2011-07-14

世界全体が巨大なテレビ・スタジオになっている


 私が言いたいのは、今や世界全体が巨大なテレビ・スタジオになっているということだ。

【『おテレビ様と日本人』林秀彦(成甲書房、2009年)】

おテレビ様と日本人

「我」の字義


「我」=「手」+「戈」:=て+武器→手の武器→手の武器を持つもの→武器を持つもの→わたし

象形文字の秘密

一人一票に関心が湧かない


 自分でも信じられないほど一人一票に関心が湧かない。酔っ払った頭で考えてみよう。

 都道府県内において一人一票は担保されている。一人一票が崩れるのは他県と比較した場合である。他県と比較する視点は、都道府県を超える範囲に権力を及ぼすことのできる人物だけではあるまいか。つまり国会議員。

 判例に基づく一票基準には誤差が含まれている。選挙を比例区のみにしたところで誤差はなくならない。ゼロと1の間には無限が存在するのだ。

 一人一票が実現すれば政治はよくなるのだろうか? なるかもしれないし、ならないかもしれない。

 一票の格差を金利とすれば、高金利の都道府県に移住する人々がいてもいいはずだ。

 頭が回らないので結論を書いてしまおう。一人一票に固執すると、多数決原理主義になるのではあるまいか。

一票の格差が諸悪の根源なのか?

2011-07-12

自閉症者の苦悩


 私がどれほど懸命に努力しても、ほんもののひとたちは、まだ変われと言う、自分たちのようになりなさいと言う。
 それがどれほどむずかしいことか彼らにはわからない。気にもしない。私に変わってほしいと思う。私の頭のなかにいろいろなものを入れて、私の脳を変えようとする。そんなことはしていないと彼らは言うが、彼らはそうしているのだ。

【『くらやみの速さはどれくらい』エリザベス・ムーン:小尾芙佐〈おび・ふさ〉訳(早川書房、2004年)】

くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)

自閉症者の可能性/『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン

柳川喜郎


 1冊読了。

 47冊目『襲われて 産廃の闇、自治の光』柳川喜郎〈やながわ・よしろう〉(岩波書店、2009年)/著者は岐阜県御嵩(みたけ)町の町長を務めた人物で元NHK記者。タイトルからしてクライマックスで襲われるのかと思いきや冒頭に襲撃シーンが。産廃を見直す発言をした柳川に二人の暴漢が襲い掛かり滅多打ちにする。頭蓋骨陥没、右上腕は直角に骨折していた。瀕死の重傷。プロの手口だった。ここから柳川の本当の戦いが始まる。相手は産廃業者の寿和(としわ)工業(韓鳳道〈清水正靖〉会長、当時)と産廃設置を推進しようとする岐阜県&梶原拓知事(当時)、それに暴力団だ。小さな町だからこそ、この国の政治情況が縮図となっている。電話を盗聴され、地元ミニ新聞から攻撃され、岐阜県から圧力を掛けられても、柳川は屈しなかった。本書の中心テーマは住民投票と住民自治である。柳川は自らが犠牲となって民主主義に魂を吹き込んだ。梶原拓知事の意向があったのか、警察は襲撃事件すらまともな捜査を行わなかったことが後に判明する。都道府県が官僚となって市町村の足を引っ張っていることがよく理解できる。産廃を取り巻く闇の深さに圧倒される。