2011-10-05

米市民デモ:南部にも飛び火する兆し 異例の事態に


 世界金融の中心地・ニューヨークのウォール街付近で始まった米国の市民デモは4日、テキサス州など米南部にも飛び火する兆しを見せ始めた。保守色の強い南部地域で大規模な抗議行動に発展すれば、異例の事態だ。全米各地に広がるデモは3週目に突入し、深まる寒さの中、参加者らは寝袋を持ち込んで「長期戦」に備えている。
 4日付の米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、米南部のテキサス州マッカレンやテネシー州メンフィスでも、若者らが抗議行動を開始。今後はさらに、アラバマ州モービルやアーカンソー州リトルロック、米西部のニューメキシコ州サンタフェなどでもデモが計画されているという。
 抗議団体の拠点であるニューヨークのズコッティ公園では4日、寝袋にくるまって寒さをしのぎながら夜を明かす参加者の姿があった。テントを設営して泊まり込む人もおり、「徹底抗戦」の構えだ。

毎日jp 2011-10-05

 テロから暴動への変化か。

スティーブ・ジョブズ

Fortune: The trouble with Steve Jobs

 スティーブ・ジョブズとのトラブルを説明するために作られたモザイク画像のようだ。表示を拡大するとわかるが小さな画像を集めたもので錯視画像の一種だ。せっかくなんで、伝説のスピーチもどうぞ。



スティーブ・ジョブズ I スティーブ・ジョブズ II スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 スティーブ・ジョブズ名語録 (PHP文庫)

【付記】この記事をアップした日にスティーブ・ジョブズは逝去した。哀悼。

《速報》米アップル社のジョブズ氏死去

 米アップル社の創業者で、取締役会長スティーブ・ジョブズ氏が5日、亡くなった。56歳だった。CNNなど米主要メディアが報じている。同社のホームページでもジョブズ氏の逝去を報告。ジョブズ氏のモノクロ写真とともに、「アップル社は独創的な天才を亡くしました。世界にとっても輝かしい功績を残した人を亡くしました」と追悼のメッセージを掲載している。ジョブズ氏は米カリフォルニア州出身。iPhoneやiPadなどの人気製品を次々と生み出したカリスマ経営者として知られる。04年にすい臓がんを患い、09年には肝臓移植のため休職。今年1月、病気を理由に再び休職することが発表され、8月には最高経営責任者(CEO)職を辞任していた。

tv asahi 2011-10-06

 哀悼の意を表して画像を追加。(10月7日)

WBK steve jobs

Remembering Steve Jobs Wallpaper by Matt Fairbrass

Steve Jobs

Steve Jobs iPad - Time Magazine

Steve Jobs 1955-2011

金で人生を台無しにされたりなんかしないぞ
スティーブ・ジョブズは仏教徒だった

私を変えた本


 個人的な覚え書き。人間は人間と出会うことで変わる。触発という言葉は手垢まみれで好きではない。ここはやはり脳内のネットワークが変わるとすべきだろう。本を読むこともまた人との出会いを意味する。

 感動には2種類ある。今までの自分の反応を強化する感動と、それまでにない全く新しい感動である。例えば私は人がバタバタと死ぬ映画を好むが、そのような映画を何本見たところで私が変わることはない。

 面白い本は多い。ためになる本も山ほどある。だが自分の価値観を揺さぶり、思考を木っ端微塵にし、概念を破壊する本は少ない。

 私を変えた本たちを紹介しよう。

『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ

文庫 女盗賊プーラン 上 (草思社文庫)文庫 女盗賊プーラン 下 (草思社文庫)

 34歳の時に読んだ。私はどちらかというと積極的――あるいは攻撃的――な平和論者であった。しかし暴力が支配する世界では暴力でしか立ち向かうことができない事実を知った。しかも本書に書かれていることは大昔のことではなかった。プーラン・デヴィは私と同い年だった。世界平和など戯言(たわごと)であることを思い知らされた。

両親の目の前で強姦される少女/『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ

『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ

ルワンダ大虐殺 〜世界で一番悲しい光景を見た青年の手記〜

 私はキリスト教の運命論を否定して仏教の宿命論を信奉していた。それなりに勉強もしてきたつもりだった。ところがルワンダ大虐殺には全く通用しなかった。わずか100日間で100万人近い人々が殺戮された。もしも殺された原因が過去世にあるとするならば、全ての犯罪は容認されてしまう。レヴェリアン・ルラングァは本書の後半で神との対話を試みて、完膚なきまでに神の欺瞞を暴いている。だがそれで彼が救われるわけではない。私には彼に掛ける言葉がなかった。「生きていてよかったね」ということすらはばかられた。45歳にして迷いは深まり、懊悩(おうのう)する日々が続いた。

『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ

『石原吉郎詩文集』石原吉郎

石原吉郎詩文集 (講談社文芸文庫)

 読書にはタイミングがある。『女盗賊プーラン』以外はいずれも45歳で読んだ作品である。石原はシベリア抑留者であった。それは国家から見捨てられた経験であった。クリスチャンとしての信仰スタイルも変わらざるを得なかった。石原は平凡な人物であった。しかし彼の目は鹿野武一〈かの・ぶいち〉をしかと捉えた。本書を読んで国家、組織、集団に対する考え方が一変した。

究極のペシミスト・鹿野武一/『石原吉郎詩文集』~「ペシミストの勇気について」

『一九八四年』ジョージ・オーウェル

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 20代で新庄哲夫訳を読んでいたが、これほど面白いとは思わなかった。管理社会と自由をテーマにした作品であるが、より本質的には集団と権力(≒暴力)の実相を描いている。つまり集団そのものが暴力であると考えることも可能だ。メディア社会(≒高度情報化社会)は人間のつながりをコントロールする関係に変えてしまった。

現在をコントロールするものは過去をコントロールする/『一九八四年』ジョージ・オーウェル

『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ

子供たちとの対話―考えてごらん (mind books)

 クリシュナムルティを知り、私が抱いてきた数々の疑問は完全に氷解した。初期仏典の意味もわかるようになった。クリシュナムルティとの出会いは人生最大の衝撃といってよい。自由とは離れることであった。

自由の問題 1/『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ

 不惑(40歳)と知命(50歳)のちょうど真ん中になる45歳で私は変貌した。自分でも驚いているほどだ。なお適当なカテゴリーがないため「併読」にしておく。

どう生きたらいいかを考えさせる本

IMF(国際通貨基金)を戯画化するとこうなる


 ・IMF(国際通貨基金)を戯画化するとこうなる

『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン

imf

 まったくもって「お見事」。嫌悪感を抱くよりも、笑うことが正しい。発展途上国の貧困を維持するのがIMFの目的だ。ローマクラブが尖兵(せんぺい)となって環境問題に警鐘を鳴らしたのが1972年のこと。それ以来、先進国が決して立つことのない「イス取りゲーム」が始まったのだ。「エネルギーと食糧には限りがある。だからお前たちが先進国になることは絶対に認められない」というのが先進国ルールだ。

 バブル景気で図に乗っていた日本を崩壊させ、ジャパンマネーがアメリカに還流する仕組みをつくった上で京都議定書は採択された。日本をイスから下ろすための新しいルールに基づいてゲームは続行中だ。

 IMFと世界銀行は第二次世界大戦に勝利を収めた連合国の意志に基づく機関で、真の目的は資源の豊富な発展途上国を債務漬けにすることである。そして先進国の人々は娯楽に興じながら、ぶくぶくと肥え太ってゆくのだ。自分で身体を支えることもできない人物よ、汝の名はアメリカなり。政治と宗教が手を組んでいるテレビの映像が示唆的だ。

貧富の差
世界中でもっとも成功した社会は「原始的な社会」/『人間の境界はどこにあるのだろう?』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト
経済侵略の尖兵/『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
利子、配当は富裕層に集中する/『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』河邑厚徳、グループ現代
ウォール街を占拠せよ
グロ-バル化 IMF(国際通貨基金)が貧困を作るときなくならない飢餓/『面白いほどよくわかる「タブー」の世界地図 マフィア、原理主義から黒幕まで、世界を牛耳るタブー勢力の全貌(学校で教えない教科書)』世界情勢を読む会

マイケル・ハワード、プリーモ・レーヴィ


 2冊挫折。

ヨーロッパ史における戦争』マイケル・ハワード:奥村房夫、奥村大作訳(学陽書房、1981年/中公文庫、2010年)/翻訳の文体に馴染めない。中世から第二次世界大戦に至る戦争を中心にヨーロッパ史が描かれている。いつの日か再読する必要がある。

天使の蝶』プリーモ・レーヴィ:関口英子〈せきぐち・えいこ〉訳(光文社古典新訳文庫、2008年)/最初の三つは結構面白かったのだが、「天使の蝶」でガクッとなって挫ける。関口の翻訳が素晴らしい。