・『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか』大村大次郎 2012年
・『税務署員だけのヒミツの節税術 あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】』大村大次郎 2012年
・『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎 2015年
・『税金を払わない奴ら なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』大村大次郎 2015年
・『お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が古代~現代にガサ入れ』大村大次郎 2016年
・『お金の流れで探る現代権力史 「世界の今」が驚くほどよくわかる』大村大次郎
・『お金で読み解く明治維新 薩摩、長州の倒幕資金のひみつ』大村大次郎 2018年
・マネーと国家が現代の宗教
・信用創造の正体は借金
・『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎
・『脱税の世界史』大村大次郎 2019年
信じられないかもしれないが、今のお金の仕組みの原型は、17世紀のヨーロッパの商人が気まぐれで始めた悪徳商売にあるのだ。その悪徳商売の発展により、なし崩し的に現在の紙幣ができあがり、世界各国が「これを通貨としましょうか」ということに、「なんとなく決めてしまった」のである。
つまり、お金の仕組みは非常に無計画で、いい加減につくられたものなのだ。
現在は、金融工学や経済理論が非常に発達していると言われている。
しかし、高度に発達したはずの金融工学や経済理論も、実は、17世紀の商人の悪知恵によってつくられたお金の仕組みを前提としているのである。
はっきり言えば、中身はとてもチャチで不完全なものだ。
また、現在のお金は、以前(半世紀前)のような、「貴金属との兌換」もされていない。
貴金属との交換が約束されているわけでもなく、綿密に計算されてつくららたわけでもないお金を、我々は日々血みどろになって追いかけているのだ。
【『ほんとうは恐ろしいお金(マネー)のしくみ 日本人はなぜお金持ちになれないのか』大村大次郎〈おおむら・おおじろう〉(ビジネス社、2018年)】
「17世紀のヨーロッパの商人」とは両替商を行っていたユダヤ人を指す。ヨーロッパでは伝統的にユダヤ人が排斥・弾圧されてきた。就ける職業も限られた。彼らの才能が芸術や金融で花開いたのは、そうせざるを得なかった歴史的な経緯による。
動画を二つ紹介しよう。
最初の動画は「Money As Debt」(負債としてのお金)の一部である。
世界最初の紙幣は北宋の「交子」だが、たぶん信用創造には至らなかったのだろう。ユダヤ人の悪知恵は「信用」に目をつけた。その着眼の鋭さが近代の扉を開いたとも言い得る。
紙幣こそは現代のマンダラであり、硬貨は十字架である。通貨の信用は約束事に過ぎないが、現代社会でお金の価値を疑う者はいない。すなわちマネーとそれを保証する国家こそが現代の宗教なのだ。自殺の大半が経済的困窮によるものだ。我々はお金がないと生きてゆくことができない――そう信じ込んでしまっているところに、この宗教の絶対性がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿