・『日本はテロと戦えるか』アルベルト・フジモリ、菅沼光弘:2003年
・『この国を支配/管理する者たち 諜報から見た闇の権力』中丸薫、菅沼光弘:2006年
・『菅沼レポート・増補版 守るべき日本の国益』菅沼光弘:2009年
・『この国のために今二人が絶対伝えたい本当のこと 闇の世界権力との最終バトル【北朝鮮編】』中丸薫、菅沼光弘:2010年
・『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎:2010年
・『この国の権力中枢を握る者は誰か』菅沼光弘:2011年
・『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘:2012年
・『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘:2012年
・『国家非常事態緊急会議』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄:2012年
・『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘:2012年
・『誰も教えないこの国の歴史の真実』菅沼光弘:2012年
・『この世界でいま本当に起きていること』中丸薫、菅沼光弘:2013年
・『この国を呪縛する歴史問題』菅沼光弘:2014年
・日露友好の土壌
・『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼光弘:2013年
菅沼●ロシアと日本が協力できるのは単に経済的な関係だけではないんですよ。宗教的に見てもそうです。ロシア正教は一般的なキリスト教とちょっと違う。
例えば彼らが一番愛するのがアイコン(イコン)です。それに何が描いてあるかというと、マリア様です。マリア様は女性です。日本も、伊勢神宮内宮の祭神はアマテラスです。女性に対する畏敬の念ということではロシアと日本には共通性がある。
【『なぜ不死鳥のごとく蘇るのか 神国日本VS.ワンワールド支配者 バビロニア式独裁か日本式共生か 攻防正念場!』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄(ヒカルランド、2013年)以下同】
ベンジャミン・フルフォードの言説には慎みがない。思ったこと、感じたことをそのまま吐いている。その軽薄さが彼の言論を単なる陰謀論に貶める。部分的な真実があったとしても私は彼の言葉を信用しない。このような子供染みた人物を相手にする菅沼の意図も理解しかねる。菅沼ファンであってもベンジャミン関連は読む必要なし。
アイコンについては小田嶋隆が秀逸な解説をしている。
・アイコンとは/『コンピュータ妄語録』小田嶋隆
「偶像崇拝」という言葉にはかくの如き西洋の歴史がある。一言でいえば「シンボルは神に非ず」ということだ。これは中々奥が深いテーマで宗教や脳機能の深淵に関わる問題が潜んでいる。
タレントとは本来「才能」を意味する言葉であるが、タレントのポスターが偶像である事実に気がつけば偶像崇拝はストンと腑に落ちる。例えば筋金入りのオタクがいたとしよう。彼は大好きなアイドルのポスターに向かって朝な夕な語りかける。ある時は悔しい思いを涙ながらに訴え、またある時は嬉しい出来事を輝く瞳で報告する。彼の脳内ではアイドルのポスターが実像と化している。幼い妹が誤ってポスターを破いてしまった事態を想定すればわかることだ。それはもう「ポスター」ではなくなっている。ご存じの人もいるだろうがアイドルとは「偶像」を意味する言葉である。
ここからもう一段深めるとシンボルとしての言葉に辿り着く。そこから横に移動すれば、表意文字としての漢字に込められた力、すなわち呪能が見えてくる。で、最終的には脳のアナロジー機能に行き着く。
・アナロジーは死の象徴化から始まった/『カミとヒトの解剖学』養老孟司
菅沼の指摘は「日本人とロシア人の脳が似ている」ことを示す。初耳だ。こんな話は聞いたことがない。聞いたことがないだけに鮮烈な説得力を感じる。
菅沼●ロシア人は、日本人に対して、イギリス人だとか何かみたいに人種的な偏見なんて全然ない。シベリアに抑留された人が現地のロシア人女性と一緒になって、帰ってこなかった例も随分ある。
言われてみると確かにロシアの美人は欧米の美人よりも日本人には取っ付きやすい印象がある。ただしロシアの女性と結婚すると性行為の回数が多くて日本男児では体が持たないと佐藤優が書いていた。1日3回とか。
菅沼●今まで日露関係は、イデオロギーや、北方領土の問題とかがあって、ギクシャクしてきたけども、そういうものが薄れてくると、ロシアと日本というのは、宗教的にも、人間的にも、また経済的にも非常にくっつきやすい条件ができつつあるわけですよ。
こういう卓見が随所にあるから菅沼本はやめられない。私は本来であればやはり東アジアを中心とした漢字文化圏が緩やかな共同体を目指すのが理想だと考えているが、中国との関係が上手くゆかない以上、日本とロシアが友好を深めることは望ましいと思う。