2021-01-28

世界最初の紙幣は北宋の「交子」/『経済は世界史から学べ!』茂木誠


 ・世界最初の紙幣は北宋の「交子」

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【世界最初の紙幣は北宋の「交子」(こうし)】です。内陸の四川(しせん)で発行されました。
 当時、中国で広く流通していたのは銅銭ですが、銅の産出が少ない四川では鉄銭を使用していました。しかし鉄銭は重く、高額の取引には向きません。
 そこで金融業者は商人から鉄銭を預かり、引換券として紙幣を発行したのです。北宋政府は商人からこの権利をとり上げ、交子を発行します。政府が保有する銅銭を準備金(担保)として、発行額には上限が定められました。
 ところが、政府というのは無駄遣いに走りがちです。戦争や公共事業、宮廷の浪費を賄うため、上限を超えて紙幣を乱発し、信用が一気に失われます。【紙幣乱発による通貨価値の下落――すなわちインフレが起こる】わけです。
 北宋の交子、南宋会子(かいし)、交鈔(こうしょう)、すべて同じ経緯で紙くずになり、「インフレ→農民暴動→王朝崩壊」という経過をたどりました。」

【『経済は世界史から学べ!』茂木誠〈もぎ・まこと〉(ダイヤモンド社、2013年)】

 紙幣を発明したのはユダヤ人の金貸しだと思い込んでいる人が多い。私もその一人だった。羅針盤・火薬・紙・印刷は中国の四大発明とされるが、紙幣も加えて五大発明にすべきだろう。

 このテキストを読んで直ちに思ったことは「なぜドル基軸通貨体制が維持されているのか?」である。ま、有り体に言ってしまえば石油や武器をドル決済させることでアメリカ本国へドルが還流することを防いでいるためだろう。

 ニクソンショックから既に半世紀以上を経ている。ドルは360円から104.292円(現在値)まで価値を下げている。最終的には50円くらいまで下げると私は睨んでいるが、50円だと紙屑とは言わない。それほど遠い未来ではなく数年以内にドルは沈むことだろう。米国債を大量保有している中国と日本はどうするのだろうか?



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