・ピュタゴラスは鍛冶屋で和音を発見した
・ソフィー・ジェルマン
・川の長さは直線距離×3.14
・ピタゴラスの定理
・ピタゴラスの証明は二重の意味で重要だった
・図書室の一冊の雑誌をめぐる偶然の出会いが数学史を変えた
・ガロア
数学に対するガロアの情熱は、まもなく教師たちの手に余るようになった。そこで彼は、当時の大数学者による最新の書物からじかに学びはじめた。ガロアはどんなに複雑な概念でもスポンジのように吸収し、17歳にして『ジェルゴンヌ数学年報』に処女論文を発表するまでになった。神童の前途は洋々として見えた。だが、カミソリのように研ぎ澄まされたその頭脳こそが、ガロアの行く手をさえぎる最大の障壁となったのである。彼の数学の知識をもってすれば、高等中学の試験ぐらいはわけなく合格できただろう。しかし彼の解法はときとしてあまりにも革新的で洗練されすぎていたため、試験官には理解できなかったのである。さらに悪いことに、ガロアは多くの計算を暗算ですませ、論証のプロセスをいちいち書こうとはしなかった。それが無能な試験官たちをいっそういらだたせることになった。
しかもこの若き天才は、短気なうえに無分別ときていた。
【『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』サイモン・シン:青木薫訳(新潮社、2000年/新潮文庫、2006年)】
・エヴァリスト・ガロア
・ガロアの生涯