2019-08-07

【経済討論】MMT(現代貨幣理論)は日本を救うか?


 ・【経済討論】MMT(現代貨幣理論)は日本を救うか?

 やはり池戸万作の説明が一番わかりやすい。チャンネル桜が番組を挙げて安倍政権批判をした事実に驚いた。


目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
中野 剛志
ベストセラーズ
売り上げランキング: 74

全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】
中野 剛志
ベストセラーズ
売り上げランキング: 216


『知識ゼロからわかるMMT入門[現代貨幣理論]』三橋貴明

2019-08-04

小賢しい宗教批判/『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII』岸見一郎、古賀史健


『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』岸見一郎
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健

 ・小賢しい宗教批判

・『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル

青年●わかります。人間の「心」にまで踏み込んでいくのが哲学であり、宗教である、と。それで両者の相違点、境界線はどこにあるのです? やはり「神がいるのか、いないのか」という、その一点ですか?

哲人●いえ、【最大の相違点は「物語」の有無】でしょう。宗教は物語によって世界を説明する。言うなれば神は、世界を説明する大きな物語の主人公です。それに対して哲学は、物語を退(しりぞ)ける。主人公のいない、抽象の概念によって世界を説明しようとする。

青年●……哲学は物語を退ける?

哲人●あるいは、こんなふうに考えてください。真理の探究のため、われわれは暗闇に伸びる長い竿(さお)の上を歩いている。常識を疑い、自問と自答をくり返し、どこまで続くかわからない竿の上を、ひたすら歩いている。するとときおり、暗闇の中から内なる声が聞こえてくる。「これ以上先に進んでもなにもない。ここが真理だ」と。

青年●ほう。

哲人●そしてある人は、内なる声に従って歩むことをやめてしまう。竿から飛び降りてしまう。そこに真理があるのか? わたしにはわかりません。あるのかもしれないし、ないのかもしれない。ただ、【歩みを止めて竿の途中で飛び降りることを、わたしは「宗教」と呼びます。哲学とは、永遠に歩き続けることなのです】。そこに神がいるかどうかは、関係ありません。

【『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII』岸見一郎、古賀史健〈こが・ふみたけ〉(ダイヤモンド社、2016年)】

 文章の巧みな詭弁で小賢しい宗教批判といってよい。そもそも「竿の上を歩く」という喩えが悪い。竿で想起されるのは釣り竿や物干し竿でその上を歩くという行為がピンと来ない。そもそもあんたが書いている対話自体、物語だろーが(笑)。

 多分頭のどこかに「哲学は神学の婢(はしため)」という言葉があったのだろう(河野與一『哲学講話』)。もちろん心理学はそれ以下だ。

 古賀史健は「抽象の概念」もまた物語であることを見落としている。すなわちアドラーが行う心理療法は「物語の書き換え」に過ぎない。しかも岸見はアドラーに依存し、古賀は岸見に依存しているのである。そこを見過ごしておきながら宗教の物語性を否定するとは片腹痛い。

 社会心理学はアッシュやミルグラムによって巧みな実験が行われてきた(『服従の心理』スタンレー・ミルグラム)。だが心理学や心理療法の世界で厳密な検証やフィードバックが行われているとは言い難い。フロイトは無意識を発見して西洋でもてはやされたが仏教では2000年前からの常識である。何でもかんでもリビドーや性欲に結びつける考え方は拙劣極まりなく、既に過去の人物といった印象が強い。

 一片のデータすら示さずに宗教を批判する姿勢は、新興宗教が既成宗教を批判する手口と一緒だ。マシュー・サイド著『失敗の科学』ではカール・ポパーによるアドラー批判が紹介されている。

津久井湖 × 昆虫写真家・安川源通〈やすかわ・もとみち〉




2019-08-01

スズキバーディー50 エンジントラブル


【症状】毎日乗っているにもかかわらずエンジンが掛からなくなる。当初は押しがけで掛かっただが、やがては数十メートルの坂道を下ってもエンジンが掛からなくなった。

 2りんかんに持ってゆくと、「メーカーがエンジンの圧縮比を教えてくれないのでスズキショップで修理をした方がよい」とのアドバイス。地元のスズキショップに依頼。以下がその詳細である。「次に修理が必要な場合は新しいバイクを買った方がいいですよ」と言われる。

 ハーネス修理(バッテリーヒューズ、レギュレーター、分岐点)
 各配線、点検、カプラ部腐食修理含む レギュレーターカプラ部、メインカプラ部
 レギュレーター点検(部品代3800円)
 工賃 15000円

 発電点検含む
 ショートパーツ(ギボシ等/部品代1000円)

 バッテリー 台湾YUASA(部品代4800円)

 キャブレター少分解、清掃、測定、点検、調整
(スロージェット清掃、油面、フロートレベル点検)
 圧縮比圧力測定、キャブレター点検、フューエルポンプ作動点検
 工賃 7000円

 エアクリーナー、アウトレットチューブ交換(部品代940円)

 パーツクリーナー等 油脂材料費(部品代1000円)

【合計金額 部品代11540円+工賃22000円+部品送料・データ通信費400円+消費税2715円=36655円】

2019-07-31

「原因論」と「目的論」の違い/『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健


『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』岸見一郎

 ・「原因論」と「目的論」の違い

『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII』岸見一郎、古賀史健
『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
『手にとるようにNLPがわかる本』加藤聖龍
『NLPフレーム・チェンジ 視点が変わる〈リフレーミング〉7つの技術』L・マイケル・ホール、ボビー・G・ボーデンハマー
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『マンガでわかる 仕事もプライベートもうまくいく 感情のしくみ』城ノ石ゆかり監修、今谷鉄柱作画
『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル

必読書リスト その二

哲人●そこでアドラー心理学では、【過去の「原因」ではなく、いまの「目的」】を考えます。

青年●いまの目的?

哲人●ご友人は「不安だから、外に出られない」のではありません。順番は逆で「【外に出たくないから、不安という感情をつくり出している】」と考えるのです。

青年●はっ?

哲人●つまり、ご友人には「外に出ない」という目的が先にあって、その目的を達成する手段として、不安や恐怖といった感情をこしらえているのです。アドラー心理学では、これを「【目的論】」と呼びます。

青年●ご冗談を! 不安や恐怖をこしらえた、ですって? じゃあ先生、あなたはわたしの友人が仮病(けびょう)を使っているとでもいうのですか?

哲人●仮病ではありません。ご友人がそこで感じている不安や恐怖は本物です。場合によっては割れるような頭痛に苦しめられたり、猛烈な腹痛に襲われることもあるでしょう。しかし、それらの症状もまた、「外に出ない」という目的を達成するためにつくり出されたものなのです。

青年●ありえません! そんな議論はオカルトです!

哲人●違います。これは「原因論」と「目的論」の違いです。あなたのおっしゃる話は、すべてが原因論に基づいています。【われわれは原因論の住人であり続けるかぎり、一歩も前に進めません】。

【『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎〈きしみ・いちろう〉、古賀史健〈こが・ふみたけ〉(ダイヤモンド社、2013年)】

 読む量が多すぎて書く量が少なすぎると書評した本がわからなくなる。挙げ句の果てには自分で検索して「おかしいな」を連発する有り様だ。本書は古賀史健が岸見一郎の『アドラー心理学入門』を対話という形式でわかりやすく解説したものである。にもかかわらず軽々と岸見本を凌駕している。古賀は言うならばリライト名人なのだろう。ただ、丁寧や端正が行き過ぎて鼻につく嫌いがある。

哲人●【アドラー心理学では、トラウマを明確に否定します】。ここは非常に新しく、画期的なところです。たしかにフロイト的なトラウマの議論は、興味深いものでしょう。心に負った傷(トラウマ)が、現在の不幸を引き起こしていると考える。人生を大きな「物語」としてとらえたとき、その因果律のわかりやすさ、ドラマチックな展開には心をとらえて放さない魅力があります。
 しかし、アドラーはトラウマの議論を否定するなかで、こう語っています。「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショック――いわゆるトラウマ――に苦しむのでやなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。【自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである】」と。

 私の頭が悪くてスッと入ってこないのだが、ブッダやクリシュナムルティに通じる価値観の転換がある。特に最後の一言は重要だ。これをもっと簡明かつダイナミックにしたのがバイロン・ケイティである。


 意味とは妄想である。不幸も幸福も妄想だ。脳という錯覚装置が織り成す感情のタペストリーを我々は人生と名づける。

 妄想は無明から生まれる。本書は無明を自覚させてくれる良書である。