文部科学省は5日、中央教育審議会(中教審)の特別部会で、次期学習指導要領の骨格案を示した。高校では日本や世界の近現代史を学ぶ「歴史総合」、地球規模の課題を解決する力を養う「地理総合」、社会参画への意欲を高める「公共」を新設し、必修科目とする。大学入試制度改革を見据え、数学と理科の横断科目も設ける。
高校の科目を大きく見直した背景には、グローバル化が進む中で、知識を活用し、現代的な課題を解決できる人材の育成につなげる狙いがある。
次期指導要領は小学校で2020年度、中学校で21年度、高校で22年度以降に実施される予定。中教審は8月中に骨格案をまとめた後、学校や教科別に詳細を検討し、16年度中に答申する。
現在の高校の地理歴史は世界史が必修で、日本史と地理が選択になっている。骨格案では世界史の必修をやめ、日本史Aと世界史Aを統合して近現代史を中心に学ぶ「歴史総合」を必修科目として新設する。
文科省の調査では、生徒の近現代史の知識や理解の定着率は日本史、世界史ともに他の時代に比べて低い。「今の世界情勢を理解するには、近現代史の転換点を重点的に学ぶ必要がある」(担当者)という。
地理は地球規模の課題解決や防災教育の必要性が高まっているとして、地理Aを再構成して「地理総合」を必修科目で新設する。コンピューター上で地理情報を作成する技能の向上などを通じ、グローバルな視点での地域理解を目指す。
「公共」は選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げなどを踏まえ、模擬選挙や模擬裁判での討論のほか、インターンシップなどの実践的な活動を実施する。弁護士や消費者センター、起業家ら外部の専門家らも関わり、「現代社会の様々な課題に積極的に取り組み、自立できる力を育む」(同)とした。
文科省は大学入試センター試験に代え、20年度から大学入学希望者学力評価テスト(仮称)を始める。教科横断型の問題も検討しており、骨格案では数学と理科を合わせた「数理探究」が新たな選択科目として取り入れられた。数学の枠を超えた科学的なテーマに向き合い、考え抜く力を育成するとした。
【日本経済新聞 2015年8月6日】
朗報である。むしろ遅すぎたといってもよいだろう。出来事が歴史と化すまでには30年を要するといわれる。その意味から申せば現代史の位置づけがよくわからぬが、江戸~明治~大東亜戦争前後におよぶ近代史は義務教育でもしっかりと教えるべきだろう。と同時に父兄が日教組教員を拒む運動を起こすことが望ましい。