28日の英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された魚類の研究によると、リーダーシップとは生まれつきの素質であり、動物の群れでも人間社会でも、各自の素質に従った天性の役割が逆転した場合、問題を生じる可能性があるという。
「群れ」というものがうまく機能する傾向がより高いのは、強力なリーダーとそれに進んで従う者が組み合わさった場合で、大半の動物種では、リーダーとなるのはより大胆で、より外交的な個体だという。
しかし、人間の場合の給与のように意欲を起こさせる誘因があると、追従することが向いている個体がリーダーになることがある。こうした役割の逆転が望ましい状況かどうか、研究者たちは長年議論してきた。
素質としては追従的な個体がリーダーになれるのか、またその逆は可能なのかを調べるために、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)動物学科の研究チームは、大胆な個体と弱気な個体がいることで知られるトゲウオ科の魚を対象に研究を行った。
まず研究用の巨大な水槽内で数週間群れを観察し、リーダーとなる個体とそれに従う個体を分けた。リーダー性のある個体の方が、隠れ場所がある水槽底部の「安全な」一帯を離れ、「危険な」水槽上部にある餌場に到達しようとする傾向がよりあった。
次にリーダー性のある個体と追従的な個体を2匹1組とし、2つの実験を行った。第1の実験では、リーダーが泳ぎ始め、もう1匹がその後を追うという「天性の役割分担」を示した場合に餌を与えた。第2の実験では、2匹の役割が逆転し、弱気な個体が先に泳ぎ始め、リーダー性のある個体がその後を追った場合に餌を与えた。
研究論文の共著者、同大のナカヤマ・シンノスケ(Shinnosuke Nakayama)氏によれば、大胆な個体は他の個体の行動に対する反応性が低く、追従する役割への適応を強いられた場合はうまくいかない、と研究チームは予測していた。しかし実際はこれに反し、追従的な個体がリーダー役に適応するよりも、リーダー性のある個体が追従役に適応する方が早かった。
ナカヤマ氏は論文要旨で「魚たちは追従を覚えることはできるが、率いることを覚えるのには苦労する。リーダーとは生まれつくものであり、作られるものではないことを発見した」と述べている。
今回の発見は、集団行動に関するさらに広範な研究に興味深い問いを投げ掛けているという。論文は「個性の違いによる大きなプラス効果は、より大胆な(または人間の場合、より外交的な)個体がリーダーの役割を担うなど、その集団に属する個体が各自の役割を自由に確立した時にのみ現れる傾向がある」と述べている。
そのため、自分が自然だと感じるリーダーなり、追従者なりの社会的役割に適応することがより好ましいようだとナカヤマ氏は補足している。
【AFP 2013-08-28】
質問者の想定するレベルが低すぎるとこうなりがち。/記者の眼 - 「できない人」にいくら教えても「できる人」にならないのか:ITpro http://t.co/TQmNs5y3TW
— 小野不一 (@fuitsuono) August 28, 2013
かような人物が教育を議論すると甚だ厄介なことに。
— 小野不一 (@fuitsuono) August 28, 2013
・英雄的人物の共通点/『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー