・『われら』ザミャーチン:川端香男里訳
・『日本の敵 グローバリズムの正体』渡部昇一、馬渕睦夫
・グローバリズムと共産主義は同根
・キッシンジャーの軍歴
・『世界を操る支配者の正体』馬渕睦夫
・菅沼光弘
・『愛国左派宣言』森口朗
今、世界にはグローバリズムという妖怪が徘徊しています。今から160年以上も前にカール・マルクスが、共産主義という妖怪の徘徊を宣言して以来、世界の歴史はこの妖怪に翻弄されてきました。東西冷戦が自由主義陣営の勝利で終了し、やっと共産主義の脅威が消滅し世界は平和になったと信じられていましたが、今またグローバリズムという新たな妖怪に世界が翻弄されているのです。
ところが、このグローバリズムと共産主義は根は一つなのです。グローバリズムは、物、金、人の国境を超えた自由な移動を実現することによって、世界を自由主義経済で統一しようとする運動です。共産主義とは、世界各国に私有財産を否定する共産主義独裁政権を樹立することによって、世界を共産主義で統一しようとするイデオロギーです。一見すると、グローバリズムと共産主義は正反対のイデオロギーのように感じられます。
グローバリズムの主役は、民間の国際銀行家やこれと結びついたグローバル企業であり、彼らは政府の規制を排して自由に経済活動を行うことを求めています。他方、共産主義は、労働者の前衛を自称する共産党が、国家の上にあって国家や人民を独裁的に支配する体制です。このように、双方とも国家や政府の規制の及ばない独占的権力を保持している点で、類似性があります。
また、この二つのイデオロギーは国民国家を超えた世界全体を対象としていること、すなわち国際性を有していることに共通性があります。共産主義者もグローバリストも国際主義者なのです。加えて、共産主義者もグローバリストも唯物思想の権化です。唯物思想で世界を解釈しているため、市場競争であれ、権力闘争であれ、勝ったものが正義であり、すべてに君臨するという結論に行き着きます。私有財産は大富豪は所有できますが、貧困大衆は自らの自由になる私有財産を事実上所有していないのと同じです。共産主義体制の下では、特権的政治エリートは国富の形式的な所有権は保持していなくても、無制限的な使用権を持っていますが、被支配階級は富の使用権を持っていません。一握りの特権階級(富豪)と膨大な貧困大衆の二極に分裂した社会は、共産主義社会であれグローバル資本主義社会であれ、本質的に同じ支配構造にあるといえます。
このように、共産主義もグローバリズムも、特権エリート階級と貧困大衆という超格差社会を生み出す点で同じものなのです。この超格差社会化が今世界的規模で進行しています。世界がグローバル経済化するということの究極的意味は、特権的民間資本による世界政府が樹立という想像を絶する世界の出現です。
【『国難の正体 世界最終戦争へのカウントダウン』馬渕睦夫〈まぶち・むつお〉(ビジネス社、2014年)/総和社、2012年『国難の正体 日本が生き残るための「世界史」』改題】
東日本大震災以降、尊皇攘夷の雰囲気が強まっている。最初のきっかけは北朝鮮による拉致被害者の帰国であった(2002年)。中央情報機関を持たぬ日本政府の無能と無責任を国民は思い知らされた。次は2008年4月26日に長野で行われた北京五輪の聖火リレーであった。フリー・チベット運動がリレーを妨害したのだ。この行為によって中国共産党によるチベット弾圧が明るみに出た。そして2005年には竹島を巡って韓国で反日運動が激化。これを受ける格好で中国においても日本の国連安保理常任理事国入り反対の署名活動が大々的に行われた。2010年には尖閣諸島中国漁船衝突事件が起こる。
この間に、中国で四川大地震(2008年)、日本では東日本大震災(2011年)、韓国ではフェリー転覆事故(2014年)などの災害や事故も関係改善の一助とはならなかった。
ウェブ上にはネトウヨが出現し、ニュースではヘイトスピーチ問題が取り上げられるようになった。私が歴史認識に目覚めたのは昨年のことだ。20~30冊の本を読んで完全に目から鱗(うろこ)が落ちた。どっさりと。
結局、第二次世界大戦の延長線上に今日の世界の枠組みがあり、戦争に勝利を収めたアメリカを中心とする連合国が大手を振って歩いているのだ。国際連合は「United Nations」の訳語だが直訳すれば連合国でもある。
朝日新聞が大好きな「地球市民」や「世界市民」なる言葉も、左翼が掲げる天皇制打倒を思えば、日本人の民族性を漂白するところに目的があるのだろう。
・大衆運動という接点/『折伏 創価学会の思想と行動』鶴見俊輔、森秀人、柳田邦夫、しまねきよし
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