検索キーワード「橘玲」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「橘玲」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2011-05-01

古本屋の殴り書き:リンク集

ここは更新停止➡https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2022/03/19/160843

クリシュナムルティ著作リスト 竹山道雄著作リスト 必読書リストその一 その二 その三 その四 その五 キリスト教を知るための書籍 宗教とは何か? ブッダの教えを学ぶ 悟りとは 物語の本質 権威を知るための書籍 情報とアルゴリズム 世界史の教科書 日本の近代史を学ぶ 虐待と精神障害&発達障害に関する書籍 時間論 身体革命 ミステリ&SF Internet Archive: Wayback Machine レシピ 漬け物   ホイル焼き 炊き込みご飯 お茶漬け・おにぎり オートミール 野菜スープ きのこ

ブクログ 古本屋の殴り書き 古本屋の覚え書き 言動力 note onologue 自分用 一覧 たんぶらびゅーあー twitter twilog gab mixi metabirds MAKEBOT Twit Delay 雪山堂 世界史年表 flickr tmv Pinterest Quip TG PHOTOHITO フォト蔵 TextDrop Dropbox Social List ボケて SoundCloud 詰将棋 つぼ将棋 ぴよ将棋 将皇 詰将棋メーカー ウェブ将棋盤 steemit PC 日記 カレンダー omiznewsviews y-kasa ふりがな文庫 Chatwork BikeBros AirRide Lumosity YAMAP

aguse.jp: ウェブ調査 ゆうパック ポストマップ Amazon Drive アプリ amazon music BOX MEGA OneDrive EVERNOTE OneNote Outlook.com

距離 ヨドバシ.com モノタロウ ココデカウ Qoo10 MSN Yahoo! MSN メルカリ G-Tools 最安値.com リアルタイム検索 大辞泉 Bingマップ JR 京王線 東京 神奈川 自治体データ 借力 社会実情データ図録 統計局 Democracy Now! ラジコ Gニュース アスペクト比 Gブックス YouTube 画像サイズ OKWave FC2 はてブ booky.io toshi FNN 半径 AccuRadio books.or.jp 路線図 路線図 自転車ルート検索 不動産 混雑レーダー 駐車場 首都高ナビマップ HIGHWAY MAP ガソリン BGM LOHACO AZ KILAT オフィス スプレッドシート Office Online 輸入バイク ルートラボ 自転車大好きマップ Yahoo!地図 国土地理院 TwTimez ついっぷるトレンド OPAC GRIDY bitly PDF変換 川の名前を調べる地図 地図 地盤サポートマップ Runtrip greeco motorcycle BBB バイクブロス ウェビック バイクの系譜

MSDマニュアル家庭版 計算 こよみ 今日は何の日 CEEK.JP レファ協 Webcat Plus 国会図書館 資料収集 古書検索 動画検索 漢字 書き順 同音の漢字による書きかえ 代用漢字一覧 漢字の音符 パオロ・マッツァリーノ みんなのシネマレビュー 小谷修平 ジョグマップ Runtrip Quora カラパイア らばQ DNA 哲学はなぜ間違うのか 週刊スモールトーク Salvastyle ヒルクライムランキング しおいんですけど yakiそばパン 大東京ヒルクライム! 坂道散歩 Chain Reaction Cycles Wiggle iHerb マイプロテイン カンザキ タバタ式 筋トレ ロコムーブ

MWA賞 ゴールド・ダガー賞 日本推理作家協会賞 ミスダス このミス 週刊文春 本屋大賞 文庫翻訳 トーキング・マイノリティ

YouTubeから変換MP3 アスペクト比 MP変換 FLVTO xiami 2conv

Eric Leija primal.swoledier Odysee 自分用 字幕大王 The Dooo - Death Bed | Powfu (Cover) Powfu 筋トレ ヨガ リュウジ動画 バズレシピ リュウジ 日本人のための日本近現代史you 武田邦彦 ポッドキャスト 武田動画 AbemaPrime ガリレオ放談 高校講座 シネパラ 日本語TED VoiceTube FRESH! abemaTV 無料 YOUKU

トニー・ラエリアン 国際派日本人養成講座 無限回廊 現代事件簿 片桐勇治 MAG2NEWS 橘玲 『メディアの権力』を監視する 鈴木傾城 カレイドスコープ 金貸しは、国家を相手に金を貸す 大摩邇

プロジェクト・ベリタス 小田嶋隆 引用の織物 谷内修三 河津聖恵 Kawolleria 哲学はなぜ間違うのか? Barbaroi! 星と月の夜の中で なんとなくサンネット日記 Global Beats Nameless-value 副島隆彦 日本を守るのに右も左もない

やや日刊カルト新聞 仏教的世界観で諸相を観察する 釈迦仏教の根本思想について 脳と心とブッダの悟り 斧節 日蓮遺文 つばめ堂通信 仏教の教えと瞑想~原始仏教の世界 宮田幸一 佐倉哲 アルボムッレ・スマナサーラ 

Weblio 類語 四字熟語 語源 ことわざ 笑える国語辞典 くろご式ことわざ辞典 英辞郎 翻訳 経済レポート専門ニュース FNN 市況・概況 テクニカルの特徴 ふるさとチョイス

ダウ先物 日経CFD 日経平均 先物手口 先物手口 オプション手口 オプション建玉 仲値一覧表 裁定取引残高 シカゴ NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 ETF 原油 商品 世界時計 月齢 パンローリング 米国債2年 米10年債 CDS CME ch225 上海総合 ダウ ダウ ダウ日足 経済指標 世界の株価 日足一覧 SAXOBANK シカゴIMM ポンド円 日経先物 日経チャート 日経225チャート集 株価チャート ドル建てローソク スワップ 政策金利 長期国債先物 国債利回り 10年債利回りチャート 銅先物 値上がり率 配当ランキング 株マップ 金利 一目均衡表 一目時間論 小次郎 計算値 エリオット波動計算 ピボット フィボナッチ 酒田五法 酒田罫線 ローソク足(陰陽の組合せ) ローソクパターン チャートパターン FX CHARTS & PLOTS 起業・投資・資産管理術  ピボット ピボット TV東京 東洋経済 MONEY VOICE 矢口新

ヒロセ SBI証券 オプション道場 オプション 世界の株価 ひまわり証券 GMO みんなのFX LIGHT FX 日産証券 マネパ SBI FX IG証券 XM DMM

SQ 為替ニュース/コラム 株探 投資家Mの日経平均予想と相場観 世界天気 世界の株価 OANDA未決済 クロスJPYペア 為替ヒートマップ 米株ヒートマップ FXレート一覧 時間軸別 ドル円オプション TradingView P&F ライブチャート 外為フォーラム オプマニ FX羅針盤 グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート 増田俊男 テクニカル USD/JPY 為替予想 複利 国保計算機 リアルトレードランキング 競売

漢字物語 Oh My Buddha 脳の本 理系インデックス 物理学 世界史ノート Cigar Japan お茶でも飲みながら会計入門

Simplenote MultCloud MEGAsync 紙copi Net Simplenote Web Create Link Evernote Web Clipper CubeNote VideoProc  WinX HD uBlock Origin YouTube™のための自分好み MEGASync Amazon Photos Skype BatchGOO! JTrim LibreOffice 連想メモ帳 TAGるメモ Mery Craving Explorer ふるさとチョイス ふるさと納税ガイド モッピー  Ctrl+F7 アクティベート新規タブ ポケマルシェ べごっこのカルビ Tshirt.st PC-WRAP 無地ロビン スマホ鳴らす slack

2016-07-02

多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある/『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン


『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲

 ・アンシャン・レジームの免税特権
 ・多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある
 ・デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州

『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻

 多国籍企業がオフショアを利用して税金をゼロにするのは、政府が対抗措置をとるのでたいてい容易ではないが、これは政府が負けるに決まっている戦いだ。イギリスの会計検査院が2007年に行った調査によると、イギリスの大手700社の3分の1が、金融ブームに沸いた前年度にイギリスではまったく税金を払わなかった。『エコノミスト』誌は1999年に、独自の調査に基づいて、ルパート・マードックの肥大化したニューズ・コーポレーションに適用されている税率はわずか6パーセントだと推定した。このような移転価格操作ができることが、多国籍企業が多国籍企業という形をとっている最も重要な理由の一つであり、より小規模な競争相手より通常速いペースで成長する理由の一つでもある。グローバル多国籍企業の力を危惧している人は、この点に注意を払うべきだろう。

【『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン:藤井清美訳(朝日新聞出版、2012年)】

 アメリカの法人税率は35%だが税逃れをしたアップル社は2%の税金しか払っていなかった。スターバックスに至っては無税である。バンク・オブ・アメリカ、モルガンスタンレー、ファイザーは5年間にわたって納税ゼロだった(日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減)。


 多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある(『ザ・コーポレーション(The Corporation)日本語字幕版』)。国家が法人をコントロールできないのであれば、次なる革命を起こすのはクラッカーであろう。


 マネーはデジタル化され実体が見えない。米騒動のように銀行を襲ったとしても、そこには一部の現金しか存在しない。バンカメの純利益は26億8000万ドル(2016年 1-3月期決算)である。鼠小僧の手に負える金額ではない。

 富の集中はやがて訪れるであろう大量死を予兆する。税の公平性が失われれば、エネルギーと食糧の分配にも偏りが生じる。持てる者はますます富み、持たざる者はどんどん奪われる。

 人類のコミュニティを考えた場合、果たして国家に軍配が上がるのか、それとも企業が勝つのか――その岐路に立たされている。

タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!

2016-07-15

ダニエル・チャモヴィッツ、三枝充悳、稲垣栄洋、岡ノ谷一夫、堀栄三、他


 21冊挫折、13冊読了。これ以上のペースで読むと読書日記も書けなくなりそうだ。

生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク:梶山あゆみ訳(河出書房新社、2016年)/文章が肌に合わず。もったいぶった姿勢を感じる。

森浩一対談集 古代技術の復権』森浩一〈もり・こういち〉(小学館ライブラリー、1994年)/良書。「鋸喩経」(こゆきょう)を調べて辿り着いた一冊。ノコギリの部分はしっかり読んだ。

絶対の真理「天台」 仏教の思想5』田村芳朗〈たむら・よしろう〉、梅原猛(角川書店、1970年/角川文庫ソフィア、1996年)/シリーズの中では一番面白みがない。最後まで目を通したものの半分ほどは飛ばし読み。説明に傾いて閃きを欠く。

日本の分水嶺』堀公俊(ヤマケイ文庫、2011年)/文体が合わず。

ブレンダと呼ばれた少年 性が歪められた時、何が起きたのか』ジョン・コラピント:村井智之訳(扶桑社、2005年/無名舎、2000年、『ブレンダと呼ばれた少年 ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか』改題)/武田邦彦が取り上げていた一冊。双子の赤ん坊の一人がペニスの手術に失敗する。性科学の権威ジョン・マネーが現れ、性転換手術を勧める。男の子はブレンダと名づけられ少女として育てられる。ところが思春期になるとブレンダは違和感を覚え始める。後に逆性転換手術をして力強く生きていった。ところが訳者あとがきで驚愕の事実が明らかになる。これは読んでのお楽しみということで。神の位置に立って勝手な創造を行うのが白人の悪癖である。尚、扶桑社版の編集に対する批判があることを付け加えておく。

(日本人)』橘玲〈たちばな・あきら〉(幻冬舎、2012年/幻冬舎文庫、2014年)/文章の目的がつかみにくく行方が知れない。

リベラルの中国認識が日本を滅ぼす 日中関係とプロパガンダ』石平、有本香(産経新聞出版、2015年)/有本香の対談本は出来が悪い。

「朝日新聞」もう一つの読み方』渡辺龍太〈わたなべ・りょうた〉(日新報道、2015年)/これも武田邦彦が紹介していた一冊。文章が軽すぎて読めない。ネット文体といってよし。

紛争輸出国アメリカの大罪』藤井厳喜〈ふじい・げんき〉(祥伝社新書、2015年)/文章に締まりがない。

日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか』小谷賢(講談社選書メチエ、2007年)/とっつきにくい。後回し。

はじめての支那論 中華思想の正体と日本の覚悟』小林よしのり、有本香(幻冬舎新書、2011年)/本書では「小林さん」と呼んでいるが、有本は動画だと「小林先生」と呼ぶ。ある種の芸術家に対する尊称なのか、個人的敬意が込められているのかは判断がつかない。有本同様、小林の対談本も一様に出来が悪い。「わし」という言葉遣いが示すように公(おおやけ)の精神が欠如している。

川はどうしてできるのか』藤岡換太郎〈ふじおか・かんたろう〉(ブルーバックス、2014年)/変わった名前である。まるで北風小僧(笑)。文章がよくない。

カウンセリングの理論』國分康孝〈こくぶ・やすたか〉(誠信書房、1981年)/『カウンセリングの技法』(1979年)、本書、『エンカウンター 心とこころのふれあい』(1981年)、『カウンセリングの原理』(1996年)が誠信書房の4点セット。國分康孝は実務的な文章でぐいぐい読ませる。ただし今の私に本書は必要ないと判断した。

法句経講義』友松圓諦〈ともまつ・えんたい〉(講談社学術文庫、1981年)/初出は『法句経講義 仏教聖典』(第一書房、1934年)か。初心者向きの解説内容である。宗教を道徳次元に貶めているように感じ、読むに堪えず。

これでナットク!植物の謎 植木屋さんも知らないたくましいその生き方』日本植物生理学会編(ブルーバックス、2007年)/ホームページに寄せられた質問に学者が丁寧に答えたコンテンツの総集編である。続篇『これでナットク! 植物の謎 Part2』(2013年)も出ている。

〈税金逃れ〉の衝撃 国家を蝕む脱法者たち』深見浩一郎(講談社現代新書、2015年)/パラパラとめくって食指が動かず。

タックス・イーター 消えていく税金』志賀櫻〈しが・さくら〉(岩波新書、2014年)/「タックス・イーター」をスパっと説明していないのが難点だ。具体的に個人を特定するほどの執念がなければ、ただの解説書である。

パナマ文書 「タックスヘイブン狩り」の衝撃が世界と日本を襲う』渡邉哲也(徳間書店、2016年)/これも渡邉本としては出来が悪い。文章に人をつかむ力が感じられない。

いちばんよくわかる!憲法第9条』西修(海竜社、2015年)/良書。これはおすすめ。歴史的経緯を辿ると自衛隊の役割がくっきりと浮かび上がってくる。しかも西は自ら海外を訪れ、直接資料に当たり、関係者に取材している。半分だけ読んだが、それでもお釣りがくる。

日本人よ!』イビチャ・オシム:長束恭行訳(新潮社、2007年)/話し言葉ほどの切れ味が文章にはない。

怪獣使いと少年ウルトラマンの作家たち』切通理作〈きりどおし・りさく〉(増補新装版、2015年/JICC出版局、1993年宝島社文庫、2000年)/編集した町山智浩からの申し出で復刊した模様。読み手を選ぶ本だ。オタク目線が強く、一般よりは特殊に傾く。切通本人の心情も湿り気が濃い。

 92冊目『日本人だけが知らない戦争論』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(フォレスト出版、2015年)/久し振りの苫米地本である。右傾化への警鐘が巧みで一読の価値あり。サイバー戦争の具体的な解説が圧巻。

 93冊目『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』大栗博司〈おおぐり・ひろし〉(幻冬舎新書、2012年)/大栗はカリフォルニア工科大学ウォルター・バーク理論物理学研究所所長を務める人物だ。場の量子論や超弦理論で国際的な評価を得ている大物である。読みやすい教科書本。いくつかの蒙(もう)が啓(ひら)いた。

 94冊目『植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち』ダニエル・チャモヴィッツ:矢野真千子訳(河出書房新社、2013年)/良書。200ページ弱の小品。著者はイスラエルの学者。後半にわずかなダレがあるが、しっかりとニューエイジ系の誤謬を撃つ。

 95冊目『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』堀栄三(文藝春秋、1989年/文春文庫、1996年)/上念司〈じょうねん・つかさ〉が毎年繰り返し読む本である。登場人物に精彩がある。原爆を大本営参謀は知らなかったと書いている。陸軍中野学校と情報が共有されていないことがわかる。「日本の近代史を学ぶ」に追加。

 96冊目『創価学会・公明党スキャンダル・ウォッチング』内藤国夫(日新報道、1989年)/往時、内藤国夫は本多勝一と人気を二分するジャーナリストであったが、その晩節は暗く寂しいものであった。福島源次郎著『蘇生への選択 敬愛した師をなぜ偽物と破折するのか』と本書を併せ読めば、内藤国夫の下劣さが理解できる。基本的にジャーナリストは人間のクズだと考えてよい。

 97冊目『裏切りの民主党』若林亜紀(文藝春秋、2010年)/面白かった。若林は文章はいいのだが性格が暗い。表情や声のトーンからもそれが窺える。たぶん生真面目なのだろう。若林はクズではない稀有なジャーナリストである。事業仕分けの経緯と舞台裏がよくわかった。本書に登場する民主党参議員の尾立源幸〈おだち・もとゆき〉が先日落選した。

 98冊目『言葉の誕生を科学する』小川洋子、岡ノ谷一夫(河出ブックス、2011年/河出文庫、2013年)/小川洋子の前文は読む必要なし。対談は上手いのだが科学的知識の理解に誤謬がある。言葉の発生は歌であったと岡ノ谷は主張する。おお、我が自説と一緒ではないか。岡ノ谷の博識に対して小川の反応がよく一気読み。

 99冊目『言葉はなぜ生まれたのか』岡ノ谷一夫:石森愛彦・絵 (文藝春秋、2010年)/まあまあ。岡ノ谷は手抜き本が多そうだ。これも執筆なのか語り下ろしなのか微妙なところ。

 100冊目『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係』稲垣栄洋〈いながき・ひでひろ〉(幻冬舎新書、2015年)/見事な教科書本である。稲垣は植物学者でありながら仏教の知識もしっかりしている。これはおすすめ。

 101冊目『結局は自分のことを何もしらない 役立つ初期仏教法話6』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2008年)/このシリーズでは一番よくまとまっていると思う。ただしエントロピーに関する記述は完全に誤っている。社会的信用のためにも削除すべきだろう。スマナサーラは小さな誤謬が多いので要注意。

 102冊目『初期仏教の思想(上)』三枝充悳〈さいぐさ・みつよし〉(レグルス文庫、1995年)/難しかった。三枝ノートといってよい。研究者の凄まじさがよくわかる。

 103冊目『あべこべ感覚 役立つ初期仏教法話7』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2008年)/サンガ新書のスマナサーラ本は慣れてくると1時間ほどで読める。やや牽強付会な印象はあるが、相変わらず読ませる。

 104冊目『ぼくは13歳 職業、兵士。 あなたが戦争のある村で生まれたら』鬼丸昌也、小川真吾(合同出版、2005年)/良書。ただし終わり方がよくないので必読書には入れず。読者を誘導しようとする魂胆が浅ましい。「自分は正しい」という感覚が目を見えなくする。たとえ目的が正しいものであったとしてもプロパガンダはプロパガンダである。コンゴの少年兵の悲惨と彼らが語る夢に心を打たれる。「チャイルド・ソルジャー」だから子供兵・児童兵が正しい訳語か。

2014-10-14

付加価値税(消費税)は物価/『あなたの知らない日本経済のカラクリ 対談 この人に聞きたい!日本経済の憂鬱と再生への道』岩本沙弓


『円高円安でわかる世界のお金の大原則』岩本沙弓
『新・マネー敗戦 ――ドル暴落後の日本』岩本沙弓

 ・湖東京至の消費税批判
 ・付加価値税(消費税)は物価

 富岡幸雄(中央大学名誉教授)は中曽根首相が売上税を導入しようと目論んだ時に、体を張って戦った人物。元国税実査官。月刊『文藝春秋』の1987年3月号に寄稿し、三菱商事を筆頭に利益がありながら1円も税金を支払っていない企業100社の名前を列挙し糾弾した。売上税は頓挫した。

岩本●結局8%、10%に消費税が上がると、スタグフレーション(不況でありながら物価上昇が続く状態)にもなりかねません。
 今、円安で物価は上がっているけれど、所得は上がっていません。上がったところで一時金、ボーナスだけで、固定給までは上げようとしていない。

富岡●そのことは、日本の大企業の経営姿勢に問題があると同時に、会社法との関係があります。【会社法は年次改革要望書、つまりアメリカの要求によってできた】もの。だから日本の経営者は会社法の施行後、経営のあり方をアメリカナイズした。短期利益、株主利益中心主義です。利益の配当という制度が剰余金の配当制度に変わり、利益がなくても株主には配当をすることができるのです。

岩本●そのしわ寄せが従業員に来ていますよね。付加価値の配分が歪んでしまって、配当がものすごく多くなる一方で労働への分配が減るという現象が起きています。

【『あなたの知らない日本経済のカラクリ 対談 この人に聞きたい!日本経済の憂鬱と再生への道』岩本沙弓(自由国民社、2014年)以下同】

 年次改革要望書については関岡英之著『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』が詳しい。

 流れとしては、日米構造協議(1989年)→年次改革要望書(1994年)→日米経済調和対話(2011年)と変遷しているが、日本改造プログラムであることに変わりはない。非関税障壁を取り除くために日本社会をアメリカナイズすることが目的だ。で、規制緩和をしてもアメリカ製品が日本で売れないため、遂にTPPへと舵を切ったわけだ。多国間の協定となれば拘束力が強くなる。

富岡●繰り返しますが、【付加価値税というのは税金じゃない。物価、物の値段】なの。
 人間は物を買わなければ生きていけないんですから、付加価値税は「生きていること」にかかる税金です。人間と家畜、生きとし生けるものにかかる「空気税」みたいなものです。生きることそれ自体を税の対象物とするのは、あってはならないことです。

岩本●しかし先生、私自身も最初にそう言われてもピンとこなかったように、消費税が物価であるということを一般の国民はなかなか理解できないのではないかと思うんですが。

富岡●単純に考えていいんですよ。だってお腹が空いたら駅の売店でパンを買うでしょう。それが本来1個100円だとしたら、それが105円になる。105円払わないとパンは食えない。それが物価というものです。だから消費税は、消費者を絶対に逃れられない鉄の鎖に縛りつける税金。悪魔の仕組みなんです。

 これはわかりやすい。消費税を間接税と意義づけるところに国税庁の欺瞞がある。

消費税は、たばこ税と同じ「間接税」なのか?法人税と同じ「直接税」なのか?
消費税は間接税なのか

富岡●トランスファープライシング。日本の親会社が海外関連企業と国際取引する価格を調整することで、所得を海外移転することです。
 移転価格操作とタックスヘイブンを結びつけて悪用すれば、税金なんてほとんどゼロにできてしまうテクニックがある。
 簡単に説明するとね、日本にAというメーカーがあるとします。A社は税金の安いカリブ海などのタックスヘイブンに海外子会社Bをつくって、そのB社に普通よりも安い値段――たとえば本来の卸価格が80円だとすれば、70円などで売る。そしてB社はアメリカにあるもうひとつの子会社である販売会社のC社に100円で売る。実際にアメリカで売るのはC社です。
 これをすることで、日本にあるA社は利益を減らすけれど、タックスヘイブンにあるB社に利益が集中する。要するに、会社を3つつくれば、税金なんてすぐなくなっちゃうの。

 タックスヘイブン(租税回避地)に関しては次の3冊がオススメ。

マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻
タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン

 ただしマネーロンダリングについてはアメリカが法的規制をしたため、ブラックマネーと判断されれば米国内の銀行口座は凍結され、彼らと取引のある金融機関も米国内での業務を停止させられる。こうなるとドル決済の取引がほぼ不可能となる。

 大局的な歴史観に立てば、やはりサブプライム・ショック(2007年)~リーマン・ショック(2008年)で金融をメインとする資本主義は衰亡へと向かいつつある。既に新自由主義は旗を下ろし、国家による保護主義が台頭している。

 不公平な税制が改善される見込みはない。どうせなら全部直接税にしてはどうか? 正しい税制が敷かれていれば、税金を支払うことに企業や国民は誇りを抱くはずだ。

 尚、湖東同様、富岡の近著『税金を払わない巨大企業』に対する批判も多いので一つだけ紹介しよう。

巨大企業も税金を払っています。 - すらすら日記。Ver2

あなたの知らない日本経済のカラクリ---〔対談〕この人に聞きたい! 日本経済の憂鬱と再生への道筋

2011-06-21

チンパンジーの利益分配/『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール


『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー
『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール

 ・チンパンジーの利益分配

フランス・ドゥ・ヴァール「良識ある行動をとる動物たち」
『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』フランス・ドゥ・ヴァール

 霊長類研究の世界的権威によるエッセイ。形式は軽いが内容は重量級だ。読者層を拡大する意図があったのか、あるいはただ単にまとめる時間がなかったのかは不明。ファンの一人としてはもっと体系的・専門的な構成を望んでしまう。勝手なものだ。

 霊長類といっても様々で、チンパンジーは暴力的な政治家で、ボノボは平和を好む助平(すけべい→スケベ)だ。ヒトは多分、チンパンジーとボノボの間で進化を迷っているのだろう。ドゥ・ヴァールの著作を読むとそう思えてならない。

 今時、強欲は流行らない。世は共感の時代を迎えたのだ。
 2008年に世界的な金融危機が起き、アメリカでは新しい大統領が選ばれたこともあって、社会に劇的な変化が見られた。多くの人が悪夢からさめたような思いをした――庶民のお金をギャンブルに注ぎ込み、ひと握りの幸運な人を富ませ、その他の人は一顧だにしない巨大なカジノの悪夢から。この悪夢を招いたのは、四半世紀前にアメリカのレーガン大統領とイギリスのサッチャー首相が導入した、いわゆる「トリクルダウン」(訳注 大企業や富裕層が潤うと経済が刺激され、その恩恵がやがて中小企業や庶民にまで及ぶという理論に基づく経済政策)で、市場は見事に自己統制するという心強い言葉が当時まことしやかにささやかれた。もうそんな甘言を信じる者などいない。
 どうやらアメリカの政治は、協力等社会的責任を重んじる時代を迎える態勢に入ったようだ。

【『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール:柴田裕之訳、西田利貞解説(紀伊國屋書店、2010年)以下同】

トリクルダウン理論

「おこぼれ経済」だと。ところがどっこい全然こぼれてこない。私のところまでは。経常利益は内部留保となって経営効率を悪化させている。だぶついた資金が経済全体の至るところで血まめのようになっている。血腫といった方が正確か。その結果がこれだ。

利子、配当は富裕層に集中する/『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』河邑厚徳、グループ現代

 私たちはみな、同胞の面倒を見るのが当たり前なのだろうか? そうする義務を負わされているのだろうか? それとも、その役割は、私たちがこの世に存在する目的の妨げとなるだけなのだろうか? その目的とは、経済学者に言わせれば生産と消費であり、生物学者に言わせれば生存と生殖となる。この二つの見方が似ているように思えるのは当然だろう。なにしろ両者は同じころ、同じ場所、すなわち産業革命期にイングランドで生まれたのであり、ともに、「競争は善なり」という論理に従っているのだから。
 それよりわずかに前、わずかにきたのスコットランドでは、見方が違った。経済学の父アダム・スミスは、自己利益の追求は「仲間意識」に世で加減されなくてはならいことを誰よりもよく理解していた。『道徳感情論』(世評では、のちに著した『国富論』にやや見劣りするが)を読むとわかる。

 これは古典派経済学進化論を指しているのだろう。

 人間と動物の利他的行為と公平さの起源については新たな研究がなされており、興味をそそられる。たとえば、2匹のサルに同じ課題をやらせる研究で、報酬に大きな差をつけると、待遇の悪い方のサルは課題をすることをきっぱりと拒む。人間の場合も同じで、配分が不公平だと感じると、報酬をはねつけることがわかっている。どんなに少ない報酬でも利潤原理に厳密に従うわけではないことがわかる。不公平な待遇に異議を唱えるのだから、こうした行動は、報酬が重要であるという主張と、生まれつき不公平を嫌う性質があるという主張の両方を裏付けている。
 それなのに私たちは、利他主義や高齢者に満ちた連帯意識のかけらもないような社会にますます近づいているように見える。

 ということは予(あらかじ)め「受け取るべき報酬」という概念をサルが持っていることになる。しかも異議申し立てをするのだから、明らかに自我の存在が認められる。「不公平を嫌う性質」は「群れの健全性」として働くことだろう。

 では霊長類の経済システム(交換モデル)はどうなっているのだろう。

 アトランタ北東にある私たちのフィールド・ステーションでは、屋外に設置した複数の囲いの中でチンパンジーを飼っていて、ときどきスイカのような、みんなで分けられる食べ物を与える。ほとんどのチンパンジーは、真っ先に手に入れようとする。いったん自分のものにしてしまえば、他のチンパンジーに奪われることはめったにないからだ。所有権がきちんと尊重されるようで、最下位のメスでさえ、最上位のオスにその権利を認めてもらえる。食べ物の所有者のもとには、他のチンパンジーが手を差し出してよってくることが多い(チンパンジーの物乞いの仕草は、人間が施しを乞う万国共通の仕草と同じだ)。彼らは施しを求め、哀れっぽい声を出し、相手の面前でぐずるように訴える。もし聞き入れてもらえないと、癇癪(かんしゃく)を起こし、この世の終わりがきたかのように、金切り声を上げ、転げ回る。
 つまり、所有と分配の両方が行なわれているということだ。けっきょく、たいていは20分もすれば、その群れのチンパンジー全員に食べ物が行き渡る。所有者は身内と仲良しに分け与え、分け与えられたものがさらに自分の身内と仲良しに分け与える。なるべく大きな分け前にありつこうと、かなりの競争が起きるものの、なんとも平和な情景だ。今でも覚えているが、撮影班が食べ物の分配の模様をフィルムに収めていたとき、カメラマンがこちらを振りむいて言った。「うちの子たちに見せてやりたいですよ。いいお手本だ」
 と言うわけで、自然は生存のための闘争に基づいているから私たちも闘争に基づいて生きる必要があるなどと言う人は、誰であろうと信じてはいけない。多くの動物は、相手を譲渡したり何でも独り占めしたりするのではなく、協力したり分け合ったりすることで生き延びる。

 まず「早い者勝ち」。所有権が尊重されるというのだから凄い。どこぞの大国の強奪主義とは大違いだ。結局、コミュニティ(群れ)はルールによって形成されていることがわかる。これはまずコミュニティがあって、それからルールを決めるというものではなくして、コミュニティ即ルールなのだろう。分業と分配に群れの優位性がある。

 幼児社会はチンパンジー・ルールに則っている。ところが義務教育でヒト・ルールが叩き込まれる。こうやって我々は進化的優位性をも失ってきたのだろう。

 したがって、私たちは人間の本性に関する前提を全面的に見直す必要がある。自然界では絶え間ない闘争が繰り広げられていると思い込み、それに基づいて人間社会を設定しようとする経済学者や政治家があまりに多すぎる。だが、そんな闘争はたんなる投影にすぎない。彼らは奇術師さながら、まず自らのイデオロギー上の偏見というウサギを自然という防止に放り込んでおいて、それからそのウサギの耳をわしづかみにして取り出し、自然が彼らの主張とどれほど一致しているかを示す。私たちはもういい加減、そんなトリックは見破るべきだ。自然界に競争がつきものなのは明らかだが、競争だけでは人間は生きていけない。

 ドゥ・ヴァールが説く共感はわかりやす過ぎて胡散臭い。実際はそんな簡単なものではあるまい。ただ、動物を人間よりも下等と決めつけるのではなくして、生存を可能にしている事実から学ぶべきだという指摘は説得力がある。

 共感能力を失ってしまえば、人類は鬼畜にも劣る存在となる。そのレベルは経済において最もわかりやすい構図を描く。格差拡大が引き起こす二極化構造をチンパンジーたちは嘲笑ってはいないだろうか。



コミュニケーションの可能性/『逝かない身体 ALS的日常を生きる』川口有美子
英雄的人物の共通点/『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
集合知は沈黙の中から生まれる
「法人税の引き下げによる経済効果はゼロないしマイナス」/『消費税は0%にできる 負担を減らして社会保障を充実させる経済学』菊池英博
進化宗教学の地平を拓いた一書/『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰』ニコラス・ウェイド
比類なき言葉のセンス/『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー:黒原敏行訳
愛着障害と愛情への反発/『消えたい 虐待された人の生き方から知る心の幸せ』高橋和巳
強欲な人間が差別を助長する/『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
ものごとが見えれば信仰はなくなる/『ブッダが説いたこと』ワールポラ・ラーフラ
アンシャン・レジームの免税特権/『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
マネーと言葉に限られたコミュニケーション/『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎
金融工学という偽り/『新しい資本主義 希望の大国・日本の可能性』原丈人
大塩平八郎の檄文/『日本の名著27 大塩中斎』責任編集宮城公子