・『新戦争論 “平和主義者”が戦争を起こす』小室直樹
・『日本教の社会学』小室直樹、山本七平
・下位文化から下位規範が成立
・税金は国家と国民の最大のコミュニケーション
・イギリス革命は税制改革に端を発している
・憲法は慣習法
・『税高くして民滅び、国亡ぶ』渡部昇一
・『消費税減税ニッポン復活論』藤井聡、森井じゅん
イギリスこそがデモクラシーの元祖開山である。
日本人は、大概こう思っている。
その【イギリス革命は税制改革に端を発している】。
1649年の清教徒革命。イギリス諸革命の中でも最初にして最も根本的(ラディカル)と言われる【清教徒革命は、1634年の建艦税(シップ・マネー)に始まった】。(中略)
チャールズ1世は、絶対君主たる王の命令に依って、中世封建的税制を改革しようとした訳であった。
が、この税制改革には、待ったが掛かった。
地主達の猛反対に遭遇(そうぐう)する羽目(はめ)になったのであった。
ジョン・ハムプデンは、20シリングの建艦税を支払う事を拒絶した。ハムプデンは、「建艦税は、違法なり」として、裁判所に訴えたのであった。
過半数の判事は、王によって任命され、王の影響下にあった。建艦税は合法である。「非常の際に於いては、王の大権は制限を受ける事がない」
こう判決が下った。
【この判決に、清教徒達は抗議した】。王の圧政に抵抗したと、ジョン・ハムプデンは、一躍英雄になった。
この建艦税騒動が、1649年における清教徒革命の発端(ほったん)となったのである。
【『消費税は民意を問うべし 自主課税なき処にデモクラシーなし』小室直樹(ビジネス社、2012年)以下同/カッパ・ビジネス、1989年『消費税の呪い 日本のデモクラシーが危ない』・天山文庫、1990年『悪魔の消費税』を改訂・改題】
もちろん税はきっかけであって、それだけでピューリタン革命が成ったわけではない。社会の歪みが税という形に極まり、民の怒りが沸点に達したのだろう。そして新しい思想(宗教)が興(おこ)る。
先代のジェームズ1世の迫害から逃れたピルグリム・ファーザーズの渡米が1920年だから、ほぼ同時と見てよい。
圧政や苛政は必ず税となって民を苦しめる。そして民の忍耐が限界に達すると革命が起こる。ただし日本の場合は江戸時代が長すぎて、黒船(=外圧)を待つ傾向が強い。
【清教徒革命のテーマは、「国民の同意抜きの税制改革には応じられない」ここにあった】。(中略)
この際の【イギリス国民の同意とは、議会の議決と言う事である】。
議会の議決にはこれほどの重みがある。ジョン・ハムデンはたった20シリングの税を拒むことでピューリタン革命の端緒を開いた。この4月から消費税は5%から8%にアップする。我々は3月までに駆け込みで大きな買い物を済ませ、4月から倹約するだけでよいのだろうか? 消費税は低所得者になればなるほど痛税感が高まる。その「痛み」を私が許した覚えはない。一方では法人税引き下げの検討が活発化している。孔子は政治を行う上で最も大切なものを「民信無くば立たず」と示した(『論語』)。立たねば倒れるのみ。
消費税は民意を問うべし ―自主課税なき処にデモクラシーなし―
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小室直樹
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