ファストフードチェーン大手の米マクドナルドとディスカウントストアの大手の米ターゲットは、取引先の鶏卵業者によるニワトリ虐待が発覚したとして、この業者との取引を中止したことを明らかにした。
この業者をめぐっては動物愛護団体が、コロラド州など米国内3カ所の農場で5月から8月にかけて撮影されたとする映像を公開していた。映像にはニワトリが狭いケージの中に押し込められ、従業員がふざけてくちばしに火を付けたり、ヒヨコの首を折ったりする様子が映っている。
マクドナルドはこの映像について「見るに耐えず、容認できない。マクドナルドは仕入先に対して動物愛護の姿勢を求めていることをお客様に保証したい」と述べ、業者との取引中止を発表。ターゲットも同様の理由で取引を中止したことを明らかにした。
取引を中止されたのは、米国で第5位の鶏卵生産流通業者スパーボー・ファームズ。ニワトリ虐待について告発されたことはABCテレビのニュースで初めて知り、社内調査に乗り出したと話している。問題の映像は身元を偽って同社に採用された動物愛護活動家が撮影したものだという。
同社はこれまでの調査の結果、家禽の取り扱いを定めた従業員規則違反があったと判断、従業員4人を解雇し、管理職を処分したことを明らかにした。アイオワ州立大学の専門家による第三者調査も実施中だとしている。
同社に対しては米食品医薬品局(FDA)も施設5カ所に立ち入り検査を実施し、サルモネラ菌感染防止対策について定めた書面がないなどの問題を指摘していた。同社はFDAの指摘についても改善措置を取ると表明している。