2014-08-25
ジョー・オダネルと日本人の交流
昭和20年の夏も盛りを過ぎたころ。占領軍の一員として日本に上陸した米国の従軍写真家ジョー・オダネルさんは福岡の農村で、ある墓を見る。木で手作りした十字架に、「米機搭乗員之墓」とある。墜落した米軍機の搭乗員を、地主夫妻が手厚く葬ったものだと知る。▼「墜落した飛行士も気の毒な死者のひとりですよ」と地主の妻は語った。別の日、ある市の市長宅でごちそうを振る舞われる。奥さんが作ったのだと考え「奥様にお会いしたい」と請うと、市長は穏やかに答えた。「1カ月前の爆撃で亡くなりました」。オダネルさんは動揺し、おわびを述べ、逃げるように宿舎に帰った。▼敵国日本を憎み軍に入ったオダネルさんは、こうして現実の日本人と交流を重ねる。教会で仲良く並ぶ米兵の靴と日本人の草履を見て、このように皆が平和に暮らせればいいと思うようになった。撮影された写真と体験記は「トランクの中の日本」という題で出版され、2007年の没後も増刷されるロングセラーになる。▼日本の最大の資産は誠意、寛容、潔さを備えた日本人だとの説がある。戦後、政府と占領軍の交渉でも日本側の誠意が米側の好意を引き出したと、五百旗頭真氏は「占領期」に書いている。オダネルさんの場合も市井の日本人が元敵兵の価値観を変えた例だ。毎年この時期、混乱の中で礼節を失わなかった先人たちを思う。
【春秋/日本経済新聞 2014-08-25】
・アメリカ人の良心を目覚めさせた原爆の惨禍/『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録』ジョー・オダネル
・米軍カメラマンが見た長崎
2014-08-23
土砂災害の前兆現象
前兆現象を熟読せよ。これで助かった人々が広島にいる。/土砂災害の危険箇所は全国に52万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント:政府広報オンライン http://t.co/BX4zzjfzBV
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 8月 23
土砂災害にそなえて【土砂災害の前兆現象】 http://t.co/gHmJBh4Ef1
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 8月 23
テレビや音楽を大きい音で流していると死ぬ確率が高まる。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 8月 23
2014-08-22
2014-08-19
化け物とは理性を欠いた動物/『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世
・『魔女狩り』森島恒雄
・コロンブスによる「人間」の発見
・キリスト紀元の誕生は525年
・「レメクはふたりの妻をめとった」
・化け物とは理性を欠いた動物
・『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』ポール・ヴェーヌ
・『世界史とヨーロッパ』岡崎勝世
・『科学vs.キリスト教 世界史の転換』岡崎勝世
・『世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界』川北稔
・キリスト教を知るための書籍
・世界史の教科書
・必読書リスト その四
コロンブス以後、16世紀半ばまで、ヨーロッパ人の間で一番問題となったのはインディアンがキリスト教を理解する能力を持っているのか否か、ヨーロッパ人と同じ理性を持った存在であるのか否かという問題であった。
ここで、先にも紹介した、アウグスティヌスの怪物的存在についての議論を想い起こそう。そこでは、彼は人間を「理性的で死すべき動物」と定義し、怪物の姿をしていようと何であろうと、この定義にあてはまれば、それはアダムとエヴァの子孫であると断言していた。このことは、逆に言えば、人間の姿をしていても、それが「理性的」でないとしたら、それはアダムとエヴァの子孫ではないということになる。
【『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世〈おかざき・かつよ〉(講談社現代新書、1996年)以下同】
すなわち彼らが認識する理性とは、「神を理解できる能力」を意味する。東アジアの道理とは異なるので注意が必要だ。アウグスティヌス(354-430年)については、ま、アリストテレスに次ぐ思想的巨人と考えてよかろう。で、奴の議論は植民地主義の理念そのものである。大航海時代の1000年も前からこういう人物がいたのだから堪(たま)ったものではない。
普遍史的な世界では、ヨーロッパ以外の地は、妖怪的な人間、つまりは劣った人間たちの住む世界であり、ヨーロッパ人と同一の人間が住む場所ではなかった。こうした伝統的世界観への執着が、この議論の、もう一つの心理的背景となっていると考えるのである。
聖書に基づく史観を普遍史というのだが、これに対するキリスト教の反省はなされたのだろうか? ひょっとすると我々ジャップはいまだにイエローモンキーと見られている可能性がある。
ダグラス・マッカーサーが「科学、美術、宗教、文化などの発展の上からみて、アングロ・サクソン民族が45歳の壮年に達しているとすれば、ドイツ人もそれとほぼ同年齢である。しかし、日本人はまだ生徒の時代で、まだ12歳の少年である」(日本人は「12歳」発言)と述べたことは広く知られるが、彼にとって民主主義の成熟度は日本をキリスト教化することに他ならなかった。あいつは偉大なる宣教師のつもりだったのかもしれない。
学問的にキリスト教を検証し、普遍史の誤謬を衝くメッセージをアジアから放つべきだろう。
2014-08-17
目撃された人々 59
今朝拾い上げた蝉は、まるで電池切れの携帯電話のようにブーンと一度だけ振動して息絶えた。最後の力を振り絞ったのであろうが鳴き声を発することはかなわなかった。やつのバイブレーションはまだ私の魂を震わせている。生きるとは魂を震わせることなのだ。そんなメッセージを確かに受け取った。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 8月 17
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