・『金持ち父さん 貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター
・労働収入と権利収入
・ロバート・キヨサキ「学校では教えない資本主義のプレイ方法」
・『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲
・『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲、海外投資を楽しむ会
・『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希
・『国債は買ってはいけない! 誰でもわかるお金の話』武田邦彦
・『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』エリック・ジョーゲンソン
・必読書リスト その二
キャッシュフロー・クワドラントは、図3のような四つのクワドラント(円を四等分したもの)から成り立っている。
私たちはみんな、この四つのクワドラントのうち少なくとも一つに属している。どこに属するかは、お金がどこから入ってくるかによって決まる。たいていの人は給料がおもな収入源だから従業員(E)だ。そのほかに、自分の雇い主は自分だという自営業者(S)もいる。この従業員と自営業者がキャッシュフロー・クワドラントの左側に来る。右側にいるのは自分が所有するビジネスや投資から収入を得ている人たちだ。
キャッシュフロー・クワドラントは、「どこからお金を得ているか」に基づいて人々を分類するための簡単な方法だ。クワドラントはそれぞれが独自の特徴を持っていて、そこに属する人々には共通する特性がある。キャッシュフロー・クワドラントを理解すれば、いま自分がどこに属しているか、経済的自由に続く道を選んだとしたら、将来どこに属したらいいか、そこに到達するにはどんな道をたどったらいいか、そういったことがわかってくると思う。
【『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 経済的自由があなたのものになる』ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター:白根美保子訳(筑摩書房、2001年/改訂版、2013年)以下同】
キャッシュフロー・クワドラント(円を四等分したもの) それぞれの文字の意味。 pic.twitter.com/F3lyor3bjO
— 小野不一 (@fuitsuono) 2017年1月8日
冒頭で紹介しているエドとビルの話は『超パイプライン仕事術 自分らしく生きるために』(バーク・ヘッジ:真中智恵子訳、オープンセンス、2005年)ではパブロとブルーノとして全く同じ内容がある。刊行年からいうとキヨサキの方が先のようだ。
「権利収入」のわかりやすい具体例だ。
キム(※夫人)と私がホームレスになってまでBとIのクワドラントにこだわったのは、私がそれまで受けていた訓練、教育が主にこの二つのクワドラントに関するものだったからだ。四つのクワドラントのそれぞれが持つ、金銭的に有利な点、職業的に有利な点を私が知るようになったのは、金持ち父さんのおかげだった。右側のクワドラント、つまりBとIのクワドラントは私にとって、金銭的な成功、経済的自由を手に入れるために最も有利なチャンスを与えてくれるクワドラントだった。
キヨサキは「人に使われるのはいやだ」という自営業者を「DIYタイプ」と名づける。「Do it youself」(自分でやる)だ。ここを読んではたと気づいたのは学校教育や家庭教育がE(従業員)とS(自営業者)の育成を目的にしていることだ。優秀な大学を優秀な成績で卒業する学生を考えてみよう。彼らは官僚か士業(弁護士・公認会計士・税理士)を志す。医師も士業に含めていいだろう。官僚はE(従業員)で士業はS(自営業者)である。S(自営業者)は自分が働かないと収入は生まれないが、B(ビジネスオーナー)は自分が働かなくても収入が生じる。つまり右側のクワドラントは不労所得を意味する。労働そのものよりも仕組み(システム)を構築する者に高いインセンティブがあるのは当然だろう。
「働かざる者食うべからず」とは新約聖書の言葉だが、キリスト教において労働は神が与えた罰と考えられている(『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たち』トム・ルッツ)。もともとヨーロッパの貴族は労働とは無縁であった。彼らが諸外国の大使を務めたのも自費でパーティーを賄(まかな)えるためだった。
I(投資家)クワドラントも同様でデイトレーダーが実はS(自営業者)であることに気づく。チャートを分析し、ザラ場をひたと見つめ、建玉(たてぎょく)から決済に至る時間は労働そのものだ。彼が手にする利益は労働対価である。
教育の目的が社会への隷属にあり、そこから脱することが経済的自由であるならば、具体的にはE(従業員)でありながら同時にS(自営業者)・I(投資家)であるというスタイルを築くしか道はない。インターネットによってスモールビジネスは格段にやりやすくなったし、不動産投資もREIT(不動産投資信託)という金融商品があり少額投資が可能だ。
あらゆるマネーは最終的に投資される。自分で行うか、銀行や保険会社に任せるかの違いがあるだけだ。
尚、ロバート・キヨサキの著作はこの2冊を読めば十分だ。
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