2016-09-23
J・クリシュナムルティ、ロバート・B・パーカー、カーリン・アルヴテーゲン、武田邦彦、他
10冊挫折、4冊読了。
『もういちど読む山川日本史』五味文彦、鳥海靖編(山川出版社、2009年)/読む価値なし。
『もういちど読む山川日本戦後史』老川慶喜〈おいかわ・よしのぶ〉(山川出版社、2016年)/左巻きが掛かっている。2016年でこの内容を出版するセンスを疑う。
『謎とき日本近現代史』野島博之(講談社現代新書、1998年)/塾講師の雑談といった体裁。
『新・雨月 上 戊辰戦役朧夜話』船戸与一〈ふなど・よいち〉(徳間書店、2010年/徳間文庫、2013年)/個人的には会津にしか興味がないのであまりピンと来なかった。
『葦笛の鳴るところ』福永十津〈ふくなが・とつ〉(眞人堂、2015年)/第1回丸山健二文学賞受賞作品。選者は丸山本人で賞金はない。それどころか応募するだけで5000円取られる。ゴリゴリ、カチカチの文体で読むに堪えず。文章も設定も丸山とそっくりだ。やたらと改行の多いところまで。文学賞を拒んできた丸山が自分の名を冠する文学賞を与えるという矛盾は老いによるものか。
『沈黙』ロバート・B・パーカー:菊池光〈きくち・みつ〉訳(早川書房、1999年/ハヤカワ文庫、2005年)/スペンサー・シリーズをずっと読んできたが初めて挫折した。女性を「美人」と表現する陳腐さに差別意識が出ている。菊池光の訳もやたらと英語の発音に忠実で異様な表現が目立つ。もうロバート・B・パーカーから卒業だな。
『奇跡の自然 三浦半島小網代の谷を「流域思考」で守る』岸由二〈きし・ゆうじ〉(八坂書房、2012年)/自然保護運動の側面が強い。市民の匂いがすると反射的に私は逃げたくなる。小網代(こあじろ)の写真集を出せばといいと思う。養老孟司との対談を収録。
『当事者研究の研究』石原孝二編(医学書院、2013年)/論文集で有名どころとしては熊谷晋一郎の名前がある。また向谷地生良〈むかいやち・いくよし〉を交えた座談会も。冒頭を飾る石原孝二の文章がとてもよい。やや専門的な内容。
『生命に仕組まれた遺伝子のいたずら 東京大学超人気講義録 file2』石浦章一(羊土社、2006年)/面白いのは最初だけ。それでも読む価値はある。
『現実を生きるサル 空想を語るヒト 人間と動物をへだてる、たった2つの違い』トーマス・ズデンドルフ:寺町朋子訳(白揚社、2014年)/期待外れ。心理学者という立場が考察をあやふやなものにしている。スティーブン・ピンカーが好きな人にはおすすめできる。
140冊目『裏切り』カーリン・アルヴテーゲン:柳沢由実子〈やなぎさわ・ゆみこ〉訳(小学館文庫、2006年)/一度挫けている。インディアンの部分だけ確認しようと思ったのだが、豈図らんや面白かった。ただし語り手の揺れが気になる。各章ごとに視点は一つにすべきだろう。時折別人の視点が混入する。結末が安易に感じるが、ミステリとしては及第点といったところ。
141冊目『ナポレオンと東條英機 理系博士が整理する真・近現代史』武田邦彦(ベスト新書、2016年)/ホームページを叩き台にしているせいか、底の浅い読み物にとどまっている。ちょっともったいない。読まないよりは読んだ方がいいかな、といった代物。
142冊目『ポットショットの銃弾』ロバート・B・パーカー:菊池光〈きくち・みつ〉訳(ハヤカワ文庫、2006年)/ロバート・B・パーカーも本書で最後かな。菊池の訳も異常である。「にゃっと笑った」が10ヶ所ほど。直させない出版社がおかしいと思う。大物すぎて注意もできなかったのか?
143冊目『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 3 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ:大野純一訳(春秋社、1984年/新装版、2005年)/再読。本書を読めばブッダの対機説法が決して浅い位置にとどまるものでなかったことがよくわかる。たとえ相手の機根に応じて法を説いたとしても覚者は真理に迫ることができる。
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