9冊挫折、4冊読了。
『
サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か』ミチオ・カク:斉藤隆央〈さいとう・たかお〉訳(NHK出版、2008年)/ネタの部分が長すぎて辟易させられた。ただし科学に関するトピックの説明能力はやはり抜きん出ている。名前から察せられるように日系3世である。理論物理学者。アメリカではテレビ出演も多い人物。
『
中島敦全集 1』中島敦(ちくま文庫、1993年)/後回し。
『
ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論』ニール・ドグラース・タイソン:吉田三知世〈よしだ・みちよ〉訳(早川書房、2008年)/イントロでリズムが合わなかった。これは読み直すかもしれない。
『
シンボルの謎を解く』クレア・ギブソン:乙須敏紀〈おとす・としのり〉訳(産調出版、2011年)/ありそうでなかった本。総花的なのは仕方あるまい。類書の登場に期待。
『
博物誌』ジュール・ルナール:辻昶〈つじ・とおる〉訳(岩波文庫、1998年)/全然面白くなかった。こうなったら『
ジュール・ルナール全集 11 日記 1』に手を出すしかあるまい。
『
熱とはなんだろう 温度・エントロピー・ブラックホール…』竹内薫(ブルーバックス、2002年)/amazonレビュー「
意味のない無駄話が多すぎる」に至極同感。中年男性の不気味な少女趣味としか思えなかった。どうもこの著者には卑屈な部分が多すぎるように感じる。
『
すばらしい人間部品産業』アンドリュー・キンブレル:福岡伸一訳(講談社、2011年)/福岡訳なので読んでみた。福岡の解説の方が優れているように思える。
『
原子力と日本病』村田光平(朝日新聞社、2002年)/タイミングが合わなかった。これは必ず読み直す予定。
『
人はなぜ「憎む」のか』ラッシュ・W・ドージアJr.:桃井緑美子〈ももい・るみこ〉訳(河出書房新社、2002年)/テーマ、構成は文句なし。だが名文の間に異臭を感じた。明らかにユダヤ人を持ち上げている節が窺えるのだ。本書がプロパガンダ本であるとすれば、私ですら騙されてしまいそうだ。時間を置いてから再チャレンジしたい。
29冊目『
創価学会 もうひとつのニッポン』島田裕巳〈しまだ・ひろみ〉、矢野絢也〈やの・じゅんや〉(講談社、2010年)/島田が創価学会のデータをよく調べているのだが、それがかえって対談の邪魔をしているように感じた。矢野の来歴を考えればインタビューに徹するべきであろう。それでも矢野は見識が高いので中々口を割りそうにない(笑)。
30冊目『
マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲〈たちばな・れい〉(幻冬舎新書、2006年)/一気読み。面白かった。ただ、ところどころに事実の羅列があってわかりにくい。カシオ詐欺事件ってのは知らなかった。
31冊目『
不可能、不確定、不完全 「できない」を証明する数学の力』ジェイムズ・D・スタイン:松井信彦、田沢恭子、熊谷玲美訳(早川書房、2011年/ハヤカワ文庫、2012年)/ハードカバーがまだ売られているのに文庫化した早川書房の英断に頭が下がる。これは凄いよ。
高橋昌一郎著『
理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』を必ず先に読んでおくこと。
必読書に追加。
32冊目『
さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別』高橋洋一(講談社+α文庫、2010年/講談社、2008年『さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白』改題)/これは一気読み。高橋洋一の合理性は日本人離れしている。増税路線が明らかとなった今こそ本書が広く読まれるべきだ。「官僚全員が悪いわけではない」などと実(まこと)しやかに語る政治家が見受けられるが、官僚は一旦全部切るべきだと私は考える。彼らが存在する限り、本当の意味での自主独立もかなわないことだろう。そのためにもまずは官僚の人事権を政治家が握るべきだ。