2015-02-15

村上陽一郎


 1冊読了。

 10冊目『奇跡を考える 科学と宗教』村上陽一郎(講談社学術文庫、2014年/『叢書現代の宗教7 奇跡を考える』岩波書店、1996年)/良書。「キリスト教を知るための書籍」に追加。森島恒雄3部作の後で読み、岡崎勝世へと進むのがいいだろう。初めて村上の著書を開いたが文章がよい。ルネサンス期における魔術の受容はニュートンに至るまでの科学にまで影響を与えている。魔術と奇跡の間にカントという線を引いてわかりやすく説く。ややテクニカルな内容となっているが、ヨーロッパ人の脳の変化を知るためには避けて通れない地点であるように思う。脳科学や情報論的な視点を欠いているのが物足りなかったが、元の版が1996年ということもあって納得した次第。

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