某テレビ局では最近プロデューサーが全員集められ、「原発の悪口をいうコメンテーターは使うな!」と幹部から伝えられたそうです。
かれらはあれだけの惨状を目にしても、まだ原発を続けたいのです。マスコミとしての責任のもと、きちんと原子力発電とはなにかを調べたうえでの判断として「原発の安全性」をいうのならまだ話はわかります。しかし、かれらが原発について調べたようには見えません。いわゆる御用学者と東電、原子力安全・保安院の言葉をそのまま流しているようにしか見えないのです。
一体なぜかれらはそんなことをしているのでしょうか? 答えは簡単です。テレビ局と大手新聞社は完全に原発利権の一部だからです。読売新聞社社主であった正力松太郎〈しょうりき・まつたろう〉氏は原子力委員会の初代委員長でしたし、「関電中興の祖」と呼ばれた関西電力元会長の芦原義重〈あしはら・よししげ〉氏は毎日新聞社の顧問をしていました。産経新聞社代表取締役だった稲葉秀三〈いなば・ひでぞう〉氏も1973年に原子力委員会委員に就任していますし、日本経済新聞の論説委員を務めた鳥井弘之〈とりい・ひろゆき〉氏は日本原子力産業協会の理事(4月1日現在)です。これらは原発とマスコミのつながりが歴史的にも相当深いことの証左といっても言い過ぎではないでしょう。
【『利権の亡者を黙らせろ 日本連邦誕生論 ポスト3.11世代の新指針』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(講談社、2011年)】
利権とは無縁な原発推進派の本音は日本の安全保障にある。しかしながら本気で安全保障を考えるのであれば、原発そのものが攻撃対象となり得るリスクをどう回避するかが問われよう。私は原発に否定的な立場だ。まず嘘が多すぎる。東京の電力をまかなうための原発を地方につくること自体がインチキだと思う。コスト計算も不明だし、原子炉が古いタイプでパテント料はアメリカがせしめる仕組みになっている。
日本はエネルギーを輸入せざるを得ない。であればガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)のような省エネ技術開発を進めてエネルギー効率を上げるしかない(動画、32分あたりから)。
私は原発には反対するが反対デモには参加しない。そもそもデモはデモンストレーション、すなわち示威に目的がある。その意味から申せば平和的なデモなどあってはならない。常に一触即発の緊張感を漲らせるのが正しいデモのあり方だ。不当逮捕など織り込み済みの上で、いつでも警察の暴力に対抗し得る構えが必要だ。つまり暴徒の隣に位置する者でなければデモを行う意味がないと私は考える。
反原発を唱えるのであれば、デモよりも読売新聞の不買運動の方が効果的だと思う。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 1月 4
読売新聞、半年で約52万部減、紙新聞の未来を象徴する数字 | MEDIA KOKUSYO http://t.co/bmoNlNIHXx
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 6月 3
オバマ政権の2期目は明らかにドル高政策に舵を切った。日本のエネルギーコストは上がる一方で原発推進派には追い風が吹く。ドル高が極まると第二次世界大戦前夜と同じ情況に日本は追い込まれる。その時、新聞各紙は再び大政翼賛に傾き戦争を煽ることだろう。
・日本の原発はアメリカの核戦略の一環/『原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力』苫米地英人