2014-07-25
エリック・シュローサー著『ファストフードが世界を食いつくす』が文庫化
ハンバーガーやフライドチキン、いまや全世界を席巻するファストフードの背後には、巨大化した食品メーカーや農畜産業の利益優先の不合理がはびこっている。化学薬品、香料まみれのハンバーガーの味を刷り込まれる子どもたち、専属契約で廃業に追い込まれる農地や牧場、そして労働者の搾取。ファストフード産業は地球環境と人々の健康を害し、自営農民や労働者、そして文化の多様性を破壊している。わずか半世紀で荒廃したアメリカ人の食と農業構造を緻密な取材と圧倒的筆力で描いた衝撃の書。最新状況をふまえた追記も掲載。
・アメリカ食肉業界の恐るべき実態
2014-07-24
目撃された人々 58
猛暑の中100メートルを10分くらいで歩くおばあさんがいた。「お母さん、家は近いの?」と訊くと、「ここから15分くらいです」と。「そこにドラッグストアがあるから涼んでいきなよ」と伝えた。自宅に戻り、どうしても気になったのでクルマで送ってあげた。クルマで15分かかる距離だった。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 24
しかも道すがら話をしてわかったのだが、初期の認知症であった。玄関まで荷物を持ってやって、別れ際に「暑い日は家に引っ込んでいなよ」と厳しく言っておいた。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 24
今頃、私に送ってもらったことも忘れているかもしれないな。別に構わないけど。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 24
ジョン・クラカワー著『信仰が人を殺すとき』が文庫化
「彼らを殺せ」と神が命じた――信仰とはなにか? 真理とはなにか? 1984年7月、米ユタ州のアメリカン・フォークで24歳の女性とその幼い娘が惨殺された。犯人は女性の義兄、ロナルド・ラファティとダン・ラファティであった。事件の背景にひそむのは宗教の闇。圧巻の傑作ノンフィクション、ついに文庫化。
弟の妻とその幼い娘を殺害したラファティ兄弟は、熱心なモルモン教信徒であった。著者はひとつの殺人事件を通して、その背景であるモルモン教とアメリカ社会の歴史を、綿密かつドラマチックにひもといてゆく。人間の普遍的感情である信仰、さらには真理や正義の問題を次々突きつけてくる刺激的傑作。
・モルモン教の創始者ジョセフ・スミスの素顔
・モルモン教の経典は矛盾だらけ
・モルモン教原理主義者と一夫多妻制
借金人間(ホモ・デビトル)の誕生/『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
・「腐敗した銀行制度」カナダ12歳の少女による講演
・30分で判る 経済の仕組み
・「Money As Debt」(負債としてのお金)
・『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった』天野統康
・『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
・借金人間(ホモ・デビトル)の誕生
・『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン
・『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
・必読書リスト その二
「負債は、支払い終えることのできない債務者と、汲めどもつきぬ利益を得つづける債権者という関係となる」(ニーチェ)
人類の歴史において〈負債〉とは、太古の社会では「有限」なるものであったが、キリスト教の発生によって「無限」なるものへと移行し、さらに資本主義の登場によってけっして完済することのない〈借金人間〉が創り上げられたのである。
【『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート:杉村昌昭訳(作品社、2012年)以下同】
富の源泉は負債である。実に恐ろしいことだ。現代社会において経済に無知な者はいかなる形であれ必ず殺される。少しずつ。
この主題の核心にある“債権者/債務者”関係は、搾取と支配のメカニズムやさまざまな関係性を横断して強化する。なぜならこの関係は、労働者/失業者、消費者/生産者、就業者/非就業者、年金生活者/生活保護の受給者などの間に、いかなる区別も設けないからである。すべての人が〈債務者〉であり、資本に対して責任があり負い目があるのであって、資本はゆるぎなき債権者、普遍的な債権者として立ち現れる。新自由主義の主要な政治的試金石は、現在の“危機”がまぎれもなく露わにしているように、今も“所有”の問題である。なぜなら“債権者/債務者”関係は、資本の“所有者”と“非所有者”の間の力関係を表現しているからである。
公的債務を通して、社会全体が債務を負っている。しかし、そのことは逆に【不平等】を激化させることになり、その不平等は、いまや「階級の相違」と形容してもいいほどのものになっている。
借金がないからといって胸を撫で下ろしてはいけない。税という名目で我々全員に債務が押しつけられているのだ。収奪された税金は富める場所を目指してばら撒かれる。
もしも完璧な政府が生まれ、完璧な税制を行えば、支払った税金は100%戻ってくるはずだ。否、乗数効果を踏まえれば増えて戻ってくるのが当然である。
・政府が100万円支出を増やせば、GDPが233万円増えるということになる/『国債を刷れ! 「国の借金は税金で返せ」のウソ』廣宮孝信
・乗数効果とは何だろうか:島倉原
国家や地方の予算で潤っている連中が存在する。それを炙(あぶ)り出すのがジャーナリズムの仕事であろう。天下り法人についても追求が甘すぎる。
・官僚機構による社会資本の寡占/『独りファシズム つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?』響堂雪乃
日銀によるドル円の為替介入もアメリカに対する日本からの資金提供と見ることができる。利益が出ているにもかかわらず、東日本大震災の被災者を支援するために使われなかった。つまり利益を確定することができないのだろう。意外と知られていない事実だが、アメリカの不動産バブルを全面的に押し上げたのもゼロ金利のジャパンマネーであった。
相次ぐ金融危機は、すでに出現していた【ある主体の姿】を荒々しく浮かび上がらせたが、それは以後、公共空間の全体を覆うことになる。すなわち〈借金人間〉(ホモ・デビトル)という相貌である。新自由主義は、われわれ全員が株主、われわれ全員が所有者、全員が企業家といった主体の実現を約束したのだが、それは結局、われわれをアッという間に、「自らの経済的な運命に全責任を負う」という原罪を背負わされた〈借金人間〉(ホモ・デビトル)という実存的状況に落とし入れた。
〈借金人間〉(ホモ・デビトル)――恐ろしい言葉だ。資本主義は遂にホモ属の定義をも変えたのだ。間もなくDNAも書き換えられることだろう。人類は生存率を高めるために、その多くを働き蜂や働き蟻のように生きることを指示し、一握りの女王蜂や女王蟻のみが自由を享受する社会が出現しつつある。
カネが人を狂わせる、のではない。カネは人類をも狂わせるのだ。資本主義は有限なるものを奪い尽くす。エネルギーや食糧が不足した時、人類は滅びる運命にある。今からでも遅くないから、火の熾(おこ)し方や食べられる植物の見分け方を身につけておくべきだろう。
・信用創造の正体は借金/『ほんとうは恐ろしいお金(マネー)のしくみ 日本人はなぜお金持ちになれないのか』大村大次郎
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