらない。「胸腺」については、別の項で詳しく述べるが、ウズラの細胞を「自己」と認識するか、「非自己」と認識するかは、この「胸腺」が決めているわけである。ウズラの胸腺になる原基を同時に移植されたニワトリは、一生、ウズラ模様の羽根をつけたまま生き延びる。

【『免疫の意味論』多田富雄(青土社、1993年)】

免疫の意味論

2011-10-19

イタリア国営放送「ファルージャ 隠された大虐殺:米軍の白リン弾使用」


「イラク駐留米軍はファルージャで化学兵器を使った」イタリア国営放送がドキュメンタリーで証拠ビデオを放映







白リン弾に関する覚え書き


 イスラエル軍に殺されたパレスチナ人の遺体が黒焦げとなっていた。むしろ炭化といった方がいいだろう。白骨が剥き出しになった遺体もあった。とあるウェブページに「人体を内側から破壊するような新兵器を使っている」と書かれていた。あちこち調べたところ、どうやら「白リン弾(白燐弾)」のようだ。

 ところが再び行き詰まった。「白リン弾は通常兵器だ」という指摘もあったからだ。というわけで、今現在の私の認識は「炭化した遺体」「見たことのない悲惨なケロイド状態」は白リン弾によるもの、という前提で書いていることをご了承されたい。

 以下に各所からの抜粋を示す。

白リン弾:運用に関する議論

 2004年11月のイラク、ファルージャにおけるアメリカ軍の攻勢や、2009年のイスラエルによるガザ紛争に際して使用された白リン弾を「激しいやけどをもたらす非人道的兵器だとして規制を主張する意見、それに対する反論が現れた。 白リン弾に関する情報は誤報も多く、現在の白リン弾の威力はマスコミが威力や効果を著しく誇大化する誤まった情報を伝え、それがネットで増幅された物であるとする意見もある。

Wikipedia



 私は対人地雷、クラスター爆弾、その次ぎに残忍な兵器が「白燐弾」だと思って「対人焼夷弾」の情報を集めている。無人偵察機と白燐弾を組み合わせることで、建物を破壊しないで、人間だけを殺せる残忍兵器になる。ナパーム弾のように広範囲でなくとも、迫撃砲なら路地の一角、建物の屋上など、ピンポイントで狙えることが可能になる。

 最初にそのことに気がついたのは、イラクで反米武装勢力と米海兵隊が戦ったファルージャの市街戦であった。現地の写真を見ると、不思議なことに戦闘が終わったファルージャの街は、意外と建物が壊れていないのに、積雪を思わせる白い粉が積もっていた。最初は発煙弾か照明弾の燃えかすかと思っていた。しかし周囲に散乱する死体は骨が溶けるほどに燃焼していた。銃弾や砲弾で死傷した傷とは明らかに違うのだ。死体は体内で何かが高温で燃焼したからと考えた。それが白燐弾による対人焼夷攻撃を考えたきっけだった。

神浦元彰



アムネスティ「ガザへの白リン弾砲撃は戦争犯罪」

 アムネスティ・インターナショナルでは「世界でも最も人口の密集した地域として知られるガザの一般市民居住区へイスラエル軍が白リン弾を砲撃した事実は、『戦争犯罪』である」と公式の糾弾声明を出した。一方イスラエル政府では、白リン弾を使用した事実を公式には認めていない。

 しかしこうした (国連や人権擁護団体からの) 非難に応えて、イスラエル軍部は21日水曜次のような公式声明を発表した。「この件に関して事実関係を調査するために、特別捜査班が編成された」

米流時評



 これを見た時は血が凍りついた。独特の不気味な白い航跡を描くのは、紛れもなく04年に米軍がイラクのファルージャで使用し、国際的に大問題となった「White Phosphorus」白燐弾である。ジュネーブ条約では市街戦では使用禁止となっている、極めて致死性の強い化学兵器であり、被爆すると皮膚や肉が溶解してしまう、とんでもない代物である。

米流時評



 白燐弾は焼夷兵器禁止条約から漏れており、化学兵器禁止条約からも漏れている為、現状では違法兵器ではありません。つまり、「条約違反だ!」と声高に叫ぶ事は間違っています。それはデマを流す行為ですので、止めて下さい。デマでは無い、正しい、と言うのであれば、法的な根拠を指し示して下さい。しかし数年前にもこれと同じ流れになっており、白燐弾は条約違反だとする側は最終的に「条約に書かれていなくても国際慣習法のもとで不法であると論ずることができる」というアクロバット的な論法を繰り出しています。しかし白燐弾は問題化したのがつい最近の話であり、昔からの慣習であるとはとても認められません。

週刊オブイェクト



 まず白燐は化学兵器では有りません。化学兵器禁止条約(CWC)で規定されている毒性化学物質とその前駆物質の中に、白燐は含まれていないのです。

週刊オブイェクト



 もちろん派手に燃えて飛び散っている白燐欠片を直接浴びれば火傷をするでしょう。しかしそれは、通常榴弾が炸裂した時に飛び散る弾殻破片の殺傷効果範囲よりも危害半径が狭いのです。そして、白燐が燃焼した時に発生する煙を浴びたところで、人体発火や骨まで溶けるというような奇怪な現象は発生しません。煙は広がるがこれでは人を殺せず、燃える白燐片は遠くまで届かない。それはつまり、白燐弾は通常榴弾よりも殺傷力で大きく劣るという事の証左です。(中略)このように白燐弾からの煙による死亡例は存在しません。

週刊オブイェクト



 イスラエルもハマスも酷いのは確かですがその事実と白リン弾に関するデマを広げることで前者のイスラエルとハマスの非道が薄らいでしまうのはガザ地区の惨状を伝える阻害要因になり現在停戦(※更新時)しているにせよ恐らく今後も混乱が続くだろうこれらの紛争ないし平和に対し状況悪化を促す言論上の脅威とも捉えられかねず却って悪循環なのではないかと。いずれにせよ白リン弾デマにかけたリソースを他に振り分けた方が有益ですよ。

『帝國』ブログ



 多少の知識がある人なら、白燐弾、いわゆる WP (ウィリー ピート) が目標マーキングや標定弾に使用する、発煙が主目的の弾だというのは常識。もちろん、化学反応によって燃焼して煙を出すわけだが、そもそも化学反応を起こすから化学兵器、という解釈からして大間違いだということに、このニュースに釣られた多くの人はまったく気付いていない。

Kojii.net



「高度300~400メートルの地点で白リン弾を破裂させると、親指大のリンが雨あられのごとく地上に降り注ぐ。人間に付着すると衣類や皮膚を貫通して体内に潜り込み、骨を溶かすほど激 しく燃え続ける。世界でもっ とも人口密度の高い地域であるガザでの使用は、人間を焼き打ちにするのと同じ効果があるのです」 国際条約で使用が禁止されてはいないものの、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、白リン弾を焼 夷弾とみなし、「特定通常兵 器使用禁止制限条約(CCW)」の第3議定書に違反の疑いがあると問題にしている。

 国際社会の批判が高まっても使い続けるイスラエルには当然、計算がある。

「建物の周囲に潜んでいる人間を簡単に殺傷できるのですが、体内から焼かれるため遺体はキレイなままで残虐性が薄れる。それに、鉄筋造りのビルなどには全く効果がないのでインフラを破壊するこ とがなく、占領後の統治がスムーズに運ぶ。人 間を焼き打ちにする使い方を始めたのは、04年にイラク中部ファルージャを攻撃した米軍です」(前出の神浦氏)

自衛隊も所持…イスラエルが堂々と使っている「白リン弾」の恐怖 : ニュー投



「死体を焼いたし、女も子供も焼いた……白リン弾で無差別に殺しました。(白リンが)直接肌に触れると、確実に致命傷になって、肉を焼き尽くすんです」――ファルージャで戦闘に参加した元米軍兵士ジェフ・アングルハートの証言

ファルージャ虐殺映像・ボーイスカウト・日本?(編集委員レビュー・11月第4週)



 白燐弾は「科学兵器」でなく「通常兵器」だからこの使用については特に問題ないとの主張は、なにひとつポジティブな主張はしていない。そういう意味からすれば、むしろ意図的に現状を肯定するデマゴーグなのは白燐弾の使用肯定派になる。

 今回のイタリアのテレビは、ファルージャがいかなる惨状に見舞われたか、そしてそこで使われた兵器がどのようなものだったかを明らかにしている。それは目撃証言・内部証言・さらに映像にて示されているものだ。

 果たして、この映像を見てそれでも、白燐弾は「科学兵器」でなく「通常兵器」だからこの使用については特に問題ない、と言い切れるだろうか。

 これは倫理の問題なのである。

白燐弾は通常兵器なのか? 白燐弾をめぐる誤解について



 白燐は、体に付くと取れにくい、猛毒で燃焼性の高い物質で、微量でも体に付くと化学火傷を引き起こす性質も持ちます。白燐はその毒性や被害の残酷性から対人使用は禁止されています(煙幕や照明として使用する分には合法)。(中略)ちなみに米軍は黄燐焼夷弾(白燐弾)の対人使用はジュネーブ条約違反と兵士に教え込んでおり、米軍が白燐弾をジュネーブ条約違反の兵器と認識していることには間違いありません。

白燐弾報道をデマとするデマに対して



 黄燐は焼夷剤の一種であり、焼夷兵器に分類されます。

 焼夷兵器は現在では通常兵器という解釈が主流ですが、二昔程前までは化学兵器という解釈が主流でした。焼夷兵器は物理エネルギーによる破壊を目的としている点では通常兵器ですが、窒息死、中毒死等、その効果においては化学兵器であり、化学兵器と通常兵器の灰色領域の兵器です。

黄燐弾(黄リン弾)または白燐弾(白リン弾)または燐酸弾



 ファルージャ戦において、アメリカ軍は、白燐弾が有用な兵器であることに気づいた。

「白燐弾は効果的で多用途に使える兵器であることが証明された。われわれは交差路での視界遮断作戦、その後の戦闘では、強力な心理的な兵器として使用した。前線や塹壕の武装勢力に対して、爆発では得られない効果をこれによって得ることができる。われわれは"shake and bake"(驚かせて焼く)作戦によって武装勢力を攻撃した。白燐弾によって敵を驚かせ、爆発によってそこから出てくるようにするのだ。HC煙幕がもっと効果的だとされていたので、白燐弾を最後まで保有していたため、この煙幕作戦に改良された白燐弾を使用したのだ」。

燃える雨、白燐弾 米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト



 米国のイラク侵略と不法占領自体がそもそも国際法に違反した犯罪ですから、その枠組みの中で米軍が犯した犯罪を指摘することは屋上屋を重ねるようなものですが、とりあえず、国際法の専門家の協力を得て、多少官僚的に、法的な論点を整理しておきます。

チェルシー・ブラウン&益岡賢



 以上で引用終了。ざっと目を通しただけで、きちんと読んだわけではない。ま、読むつもりもない。大体、戦争犯罪について議論するのは不毛だと思われる。「正しい殺し方」をああでもない、こうでもないと意見をぶつけ合ったところで死んだ人々は帰ってこない。

 白リン弾を巡る議論は、宗教者が教義の正統性を争う姿と酷似している。

 私の見た遺体の画像が白リン弾によるものであるとすれば、現在パレスチナに対して使用しているイスラエル軍は弾劾されて当然だ。

 イスラエルこそは、国際社会で大手を振って歩くテロリスト国家であるというのが私の認識だ。

 アメリカとイスラエルという世界最大の犯罪国家が、有色人種に対して白リン弾を使用したという事実を忘れてはならない。キリスト教やユダヤ教の人種差別思想は病的なレベルを軽々と超えている。

孤独になること