2013-06-07

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中古ランドセル:アフガンの子の喜ぶ姿見て 写真集出版


 内戦が続くアフガニスタンの子どもたちに、日本の中古ランドセルを届ける運動が今年で10年目を迎えた。ランドセルを大事にしながら勉強に励む子どもたちの姿を見てもらおうと、東京都杉並区在住の写真家、内堀タケシさん(57)が写真集「ランドセルは海を越えて」(ポプラ社、1470円)を出版した。内堀さんは「目を輝かせて喜ぶ子どもたちの姿を多くの人に見てもらいたい」と話している。

 ランドセルは丈夫で、6年間使われた後も使用可能なものが多い。大手化学メーカーのクラレが、公益財団法人「ジョイセフ」(東京都新宿区)と協力し、「ボランティアとリサイクルにつながる」と2004年に運動をスタートした。ネットなどでランドセルを募集し、これまでに鉛筆やノートと一緒に10万個以上を届けてきた。

 内堀さんは01年から毎年、アフガニスタンを訪れ、現地の市民生活を記録してきた。運動に携わっている知人から「送ったランドセルがどうなっているか見てきてほしい」と頼まれ、05年に東部の要衝ジャララバードを訪問。その後は自身も運動に加わり、毎年現地で子どもたちを撮り続けてきた。

 写真集では、子どもたちが中古ランドセルをにこにこと見つめる様子や、軍用機が飛び交う中、「青空学級」でランドセルを机代わりに勉強する風景などを紹介している。内堀さんは「日本人にとって何でもないものが、現地の子にとっては一生の宝物になることを知ってほしい」と話している。

毎日jp 2013-06-07

公式サイト

ランドセルは海を越えて (シリーズ・自然 いのち ひと)