2016-03-26
アルボムッレ・スマナサーラ、他
4冊挫折、1冊読了。
『パリは燃えているか?(上)』ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール:志摩隆〈しま・たかし〉訳(早川書房、1966年/ハヤカワ文庫、1977年/ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース、2005年/ハヤカワ文庫新版、2016年)/二度目の挫折。体力不足で読み切れず。
『無縁社会』NHKスペシャル取材班(文春文庫、2012年/文藝春秋、2010年、NHK「無縁社会プロジェクト」取材班『無縁社会 “無縁死”三万二千人の衝撃』改題)/行間から嫌な匂いがプンプンしている。NHKという安全な立場から社会正義の鎧(よろい)を身にまとい、「不幸な人々」を商品化するビジネスモデルといってよい。しかもテレビ番組の二次商品化である。文章は悪くない。悪くないからこそ、より一層悪臭が際立つのだ。平成26年度のNHK職員平均年収は1160万2859円となっている。「取材班」の給与は当然もっと上だろう。「こんなに大変な人がたくさんいるんですよ」といった内容を超えていない。
『老人漂流社会 他人事ではない“老後の現実”』NHKスペシャル取材班(主婦と生活社、2013年)/これまた同様。社会問題を指摘するだけの似非ジャーナリズム。
36冊目『原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話』アルボムッレ・スマナサーラ(佼成出版社、2003年)/再読。易(やさ)しいのだが決して浅くない。真理というものは我々が想像するよりもずっとシンプルなのだろう。ただし悟性の輝きは見られない。この人は飽くまでも解説者である。別の本で中村元訳に対する嫌味を書いていたが、もしそれが本当ならきちんとした『ダンマパダ』の訳書を出すべきだろう。それをしないところにこの人物の性根が透けて見える。
ダン・アリエリー著『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』が文庫化
「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」――。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない!行動経済学ブームに火をつけたベストセラーの文庫版。
・比較トラップ/『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー
2016-03-24
大塚貢、田中森一、佐藤優、北野幸伯、他
2冊挫折、5冊読了。
『報復』ジリアン・ホフマン:吉田利子訳(ヴィレッジブックス、2004年)/訳が悪い。
『日本の長者番付 戦後億万長者の盛衰』菊地浩之(平凡社新書、2015年)/読み物たり得ず。単なる資料だ。
31冊目『隷属国家 日本の岐路 今度は中国の天領になるのか?』北野幸伯〈きたの・よしのり〉(ダイヤモンド社、2008年)/北野の著作はインテリジェンス入門としてうってつけだ。佐藤優のような嘘も感じられない。日本にとって真の脅威は中国であり、単純な反米感情の危険性を説く。食料安保、移民問題など。
32冊目『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯〈きたの・よしのり〉(集英社インターナショナル、2013年)/ロシアを追われたプーチンが日本を訪れ柔道三昧の日々を送る。そこへ日本の首相がやってきて諸々の政治問題を相談する。プーチンという強いリーダー像を通して日本の政治家に欠けている資質が明らかになる。わかりやすく巧みな設定だ。
33冊目『日本人の知らない「クレムリン・メソッド」 世界を動かす11の原理』北野幸伯〈きたの・よしのり〉(集英社インターナショナル、2014年)/北野本4冊目。重複した内容が目立つ。ただし最新情報が盛り込まれている。最終章の「『イデオロギー』は国家が大衆を支配する『道具』にすぎない」という見出しは覚えておくべきだ。
34冊目『正義の正体』田中森一〈たなか・もりかず〉、佐藤優〈さとう・まさる〉(集英社インターナショナル、2008年)/面白かった。19時間の対談で1冊の本が出来上がるのだから、やはりこの二人は只者ではない。佐藤が凄いと思った人物は小渕恵三とエリツィンであるという。どちらのエピソードも実に興味深く、知られざる素顔が見える。
35冊目『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平(コスモ21、2012年)/DVD付きで1500円。北野本で知った。一読の価値あり。DVDを先に見た方がよい。この講演会から生まれた書籍である。大塚が校長を務めた中学では、学校の廊下をバイクが走り回り、煙草の吸い殻を拾うと1時間でバケツが一杯になったという。大塚は三段階改革で学校を変えた。まず最初に非行の原因は「面白くない授業にある」として、授業を魅力的なものに変えた。続いて給食をパンから米中心に変え、無農薬・低農薬の地元野菜にした。地産地消である。そのために学校への補助金が打ち切られた。最後に学校を花で飾った。各クラスが花壇を担当して種から花を育てた。生徒たちは激変した。安部司の引用など危うい記述も目立つが、取り組み自体は素晴らしいと思う。本を先に読んでしまうと、まるで鈴木が主催するエジソン・アインシュタインスクール協会の宣伝本に見えるが、講演DVDを先に見れば腑に落ちる。西村は新日本の現役プロレスラーで東京文京区議会議員と二足のわらじを履く人物。
2016-03-20
2016-03-18
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