2017-03-19

正しいキレ方/『恋ノチカラ』相沢友子脚本


 ・正しいキレ方
 ・輪廻する缶コーヒー

 読む量が増えてくると、どうしてもつまらない本と出会う確率が高まる。読書日記すら書く気が起こらない。特に最近は慰安婦捏造・沖縄米軍基地・メディアの欺瞞に関する本を読んでいて、これがまた玉石混淆という有り様。少々うんざりしていたところで、このドラマを見たのが運の尽きであった。

『恋ノチカラ』は2002年に放映されたのだが私は再放送を見ている。私は10代後半から殆どテレビを見ていないのだがなぜか見ている。いやあたまげたね。こんなに面白かったとは。ラブコメディなんだが、昔読んだ『いろはにこんぺいと』(くらもちふさこ作)を思い出した。思わず立て続けに2回見てしまった。こんなことは『アメリ』以来である。

 私の中では『王様のレストラン』『こんな恋のはなし』を抑えて堂々1位のドラマである。

 脚本にちりばめられた科白(せりふ)もさることながら、深津絵里の演技が全てであると言い切ってよい。深津と比べればあとは全部大根役者だ。少女漫画から抜け出してきたようなファッションもグッド。ご飯のこぼし方から口の周りがクリームまみれになるところまで完璧な演技を貫く。

 特に「ワンワン」「美味い~」「女捨ててますから」「がっかりした!」という場面が忘れ難い。そしてラストに至るまで見事に三枚目の女性を演じ切る。

 何の取り柄もない30代の平凡な女性がほぼ毎回感情を爆発させてキレる。本宮籐子(深津)の怒りには邪悪な性質がない。相手を真っ直ぐに信頼しストレートな言葉を放つ。そこには計算の翳(かげ)りもない。正しいキレ方が男たちに初志を思い出させる。ラストのどんでん返しはストーリーとしては安易すぎる。そして異様に長い科白が目立つ。それでも尚、深津の演技がドラマ全体を牽引する。「愛すべきそそっかしい女」というのは一昔前のステレオタイプかもしれないが、やはり「女は愛嬌」である。明るくなければよき母になることも難しいだろう。

 YouTubeの動画は音飛びだらけなのだが、3~4種類の動画がアップされているので横断しながら見るとよい。

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2017-03-02

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