2021-02-11

トレーディングにおける七つの大罪/『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信

 ・トレーディングにおける七つの大罪

『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ
・『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか』富田公彦
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

第5章
 トレーディングにおける7つの大罪
 いかに戦い、打ち勝つか

 第1の大罪――すぐに損切りできないこと
 第2の大罪――利益を勘定すること
 第3の大罪――時間軸を変更すること
 第4の大罪――より多くを知ろうとすること
 第5の大罪――過度に自己満足に陥ること
 第6の大罪――間違った勝ち方をすること
 第7の大罪――正当化

【『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ:林康史〈はやし・やすし〉監訳、藤野隆太〈ふじの・りゅうた〉訳(日経BP、2002年)以下同】

 何となく男女関係を思わせる価値観である。第3の大罪は結婚を先延ばしにする無責任な男か(笑)。トレードとは交換の意である。その意味ではあらゆる経済行為がトレードといってよい。日常生活では「買う」と表現するが、トレード意識を持つことが重要だ。給与も同様である。一度時給換算をしてみるといい。

 個人的には第6と7の大罪が身につまされる。トレードは裁量であろうとシステムであろうと手法である。ゆえに勝ち方・負け方が問われる。結果オーライという考え方もあろうが、飽くまでも長期的視点に立つのが正しい。誤った勝ち方をすると取り返しのつかない癖がついてしまう。更にその結果を正当化すると「誤った成功体験」として記憶される。「あの時上手くいったから今度も大丈夫だ」という保証はない。マーケットは生き物なのだ。

 我々のアプローチはテクニカル手法である。マーケット心理の変化を反映し、信頼できるさまざまなチャートに基づく。チャートには、買い手と売り手の力関係が変化した瞬間を特定できるパターンがある。
 チャートはマネーの動きの足跡とでもいうべきものである。チャートは嘘をつかない。トレーダーにとってマーケットは患者なのであり、チャートは患者の内部を映し出すレントゲン写真なのである。

 アメリカの現役プロトレーダーの間では既にテクニカル手法は絶滅したと伝えられるが、チャートを丸っきり見ない人はいないだろう。それがどのような足であろうと建玉をする際はチャートを確認するはずだ。

 投資はゴルフ以上にメンタルの作用が大きい世界である。手法よりもメンタルが問われると言ってよい。

 私は横書きというだけで本を放り投げてしまうことが多いのだが、本書は最後まで読ませられた。

0 件のコメント:

コメントを投稿