大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=がマンションから飛び降り自殺した問題で、生徒が同級生から暴行を受けていた事実があるとして、父親(46)が昨年末にかけ3回にわたり警察に被害届を提出しようとしたが、大津署から受理を拒否されていたことが4日、関係者への取材で分かった。
男子生徒への暴行については、自殺後の昨年10月中旬に学校が全校生徒に実施したアンケートで、44人が記名の上、「体育大会で集団リンチに遭っていた」「万引をさせられ、殴る蹴るの暴行を受けていた」などと具体的な証言を行っている。
男子生徒の父親は、複数の同級生から独自に聞き取った暴行の証言と学校の調査結果を基に、生徒が自殺した後の昨年10月に2回、同12月に1回、大津署に出向き、暴行容疑の被害届を提出したいと申し出たという。しかし、関係者によると、対応した署員は「犯罪としての事実認定ができない」として受理を断ったという。
父親は大津署の対応について「真相究明のために、死んだ息子に代わって被害届を出したかった。どうして受理してくれないのか」と憤る。同署は「一切、答えられない」としている。
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京都新聞 2012年07月05日】
【滋賀】「自殺練習」直接見てない 大津市教委釈明
大津市立中学2年男子生徒の自殺後に学校が実施した調査で、自殺につながる可能性のあるいじめ行為について多くの情報が寄せられていたことが発覚した問題。市教育委員会は4日の会見で「自殺の練習を強要したと聞いた」との回答があったことを認めたが「直接は見ていない」と事実と判断できないため公表を控えたと釈明した。
市といじめに加担したとされる生徒の保護者に対し損害賠償訴訟を起こした関係者によると、「自殺の練習」以外にも「万引をさせられていたようだ」「『家族全員死ね』と言われていたらしい」などの回答が複数あった。「自殺の練習」に触れた回答で、学校は記名した3人にあらためて事情を聴いたが、無記名の12人の声は調査対象にすらならなかった。
昨年11月、「いじめと自殺の因果関係は判断できない」として調査打ち切りを発表した市教委は、現在も同様の見解。訴訟で男子生徒の両親の代理人を務める弁護士は「何も問題がなければ、15人もの生徒が同じ回答を寄せることは考えにくい」と、調査を打ち切った市の姿勢にあらためて疑問を呈した。男子生徒の父親(46)は「一生懸命書いてくれた生徒たちの声を切り捨てた」と怒りをあらわにする。
一方、いじめたとされる生徒の母親は、昨年11月にあった保護者会で「アンケートは周りの目撃情報を基に全く関係ない人間が推測で書いた」と主張。訴訟では、いじめたとされる生徒3人の保護者はいずれも「いじめはなかった」として、市と同様に請求棄却を求めている。
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中日新聞 2012-07-05】
大津市の中2男子「自殺練習」――学校が生徒に口止め「外にしゃべるな」
(前略)アンケートには「首を絞められていた」「死んだハチを口に入れられていた」「殴る蹴るの暴行」「万引きの強要」「キャッシュカードで遊ぶ金を使われていた」「死ぬ前日、部屋をめちゃめちゃにされ、財布をとられていた」という回答もあった。にもかかわらず調査は打ち切られた。
◆お決まりの言い逃れ
「朝ズバッ!」が生徒に聞いた。いや、出るわ出るわ。「3、4人に囲まれてなぐられていた」「死ね。うざい。消えろとか言われていた」「イスに縛られてなぐられていた」「死んだハチを食わされかけてて、オレは見てて、やめとけと」話す。「学校から口止めされている」という声もあった。「学校は隠してばかり。そういうことはあった」「やっぱり言わなあかん」 「テレビにしゃべるなと言われたが、話す。学校はせこい」「(見てた)オレらも悪いし、いじめたヤツも悪いし、先生も悪い」
死んだ子の両親はいじめた3人の生徒と両親、大津市を相手に7700万円の損害賠償を求めている。これに対し、市は「いじめは執拗なものとはいえず、自殺の原因とはいえない」、加害者は「いじめではなく遊びだった」と話している。越直美・大津市長は自らもいじめを受けた体験から、「いじめのない大津市にする」と言いながら、それ以上の調査は打ち切ったままだ。(後略)
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J-CASTテレビウォッチ 2012-07-05】
いじめた側にも人権…「自殺練習」真偽確認せず
大津市の市立中学2年男子生徒が自殺したことを巡って行われた全校アンケートで「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」との回答を市教委が公表しなかった問題で、市教委が加害者とされる同級生らに対して直接、真偽を確認していなかったことがわかった。
市教委はこれまで、非公表にした理由を「事実を確認できなかったため」と説明していた。
市教委によると、「自殺の練習」は、生徒16人が回答に記していた。うち実名で回答した4人には聞き取りをしたが、事実は確認できず、それ以上の調査もしなかったという。加害者とされる同級生らにも聞き取りを行う機会はあったが、「練習」については一切尋ねなかったとしている。
その理由について、市教委は読売新聞に対し、「事実確認は可能な範囲でしたつもりだが、いじめた側にも人権があり、教育的配慮が必要と考えた。『自殺の練習』を問いただせば、当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった」と説明。結局、事実がつかめなかったとして、非公表にしたという。
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読売新聞 2012年7月6日07時55分】
「もうおれ死ぬわ」とメール…市教委、調査せず
大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)の飛び降り自殺を受けた全校生徒アンケートを巡り、男子生徒が自殺直前、いじめた同級生らに「死にます」とメールしたり電話したりしていた、と生徒7人が回答していたことがわかった。
市教委は遺族に確認せず、いじめたとされる3人にも否定されたため、「事実との確証は持てない」として公表を見送っていた。
市教委によると、7人は「男子生徒が自殺の練習をさせられていた」と回答した16人とは別の生徒たち。いずれも伝聞情報で、ある生徒は「いじめていた人に、死ぬという内容のメールを送ったらしい」と回答。「『もうおれ死ぬわ』とメールすると、(いじめた同級生の1人は)『死ねばいいやん』と返信した」「前日に電話で『死ぬ』と伝えたらしい」などの記載もあった。
男子生徒は時々、家族の携帯電話を借りて使っていたが、市教委は遺族に送信履歴を確認してもらうなどの調査はしていなかった。市教委は取材に、「自分たちで調べるのは物理的に無理だと思った」としている。
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読売新聞 2012年7月6日14時33分】
担任「やりすぎんなよ」 大津自殺、暴力見た生徒が証言
大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が昨年10月に自殺した問題で、同じ学年だった複数の生徒が、教師がいじめたとされる生徒の暴力行為を見ても、「あんまりやんなよ」と言いながら、ほとんど止めようとしなかった、という趣旨の証言を生徒の家族にしていたことがわかった。
生徒らは昨年12月、家族に直接証言した。それによると、担任教師の名前を挙げ、いじめたとされる生徒2人が亡くなった生徒に暴力をふるっているのに、「隣にいたが止めなかった。笑ってた。『やりすぎんなよ』って」と話した。ほかの生徒も同様の証言をし、「周りにほかの教師もいた」と話す生徒もいた。
生徒の両親が市と3人の同級生らを相手取った訴訟では、こうした教師らの一連の行為について、原告・被告双方が異なる主張をしている。原告側は訴状で担任教師が「プロレス技を仕掛けられ、半泣きになっている生徒を見かけ、『あまりやりすぎるなよ』と声をかけた」と指摘し、「いじめを何度も目撃しながら、漫然と見逃してきた」と主張。市は答弁書で、教師が「あまりやりすぎるなよ」と声をかけた部分を認め、行為をやめさせる趣旨だと主張している。
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朝日新聞関西版 2012-07-06】
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