欧州連合(EU)が来年11月から、国が破綻(はたん)するリスクを取引する金融派生商品クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)について、現物を持たないまま売る「空売り」を欧州市場で禁止する方向になった。18日夜、欧州議会とEU加盟国の代表が合意した。
欧州では、国債CDSの空売りがギリシャなどの国債価格が落ちる一因で、政府債務(借金)危機を深刻にしたとの意見があり、昨年から規制の議論が進んでいた。
CDSは保険に似た商品。国債を持つ投資家が一定の保証料を支払えば、予定通りにお金が返ってこない債務不履行(デフォルト)になっても、元々の金額が保証される。「空売り」は、現物の国債などの裏付けとなる資産を持たずにデフォルトに賭け、もうけようとする行為だ。
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asahi.com 2011-10-19】
EU:株空売り禁止で基本合意 全域で規制へ
欧州連合(EU)の加盟27カ国と欧州議会の代表は18日、金融市場の混乱時に、株式や債券などを保有せずに売り注文を出す投機的な「空売り」と、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)の取引をEU全域で禁止する規制策について基本合意に達した。
これらの取引は、財政危機に陥ったギリシャ国債の暴落や市場の混乱を助長したと批判されている。EU統一基準としての規制策合意を受け、バルニエ欧州委員(域内市場・サービス担当)は「空売りの透明性を確保し、金融市場の安定と責任を高めるための重要な一歩」と歓迎した。空売り規制策はEU財務相理事会と欧州議会の正式承認を経て12年11月発効の見通し。
合意によると、市場混乱時に各国の監督当局は欧州証券市場監督局(ESMA)と協力し、空売りやCDS取引を一時的に禁止する権限を得る。株式、国債、国債CDSの空売りについては当局への報告を義務付ける。
CDSは債務不履行リスクを保証するデリバティブ。国債などの信用が下がると価格が上がる仕組み。ギリシャ危機では、ヘッジファンドなど投機筋がギリシャ国債のCDSを大量購入する一方、同国国債に大量の空売りを仕掛け、国債暴落に拍車をかけたと指摘されている。(共同)
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毎日jp 2011-10-19】
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