・『日本はテロと戦えるか』アルベルト・フジモリ、菅沼光弘:2003年
・『この国を支配/管理する者たち 諜報から見た闇の権力』中丸薫、菅沼光弘:2006年
・『菅沼レポート・増補版 守るべき日本の国益』菅沼光弘:2009年
・『この国のために今二人が絶対伝えたい本当のこと 闇の世界権力との最終バトル【北朝鮮編】』中丸薫、菅沼光弘:2010年
・『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎:2010年
・『この国の権力中枢を握る者は誰か』菅沼光弘:2011年
・教科書問題が謝罪外交の原因
・アメリカの穀物輸出戦略
・中国の経済成長率が鈍化
・安倍首相辞任の真相
・『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘:2012年
・『国家非常事態緊急会議』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄:2012年
・『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘:2012年
・『誰も教えないこの国の歴史の真実』菅沼光弘:2012年
・『この世界でいま本当に起きていること』中丸薫、菅沼光弘:2013年
・『神国日本VS.ワンワールド支配者』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄
・『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼光弘:2013年
いまは日中関係も日韓関係も北朝鮮との関係もガタガタになっているけれど、その根源はどこにあるのかといえば、第一の要因は、1982年の教科書問題に発しています。これは高等学校の歴史教科書の記述において文部省が日本の中国華北への「侵略」を「進出」と書き改めさせたという報道がマスコミによって一斉になされ、この報道を受けて中国が猛然と反発抗議してきた事件です。
しかし調べてみると、どの教科書にもそんな事実はなく、マスコミの明らかな誤報だったのですが、いろいろすったもんだしたあげく、あろうことか当時の宮沢喜一官房長官が「今後、教科書検定については国際理解と国際協調の見地から、アジア近隣諸国の感情を害さないように配慮する」と発言しました。いわゆる「近隣諸国条項」というものです。
そもそも「侵略→進出」の誤報も、一部のマスコミが意図的にミスリードしたふしがあるのですが、そうした流れのなかで日本政府はこのときからひたすら「謝罪外交」の道を歩み始めることになりました。
【『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘(徳間書店、2012年)以下同】
菅沼光弘はかつて公安調査庁で第二部長を務めた人物だ。公安警察や国家公安委員会と混同しやすいので要注意。公安調査庁は情報機関である。
一読してその見識と憂国の情に胸を打たれる。菅沼は入庁直後、ドイツのゲーレン機関に送られ訓練を受けている。ラインハルト・ゲーレンも健在であった。小野田寛郎〈おのだ・ひろお〉と同じ精神の光を感じてならなかった。すなわちこの二人は国士といってよい。
・陸軍中野学校の勝利と敗北を体現した男/『たった一人の30年戦争』小野田寛郎
私は本書を開くまで教科書問題が誤報だと知らなかった。つまり30年以上にわたって「右傾化する日本に反発する中国」という構図を信じ込んできたわけだ。ものを知らないことは本当に恐ろしい。
・教科書誤報事件
・教科書問題の発端「世紀の大誤報」の真実
しかも事実無根の誤報である。誰かが情報を与え、マスコミが意図的にリークしたわけだ。東アジア諸国の友好関係を阻む動きと理解していいだろう。
最近、またぞろ韓国は「従軍慰安婦」の問題を持ち出していますが、中国も韓国も北朝鮮も、何か事あるごとに過去のことを引っ張りだしてきては日本を非難する。それに対して日本はひたすら謝罪、謝罪を繰り返してきました。宮沢発言以来、そればかりです。
ではそれで日中関係がよくなってきたかといったら、少しもよくならない。韓国・北朝鮮ともだんだん悪くなる一方で、謝れば謝るほど相手を外交的に優位に立たせるだけのことです。世界中でこんな稚拙な外交をやっているのは日本だけです。たとえばイギリスはインドをはじめビルマ(ミャンマー)、マレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国を植民地にしたけれど、何一つ謝罪などしていません。そんな過去の話など関係ないよと、まったく相手にしないのです。それが普通のことです。
確かにそうだ。アフリカの黒人を誘拐同然で輸入したアメリカも謝罪している様子はない。そもそもあいつらはインディアン虐殺すら反省していないことだろう。イギリス、フランスはアフリカのほぼすべてを植民地化したが謝ったという話は聞いたことがない。
宮沢喜一の謝罪は政治判断であったのか、それとも官僚の入れ知恵であったのかを明らかにする必要があるだろう。
日本の外交がなぜこんなにも弱腰になってしまったのかといえば、戦後日本を占領したアメリカ(GHQ=連合軍総司令部)の対日戦略に始まることであって、ひと言で言ってそれは精神的な日本解体のシナリオだということです。戦後65年あまり、アメリカの対日政策は一貫して日本解体にあったといっていいのです。
やや飛躍しているように感じるが、本書はその「不都合な真実」を次々と暴き出す。基本となるのは憲法、自虐史観そして日米安保である。
本書を読めば、GHQによる占領の意味と占領後の日本がどのように変えられたかを知ることができる。また菅沼はTPPについても警鐘を乱打しているのでどんどん紹介する予定だ。
この国の不都合な真実―日本はなぜここまで劣化したのか?
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菅沼 光弘
徳間書店
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